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2013年11月9日土曜日

Twitterの上場



忘れもしない2009年の冬。
グーグルの会長のエリック・シュミット氏らが教授として講義するスタンフォードビジネススクールの名物授業「ベンチャーキャピタルと起業家」。

その授業に、Twitterの創業者、ビズ・ストーンが、投資家のピーター・フェントンと一緒に登場した。

Twitterのコンセプトの始まりは2006年頃。
スピンオフで会社として誕生したのは2007年の4月だ。

つまり、授業は、Twitterが会社になってから、まだ3年弱の頃だ。
それだけに、授業の前のスタンフォードビジネススクールの学生のTwitterに対する評価は、マチマチ。
「もしかしたら、Googleを追い落とすかもしれない」というくらいの印象しかなかった。

授業のはじめに、教授が、
「Twitterが成功すると思う人、手をあげて」
というと、何とクラスの半分くらいの手しかあがらなかった。

それだけに、ケーススタディでは、Twitterについて、皆言いたい放題だった。

好意的な意見:

  • 2009年の1月から2月の間に、Twitterのユーザが、600万人から1000万人に上昇している。幾何級数的なユーザの上昇は、成功するスタートアップの典型だ。
  • 2008年秋にFacebookが、500億円程度でTwitterを買うというオファーを出している。
  • リアルタイムで、他人の経験や情報を取得できるのは素晴らしい。
否定的な意見:
  • Twitterが、どうやって利益をあげるのか、全く分からない
ケースのディスカッションが終わった後、ビズ・ストーンとピーター・フェントンが壇上にあがった。ビズ・ストーンは、ピーター・フェントンに昔書いた手紙を読んでくれた。

「Twitterについて、信じて欲しいこと○箇条」

というような感じで、「必ず甲子園に連れて行くからついてきて欲しい」というトーン。とても純粋な人なんでしょう。ラブレターみたいだなぁ、と思ったのを覚えている。

ラブ・レターを読むようなソフトな口調のビズ・ストーンが、メディアの業界を民主化するんだ、と語ると、ピーター・フェントンは、Twitterについて出会ったその日、余りの衝撃に骨がとけるような気がした、と言っていた。直感で投資したらしい。

しかし、創業者と投資家は、まさに恋人同士という感じに見えた。

終始恋人にラブレターを読んでいるようなソフトな口調のビズ・ストーンのせいで、クラスは異様な雰囲気だった。

しかし、そんな二人の情熱というか恋心のようなものに感化され、 何だか凄そうだぞ、という気持ちになってくる。

クラス全体が洗脳された
そんな雰囲気だった。

クラスの終わりに、Twitterの投資家でもあるピーター・ウェンデル教授が、もう一度、

「Twitterが大成功すると思う人、手をあげて。最低でも時価総額数千億円だ。僕の投資が成功だったと思うか」

と聞くと、今度は、 クラスの全員が、一斉に手をあげた。
その熱狂、全員がTwitterを信じた瞬間に、とても驚いたのを覚えている。

今週、Twitterが上場した。
株価が株式公開日に74%上昇。
今では、大体3兆円くらいの時価総額がついている。

2008年に500億円。2013年に3兆円。5年で60倍か。
5年前に数百万円の価値のストックオプションをもらって入った人の資産は、 数億円になったということだろうか。
お金持ち達の誕生で、シリコンバレーでは、また家賃と不動産の値段があがりそうだ。

2013年10月26日土曜日

起業した会社の今


私がシリコンバレーで起業した会社は、うまくいっているようで、先日も以下のような発表がありました。
http://www.prweb.com/releases/mOasis/News/prweb11200961.htm

福島のためにつくそうと自分の会社は退職しましたが、それでも自分の会社がうまくいっていると、とても嬉しい気持ちになります。

上記のプレスリリースにもありますが、私が自分の後任に雇ったEBayの元最高執行役にかわって、モンサント出身の農業業界のCEOだったスティーブという方 が、私の起業したモアシスのCEOになります。

こちらの水ビジネスのカンファレンスでも、スタンフォードビジネススクールの卒業生が起業した会社として紹介され、「スタンフォードMBAの卒業生のビジョンはすべて当たっていた」と紹介されたようで、参加したプライベートエクイティの友達が後で教えてくれました。

いつの日か砂漠がすべて畑に変わる日がくれば、世の中が変わると思うのですが。

2013年10月9日水曜日

外資系(米国本社)での昇進・給料交渉

 
私も、米国企業に就職して約一年、そろそろ、昇進と給料アップが欲しくなった。

ご存知のとおり、「ひたすら忍耐」の日本社会と違い、米国社会では、交渉しない者には、昇進と給料アップはない。だから、ビジネススクールの交渉の授業にも人気が出るのである。

そこで、今回は、昇進・給料アップの方法を紹介しよう。

1.ダメな例

まずは、アメリカ人に、よくあるダメな例を紹介しよう。


マッチョなアメリカ人で、ろくに給料アップ交渉をしたことがない人(軍人に多い)は、以下のようなロジックで勘違いをする。

雇用者が給料アップをするインセンティブは、辞められないことである
したがって、「辞めてやる」とオファーをちらつかせながら交渉しなければならない
また、
自分が辞めると、いかに会社が困ったことになるかを分からせなければならない

したがって、喧嘩腰で、「俺はお前がいなくても困らない。でもお前は、俺がいなると困るだろう」と交渉するのが良い


本当にこういう交渉が多いのである。

しかし、雇用者の側は、上記のような話をされても嫌になってしまうだけである。

使用者がむかついて、給料交渉の結果、従業員が首になった例もある。


2.良い例


スタンフォードビジネススクール時代のコーチのヒューに電話して、どうしたらよいか聞いてみた。ヒューは、ヒューレットパッカードの副社長のコーチもしている実力者だ。

ヒューによると、「フィードバックが欲しい」と話を持ちかけるのが良いそうである。


上司からすると、部下から、

「出来ているところ・出来ていないところ」をフィードバックして欲しい

と相談されると、悪い気はしない。

普通のアメリカ人の上司であれば、

「向上心があり、素晴らしい」

という評価になる。

さらに、その過程で、自分のことをうまくアピールできれば、

「そういえば、この人は辞めると困る」

ということになる。

そこで、「実は、これだけ貢献したのですから、・・・」と給料アップと昇進アップを持ちかければ、アメリカ人は、嫌な気持ちはしない、ということらしい。


そして、スタンフォードビジネススクールでは、

「重要な会議の前には、必ず、メモをつくり、鏡の前で徹底的に想定問答をし、練習せよ」

という鉄則をたたきこまれる。



今回も、それを実践した。自分の貢献した点、足りないと思う点をまとめ、相手がついてきそうな点も紙にまとめた。そして、鏡の前で喋る練習をした。




そして、社長と交渉をした。


3.結果

結果、そこそこの昇進と給料アップとなったが、「こうなったら最高だな」というケースには到達しなかった。

徹底して準備したはずが、なぜベストケースにならなかったのか、考えて見た。

ひとつには、想定問答のつめが甘かったことがある。 しかし、より本質的な理由がある。

スタンフォードビジネススクールの交渉のクラスでは、マーガレット・ニール教授から、

「交渉では、どれだけAspirationを高くもつか」

が重要であると習った。

今回、「こうなったらよいな」というケースについて、「こうなるのが当然」と思えなかったのが、ベストケースに到達できなかった原因である。





 このことを、上記のヒューからは、別の言い方で、以下のように習ったことがある。

「オバマ 大統領のスピーチを聞いたことがあるかい?言葉の一つ一つに信念があるだろう?こういう話し方ができれば、それだけで相手を説得することが出来るよ。」

絵にするとこんな感じだろうか。
 


一言にすると単純で、信念を持つことが大切、ということである。

2013年7月3日水曜日

クラスメートの進路

ある日のこと、授業中、前をボンヤリ眺めていると、「凄い髪の毛だな」と思う人が目の前に座った。日本人の悲しい習性なのか、「髪の毛が余りにユニークだから無理・・・」と距離を置くことを決める。


ところが、そこで事件が起こる。

授業で、「チームをつくって、スタートアップのビジネスプランを書いてごらん」という課題が与えられたのだ。

ユニークな髪の毛の彼は、私と仲の良いクラスメートのエミリー・マーと、チームを組むという。エミリーは、一緒にいて楽しく、ベンチャーキャピタルの知り合いも多く、IDEOでの経験も長いので、こういうテーマのときには、欠かせない人材である。

エミリーとチームを組みたいので、仕方なく、髪の凄い彼とチームを組むことを了承した。

(エミリー・マー)

5人のチームである。

ところが、ことのほか、5人の中で、私と凄い髪の毛の彼のみが、一緒に組んで、複雑なリサーチを担当することになる。

ユニークな髪の彼は、パソコンを打つスピードが遅い。

このため、作業時には、必ず私を呼ぶ。

日々、私のストレスはたまっていき、「ちょっと、出来るだけ一人で作業しないか!」と発言してしまったこともあった。彼は悲しそうな顔をしていた。

しかし、結局、彼はタイピスト(?)が必要なので、しょうがなく、私と彼は一緒に作業を続け、そのうち、濃厚な関係(?)となった。

家に呼ばれる仲になったのである。

ある日のこと、彼の家で、彼が新しく興そうとしているファッションの会社のパートナーのファッションデザイナーのビデオを見せてくれた。

「素敵なビデオだね」と褒めると、「彼の年収、300億円なんだよ。ストックオプションを入れて。デザイナー界ではNo2だと思う」という。ワインを噴出しそう・・・にはならなかったが、顔色が変わるのは隠せなかった。

ユニークな髪の彼の名前はポール・デネブ。

エミリーから、ポールは、フランスのランバンのCEOだと聞いていたが、「ランバンなんて聞いたことないベンチャーだな」としか思っていなかった。

もちろん、本当は、かの有名なランバンである。ジバンシーとも肩を並べるファッション大手。彼がスタンフォードビジネススクールに留学するためにCEOを退職したことは、ウォールストリートジャーナルの記事になっていた。ニナリッチのCEOでもあったという。ポールは、結局起業せず、卒業後、最近映画にもなったイブ・サンローランのCEOになり、ヨーロッパで3年程過ごした。


(イブ・サンローラン)

ポールと一緒にクラスで考えた会社は、今は別のクラスメートが運営しており、起業してわずかにもかかわらず、投資家が数億円の値段をつけたらしい。

成功する人は、どこでも成功するのだろか。 クラスでも、彼のレポートは(タイピングが遅いので)、数行しかないが、それが長い文章を読みたくないという教授の利害とも重なり、必ず、最高得点かそれに近い点だという評判だった。

これまでポールは、問題を抱えているファッションブランドを立て直してきた(ようにみえる)。

そのポールが、アップルの副社長になりベイエリアに帰ってくることになった

ポールは次のたてなおし(?)に成功するだろうか。

見込みがあるとすると、最近のiPhoneは音声認識で作動するから、タイピングという最大の弱点は、克服済みという点であろうか。

2012年12月29日土曜日

隅っこを見ることによる将来の予測

「『正しいアイディアで会社をスタートするべきだ』と考える起業家が多い。大きな間違いだ。正しいアイディアであり、かつ、皆が失敗すると考えているアイディアでスタートしなければ失敗する。皆が正しいと思ったときでは遅すぎるから。」(アンディ・ラクレフ)

グーグルへの投資などでシリコンバレーの歴史を作ってきたセコイア・キャピタル。その元パートナーのマーク・スティーブンスの個人資産は、フォーブズによれば、1000億円を超えるといわれます。

スタンフォードビジネススクールでは、彼と何度かランチをする機会があり、フェイスブックの創業者のマーク・ザッカバーグがセコイア・キャピタルにパジャマを着てプレゼンテーションに来たときの話をしてくれたり、私の創業した会社のアドバイスをしてくれたり、という感じだったのですが、ある日のこと、

「起業家に必要な能力の一つに将来を読むことがある。そのためには、隅っこを見る能力(ability to see corners)が必要である。」

と話してくれました。

彼の言葉の前半は簡単です。
将来を予測することで、競争相手に対して、先手をうつことが可能となり、例えば、ビジネススクール用語でいうfirst mover's advantageが得られます。

しかし、後半はどういうことなのでしょうか。
「隅っこを見ることで、将来を予測する」とは、どういうことなのでしょうか。

これについて、今回は、ベルリンの壁崩壊(!)を例にあげて考えたいと思います。

日本に出張中、とある日本の知識人に、「ベルリンの壁の崩壊って予想できた」と聞いてみたところ、「出来なかった」という返事が返ってきました。

しかし、同じことを、ドイツの東側にあるハンガリー(ドイツとの関係で「corner/隅」のような存在)の知識人に聞いたら、人によっては、「予想できた」という答えが返ってくると思います。


ハンガリーは、東側諸国で、中立国であるオーストリアに面しています。1989年、ブッシュ大統領は、ゴルバチョフが、ソ連を維持するために軍事力を使わないという情報を耳にして、「テストしてみよう」と思い、ハンガリーに対して工作をしかけ、ハンガリーとオーストリアの国境の有刺鉄線を除去させます。その後、ブッシュの工作は続き、ハンガリー政府は、東ドイツの人が、西側に移動するのを色々と助けるようになります(こちらに詳細)。この一連の動きが、ベルリンの壁崩壊につながったといわれています(こちら)。

ハンガリーという隅(コーナー)に着目した人は、ベルリンの壁の崩壊を予想できたかもしれません。

将来は、予測出来ないものではなく、予測が当たるか当たらないか、確率の問題となると言えると思います。

したがって、「将来は予測出来ない」と割り切ってしまうのも問題ですし、逆に、「自分の予測は絶対に当たる」と傲慢になるのも問題なのですが、実は、両者とも、リスクをとらない人の立場なのです。前者は、予測出来ないから、と思って、行動をしない人。後者は、予測出来るから、絶対に当たると思って、行動する人。リスクをとらない人の効用曲線は、以下のようになり、直線でありませんから、自分のリターンを最適化することが出来ないと考えられます。




情報化時代では、能力のある人の間では、情報の格差が減っていくと考えられますから、同じ能力のある人の間で、差をつけようと思った場合、もう一歩踏み込んだ戦略が必要となると考えられます。

リスクをとっていることを認識して、「賭けに出て、賭けに勝つ」ことで、自分自身の効用曲線を変更し、直線に近づけることができ、同じくらい優秀な人に対して、リターンの期待値をあげることが可能になると思います。

もっとも、これに対して、通常の人以上の情報があっても、利用できない人も残念ながら、存在します。例えば、2001年8月6日、9月11日よりも前に、CIAは、飛行機を利用した攻撃を予想していました(以下資料)。この情報は大統領に届けられましたが、結果は、ご存知のとおり、非常に残念なものでした。


2012年1月20日金曜日

勝ち組になるには?!

「『正しいアイディアで会社をスタートするべきだ』と考える起業家が多い。大きな間違いだ。正しいアイディアであり、かつ、皆が失敗すると考えているアイディアでスタートしなければ失敗する。皆が正しいと思ったときでは遅すぎるから。」(アンディ・ラクレフ)



ゲームの起業のアイディアが浮かんだので、「グリーってどうなの?」と日本にいる弟に質問したところ、「学生の間で一番人気の企業だよ!」という返事が返ってきた。グリーは、私が、10年くらい前にスタンフォード大学に夏季留学したときに、留学組日本人の間で話題になっていた。当時は、日記を友達と共有できたりする小さなネットの会社だった。「絶対大きな会社になるわけないよね」と思っていた。それが、今では、「アップルを打ち落とす勢い」と噂されることもあるとか。

ちなみに、私が夏季留学していた10年前の当時、日本ではヤフーの方がグーグルよりも圧倒的に人気があった(グーグルはオタク系の雑誌に登場する程度だった)のだが、当時からスタンフォードの学生の間では、「Y.I.、ヤフーよりもグーグルを使った方が良いよ」と流行っていた。


「グリーみたいなゲームの企業が日本で人気が出ているということは、ゲーム業界は、『もう遅すぎる』のかな?」と思って、スタンフォードMBAを散歩して、現役の学生に意見を聞いてみた。案の定、「ゲームでファンドレイズするのは今は難しいですよ。皆が業界に進出してしまったので、遅すぎる感があります。あと、ジンガとかゲーム企業が期待ほどは儲けなかったのも痛いですね。」とのこと。


農業の分野で起業した私。起業した当時は、クラスメートから、「それって、ノンプロフィット?」と叩かれ、一緒にビジネスプランをつくろうと友達を誘うと、「農家は保守的だから上手くいくわけない」とことごとく断られた。ところが、起業した1年後には、スタンフォードビジネススクールに、「農業クラブ」が誕生した。今日は、「アボカド農家が講演しにくる」ということだったので、「3人聴講していれば良い方かな」と思って教室にいくと、聴衆で教室が満席だった。合格者の中にも、農家の「トマト戦略家だった」といった経歴の持ち主が現れ始めた。起業した当時、農業ビジネスに人気が出るとは思っていなかったので、全くの偶然である。



ところで、市場が大きくなるだろうと思って、現在注目しているのは、太陽電池業界である。スタンフォードMBAの学生の間では、「遅すぎる」・「沈むゆく業界だ」などと叩かれ、現在は人気がない。確かに、中国では、星の数ほどの太陽電池の会社が出来て、皆が太陽電池をつくっている状況なので、太陽電池製造企業そのものを設立するのでは、「遅すぎる」ので、上手くいかないだろう。

ムーアの法則を御存知だろうか。

インテルの創業者のゴードン・ムーアが、半導体がどれだけ将来安くなるかを予言した法則である。

ムーアの法則は、シリコンバレーの基盤の一つを作ったと言っても過言ではないだろう。しかし、「コストがどれだけ安くなるか」という予想自体については、実は、まったく難しいものではない。どの業界でも、「将来コストがどれだけ安くなるか」を予想するための法則は存在し、一般的には「ラーニングカーブ」と呼ばれる。通常、製造量が現在の2倍になったときに、コストが、過去にどれだけ下がってきているかをグラフにして分析しただけのものである。正確なことが多い。

太陽電池の場合のコストカーブは、以下のビデオで紹介されている。講演者のリチャード・スワンソン氏は、スタンフォード大学教授で、サンパワーの創業者。太陽電池業界を作り出してきた伝説の人物であり、「彼の予言のとおり太陽電池のコストが下がってきた」として有名である。是非、ビデオを見て欲しい。

Richard Swanson | Energy Seminar - November 14, 2011 from Cyperus Media.com on Vimeo.




さて、ビデオを見たところで、以下の点を考えてみて欲しい。
1:本当に予言のとおり、コストが下がるか?
2:予言のとおりコストが下がるとして、太陽電池業界は爆発的に伸びるか?
3:太陽電池業界が爆発的に伸びることが、事前に分かっていたとして、どのような会社を起業するか?


私は、1の回答はYESだと思う。ラーニングカーブは、様々な業界に存在し、予測は当たることが多い。2の回答もYESだと思う。計算をすれば、補助金なしで太陽電池が石炭のコストに勝つのは、数年以内という結果を導き出せると思う。エネルギー業界は、数百兆円の市場規模なので、乱暴な言い方をすれば、それへの道が開けることになる。懸念すべきリスク要因は、ヨーロッパの政治リスクとかだろうか。

問題は3である。ヤフーやグーグルが出てきたときには、「インターネットのインフラとして、道案内になるサイトが必要」としてたくさんの検索エンジンサイト企業が戦っていた。このようなアナロジーを使うべきなのか、車とか製造系ビジネスが伸びた時代のアナロジーを使うべきなのか。考え始めたところである。

2011年9月4日日曜日

周りに自分よりも出来る人を・・・




「そんな奴いらないよ。君に必要なのは、もっと下っ端で、良く働く奴だ。」

カリフォルニアのマウンテンビューにある会社の研究室で、私は会社のアドバイザーと電話で話していた。

「彼女は、スマートグリッドの会社の最高執行役員でした。水道会社に対するロビー活動という意味でも、バックグラウンドは、十分にマッチしていると思います。」とアドバイザーの説得にかかった。

***

起業して暫く経つが、そろそろ会社に、きちんとした組織をつくり、経営のプラクティスを導入したいと考えていた。誰か経験のある熟年のプロを雇う必要がある。

そこで発見したのが、元eBayのチーフオペレーティングオフィサー(最高執行役員)だったスザンナだった。




三顧の礼のように毎日電話して会って、遂に説得に成功し、彼女が従業員一号として入ってくれることとなった。

「常に自分よりも出来る人で自分の周りを固めること」
は、スタンフォードMBAで最初に習うことの一つ。




スザンナは、スタンフォードMBAの先輩。eBayには従業員102号として参加して、最高執行責任者になった。その後、数多くの会社の売上げを数億円レベルから数百億円レベルに短期間で向上させてきた。「私は、売上げを毎日数億円上昇させてきた」と彼女は豪語する。


「そんな人どうやって雇ったの?」と良く聞かれる。


スタンフォードMBAでは、学生の一人ひとりにメンターがアサインされる。
彼女は、私のメンターの一人だ。

もう一つ理由がある。

50歳は、人生で、多くの人がスタートアップに挑戦できるチャンスのうちの二回のうち一回だ。
二回のうち最初の一回は、若いとき、30歳以下のときに到来する。
二回のうち二回目は、子供が巣立ち、あぶらののった50歳で到来する。


既に成功した彼女は、おそらく、二回目のチャンスを取り、新しい人生を歩みたくなったのだろう。

2011年7月2日土曜日

ブログは続きます

このブログは、閉鎖せず、続けていきたいと思います(タイトルを変えるかどうかを検討中です)。

もと校長で、ウェルズファーゴ銀行オーストラリア部門のCEOのボブ・ジョスの「人生の10のレッスン」。



ボブ・ジョスの人生最大のレッスンは、Personal Renewalとのこと。

私も人生で、今まで何度か失敗したことがある。
それは、いつも、挑戦するのを辞めたとき、学ぼうとするのを辞めたとき、リスクをとろうとするのを辞めたときだった。

前回のブログで、GSBのミッションは、"Change lives, change organizations, change the world"だと述べた。傲慢に響くだろうか。しかし、このミッションは、世界を変える『結果』を出せる卒業生を出す(グーグルを起業する学生を育てる)という意味ではない。

ボブ・ジョスのスピーチの以下の部分を聞くと、ミッションの本当の意味が分かると思う。

「人生は、スコアを競うゲームではない。人生は、自分を探す終わりのない旅だ。いつでも人生の新しい『チャプター』(章)を探すように生きていきなさい。人生の意義をみつけるには、自分よりも大きなものにたいして、コミットすることだ。例えば、仕事、愛、宗教、仲間など。自分ではなく、自分を越えたものにコミットするのだ。自分の中に捕らえられてしまう(self-preoccupation)というのは牢獄である。その牢獄から抜け出すには、自分よりも大きなものにコミットする必要がある。若いときには、アイデンティティを探すものだ。アイデンティティとは、何に対してコミットするかということである。例えば、今よりもうまく仕事をするということ。世の中には、その人そのものであるだけで、世界が良くなる人がいる(some women and men make the world a better place by just being a kind of people they are。。彼らは、親切で、勇気があり、忠誠心があり、倫理的である。そういう人になるために、何年も何年も学び続けることには意味がある(注:学校に行くという意味ではなく、自分を探す終わりのない旅をするという意味です)。だから、学び続けなさい。挑戦しつづけなさい。好奇心旺盛であり続けなさい。そして、何かにコミットしなさい。人生に意義を見つけられるように。そういう人生が、世界を良くするのです(such lives will make the world a better place)」

2011年6月18日土曜日

卒業



1.最後の授業

"Regret for the things we did can be tempered by time; it is regret for the things we did not do that is inconsolable.(Sydney Harris)"(挑戦して、うまくいかなかった記憶は、薄れていく。挑戦しないで後悔した記憶は、一生忘れることが出来ない。シドニー・ハリス。)

スタンフォードGSBの最後の授業は、最人気のグロースベック教授の上の一言で始まった。それは、奇しくも、私のスタンフォードMBAのエッセイの書き出しと同じだった。


2.スタンフォードMBAの謎

スタンフォードMBAのミッションは、御存知のとおり、"Change Lives, Change Organizations, and Change the World."である。

これは単なるマーケティングなのだろうか、本当なのだろうか。

スタンフォードMBAのアドミッションオフィスが来日したとき、彼らは、スタンフォードのカルチャーにフィットしている人が欲しいと述べていた。学校のコミュニティと一体になれる人が欲しいのだ、と。
「あなたがスタンフォードのカルチャーにフィットしていれば、その影響を受ける。皆が世界を変えたい、世界を変えられると思っているカルチャーと一体となる。あなたも、『自分にもできる』と信じるようになる。我々はそういう人がほしい。」(アドミッションオフィス)
その半年後に、合格の電話をもらい、ちょうど3年前に、私のスタンフォードMBAの留学が始まった。私の留学は、前代校長のボブ・ジョスのスピーチと共に始まった。彼のスピーチは、今でも鮮明に覚えている。
「卒業したとき、振り返って、君達は、『自分がこんなに変わったのか』と驚くだろう。そのためには、いつも自分にとって、Uncomfortableだと感じることに挑戦しなさい。」
「本当に自分も変われるのだろうか。卒業するときには、ジョスが言っていたことが本当だったか振り返ってやろう」と心に決めた。


3.つらかった一年目

MBAの一年目はつらかった。一科目について平均して30頁(多いときには100頁)の予習があり、一日について、二科目から三科目授業がある。夕方まで授業があり、そのあとパーティやら色々なイベントがあるので、授業に追いつかず、どんどん負債がたまっていった。

今は校長になったガース・サロナー教授(当時は戦略の授業を教えていた)から、
「君の成績の状態は非常にまずい。危機的な状態だ。」
というメールが届いたのを覚えている。

おまけにアメリカは大不況に突入するところで、仕事がなかった。日本では得てして尊敬を集める弁護士だが、シリコンバレーのキャリアコンサルからは、
「弁護士だということは、なるべく相手に話さないようにしなさい」
とキャリアを全否定され、「それでは、どうやってアメリカでインターンシップをとるのだろうか」とショックを受けたのを覚えている。


4.自分の変化

一年目の秋休みの頃から、私に変化が訪れ始めた。

怖かったが、30年の内戦が終わったグアテマラに、クラスメートと共に行くことにした(こちらの記事)。

グアテマラの農家は貧しく、数十キロのコーヒー豆を手を真っ赤にしながらとっても、一日に1ドルしか貰えない。私が泊まった石造りの家には、いつも野犬が入ってきて、とても臭かった。我々のガイドは、我々を守るために、常にピストルを持っていた。元ゲリラの村に泊まり、生命の危機を感じながら、急斜面な活火山を登り、自然の美しさを謳歌した。とてもとてもUncomfortableだったが、美しくも危険な環境と共存して笑いながら生きていく人達を見て、世界を見た思いがした。

そしてその後、南アフリカにクラスメートと旅行した。水のない砂漠の村に泊まり、「あなたはシャワーもあびれないし、水も飲めないし、歯も磨けない。」と言われた。

世界を見て、旅行して、アメリカ人と飲食就寝を24時間ともにすることで、様々な国の人の価値観が少しづつわかるようになった。

そして、アフリカから帰ってくると、成績優秀者の一人に選ばれていた。勉強時間を削ることが出来るようになったので、アメリカのクリーンテックのスタートアップに対するコンサルをはじめた。そうこうするうちに、インターンシップも手に入った。卒業生が設立したクリーンテックの会社で、アメリカ人と一緒に仕事をして、「自分もアメリカで仕事が出来る」と自信がついた。同時に、アメリカ人のような考え方やコミュニケーションが出来るようになってきた。

インターンから帰ってくると、友達に、「変わったね。自信があるみたいだよ。」と言われた。


5.カルチャー

2年生になり、次々にスーパースター達と会うことができた。グーグルのエリック・シュミット、インテルの創業者のアンディ・グローブ、ベリタスソフトウェアのファウンダーのマークレスリーといった面々とランチをし、素顔を見た。クラスメートには、ファッション大手のランバンのCEOといった面子がいた。いやでも彼らの考え方の影響を受けた。
「アントレプレナーになりたいのであれば、コンサルや投資銀行に行くことは薦めない。学生ローンを返したい気持ちは分かる。しかし、コンサルや投資銀行のカルチャーの影響を受けて、飛行機のファーストクラスになれてしまい、子供ができ、10年後、ベットの上で起き上がり、『スタンフォードにいたときにあんなにあった僕のアイディアはどこに行ったんだろうか』といつか思う日が来る。そうなってからでは引き返せない」(グロースベック教授)

「目の前にいくつも道がある。険しい道をみて、あなたは、『もっと実力がついてから、もっと貯蓄ができてから』その道に行こうと思う。しかし、今行かなければ、その道に行こうという日は、決して来ない」(サーチファンドのクラスの教授)
気がつくと、私もGSBのカルチャーに感化されていた。


6.挑戦

彼らの考え方に感化されるうちに、起業するとしたら、どういうアイディアであれば成功する可能性があるのかが分かるようになり、その後は、次々と新しいアイディアが浮かぶようになった。GSBの友達とビールを飲むと、ビールを飲み干すまでに、2つ3つはアイディアが思い浮かぶようになった。

成功するアイディアの基準の一例:
  1. ストラテジックインフレクションポイント(戦略転換点):このブログで何度も紹介したストラテジックインフレクションポイントでは、競争のルールが変化するので、リソースのないスタートアップにも勝機がある。コーナー(隅っこ)を見ることで、将来に対する自分なりのビジョンがあれば、いち早くストラテジックインフレクションポイントに気付ける。
  2. プロダクトとマーケットがフィットしていること:スタートアップはリソースがないので、マーケティングに大企業ほどガンガンお金を使うことは出来ない。本当に強力なPainをマーケットに発見し、このPainを解決するユニークなプロダクトを売ることでしか、大企業に勝って成功することは出来ない。
  3. フォーカス:スタートアップはリソースがないので、一点に集中して、その一点で大企業に勝って成功することしかできない。
そんなとき、もとベルラボの科学者と出会い、彼から紹介された技術で起業することにした。グアテマラや南アフリカで大きな世界を見たことも、アイディアを思いつく契機になった。

次々とビジネスプランコンペティションで優勝・準優勝し、一流の投資家から資金調達した。プレゼンの技術は、GSBのコーチや教授から習った。


7.人生の意味

私のスタートアップが成功するかは分からない。それでも挑戦できるのは、ビジネススクールで、カルチャーの影響を受け、人生の意味について考える機会を与えられたからだと思う。

私は、挑戦し続ける、ユニークな人生を歩みたい。自分なりの人生を、自分の価値観に従って、歩むことが出来れば、それがGSB流の「成功」なのだ。

最後のパーティで、卒業式で、周りのクラスメート達と気持ちを共有しているのを感じた。オーケストラの一員として演奏するときに、オーケストラ全体と気持ちを共有している感覚と同じだった。その「時が止まった瞬間」は一生忘れることは出来ない。

自分の夢に向かって挑戦し、学び続け、自分が属するコミュニティと気持ちを一つにすることが出来れば、自分の人生に後悔はないと思う。

GSBの卒業式で、Herb Allisonは、「GSBを卒業する今、君達にとって重要なのは、結果ではなく、自分の価値観・コンパスに従った人生を生きることができるかどうかだ」と述べていた。

人生の意味を教えてくれたGSBに感謝したい。

2011年5月6日金曜日

ケースの主人公として登場

カリフォルニア大学バークレー校ビジネススクール(いわゆるハース)では、Allegis Capitalのマネージングパートナーが、アントレプレナーシップのコースを教えており、その授業のケースの主人公で呼ばれた。聴講生達が、プレゼンをして、最後にProtagonistの私が、実際にビジネスを運営している立場から、コメントをする形。私のコメントは、当然ながら、まだまだ未熟。はやく歴戦のProtagonist達のようなコメントが出来るようになりたい。

2011年3月12日土曜日

両利き(Ambivalent)

「起業家は、楽観的であると同時に、悲観的でなければならない」

どちらが欠けていても足らない、これに気付くのに10年かかった、とベリタスのファウンダーのマークレスリーが教えてくれた。

「両利き」(Ambivalent)であることは、実は、色々な局面で重要だと思う。

私が、7年前に、司法試験を受けたときには、「気負わずに、ベストを尽くす」という両利きが必要だった。精神的につらい試験なので、気負うとプレッシャーに押しつぶされて、自滅してしまう。実際に、「プレッシャーに負けて、ローソンで立ち読みばかりしていた」とか「プレッシャーで何も出来なくなって、家で寝ていた」という受験体験談は、よく聞く。逆に、ベストを尽くさなければ、絶対に受からない試験だった。

マークレスリーとのミーティングで、「君は、科学者か。科学者のように考えるのか。」と聞かれた。

「慎重すぎるのでは?」という意味が、暗に言葉にこもっていた。

「いえ、私は、絶対に、Great CompanyをBuildできると信じています。でも、一方で、私は、慎重です。色々な心配で頭が一杯です。」

アンディ・グローブは、パラノイアだけが生き残ると発言し、以前ブログで紹介した彼の著書も、「私は、色々な心配で頭が一杯だ」という趣旨の出だしではじまる。

マークレスリーは、笑って、「素晴らしい会社をつくれると信じつつ、色々心配するのは大切だ。でもバランスが大切だ。今の君は、ちょっと心配の方にバランスが傾きすぎている。」とアドバイスしてくれた。

「気負いすぎていたのかな」と昔のことを思い出した。ベストを尽くしつつ、気負いすぎないようにしなければ。

2011年3月7日月曜日

プレゼンコーチ

GSBのシュラム教授は、Stanford MBAで、コミュニケーションの講義を受け持っている。

「投資家の最終ミーティングを控えています。全パートナーの前でピッチする予定です。コーチしてくれませんか。」と頼むと、日曜日なのにかかわらず、OKが出た。

GSBの教授達は、人にもよるが、休日出勤もおしまないほど、学生に対する指導で熱心なのだ。私は、彼の授業を1年くらい前にとっていたが、彼は、とても熱心な教授だ。

ピッチをはじめて、10分後、シュラムが、「ちょっと止まってくれ」と私のピッチをとめた。

「僕は今畏敬の念で一杯だ。1年前と比べて見違える。自信にあふれた素晴らしいプレゼンだ。どれだけプレゼンの練習をして、プレゼンの内容を自分のものにしたのかが見て取れる。ボディラングエージもアイコンタクトもばっちりだ。ページをめくる前に、次のページの内容を説明しているのも素晴らしい。」と褒めてくれた。

「一つだけ直してくれ」という。「君は、自分でしゃっべってしまっている。聴衆はそれを聞いている。聴衆はそれを聞いていて、『いいアイディアだけど、僕はどうしたら良いのかな』と感じている。一言で、いうと、プレゼンは自信にあふれていて良いのだけど、聴衆に対するEngagementをもっと出来るよ。これを踏まえると、例えば、出だしはどうはじめるかい?」と聞かれた。

私が、「史上最も成功した投資ファンドの一つに対して、プレゼンが出来て、嬉しい」というようなことをいうと、教授に、「変えたほうがいいね。」と言われた。

教授に、「『あなたのファンドの資金をもっとも有意義に利用できるディールを持ってこれたと思っています。だから嬉しいです』という感じにしたほうがいいよ。プレゼンの最中にも常に、『あなたが助けてくれれば、これが出来ます』『あなたとパートナーシップを組みたい』ということを、いい続けるんだ。そして、『●億円欲しい』というときには、言う前に一瞬とまって、声を低く、ゆっくりとプレゼンをして、一呼吸おいてから次に続けてくれ。これが出来れば、君は、このディールをとれるよ。」と言われた。

日本人は、アメリカ人と比べて、あまり他人にコネクトする文化はないのではないかと思っている。アイコンタクとも、一般に、日本人は、アメリカ人より少ない。例えば、他人のウォールに書き込むFacebookよりも、自分で独り言をつぶやくTwitterやブログの方が人気が出ていることにもこれがあらわれている気がする。

文化の壁を乗り越えなければ。

2011年2月28日月曜日

瞑想と直感:「直感こそ、神が人間に与えた最高の才能」(アインシュタイン)

コーチングのクラスをGSBでとっているのだが、reflectionの大切さを痛感している。

2週間に3回、GSB1年生をコーチする。コーチしているだけだと、何も学んでいるように感じない。しかし、その後、机の前に一人で座って、

・良かった点、悪かった点の分析
・自分が感じたこと・学んだこと
・次回の抱負

を少し考えて、書き出すだけで、自分を客観的に見つめなおし、レパートリーを増やし、理想のコーチ像に近づくことが出来ている(気がする)。

日本では、コーチングというと、「何様か!」と傲慢な感じがするが、アメリカでは、非常に崇高なスキルであり、リーダーシップのうち最も必要なスキルのひとつとして評価されている。メソッドとしても、自分の考えやアドバイスを提供する(これは傲慢ですよね)のではなく、むしろ、質問をすることを通じて、相手が深く考えることを助けるのだ。

スタンフォードビジネススクールでは、リーダーシップのカリキュラムが来年から変更され、このコーチングのメソッドが、リーダーシップ教育の過程で、最重視されることになった。

そこで使われている素晴らしい教材が以下の本である。

Co-Active Coaching: New Skills for Coaching People Toward Success in Work And Life

この本を読むと、コーチとしての自分を高めるだけでなく、いわゆるソフトスキルを高めることができる。例えば、Level 3リスニングというスキルを利用すると、コーチされる側の心の最も深い部分まで潜っていくことができるが、こうしたソフトスキルを上記の教材で学べるのだ。

ところで、学校で、Level3リスニングのデモを数十年のキャリアがある教授と「マスターコーチ」が行ってくれた。マスターコーチが教授をコーチ。教授が心の深い部分に潜っていくのを助けた。

教授:「忙しくて、完ぺき主義者の自分には、色々なことを中途半端にしか出来ないのが耐えられない」
マスターコーチ:「その感情を表現すると?」
教授:「罠にはまったような」

このような質問を繰り返していくことで、更に、教授は、自分の感情やValuesの本当に深い部分までさかのぼっていった。マスターコーチは、教授と同じ気持ちになり、それを表情に浮かべることで、教授と一緒に心の深層に下りていっていた。興味深かったのは、マスターコーチの方が、教授よりも先に、教授の感情を表現した表情になったことである。これは、マスターコーチは、教授が感じるよりも先に、教授の本当の心の深層を感じとり、それを表情などで表現することができからである。

「なぜ、教授よりも先に、教授の感情を感じとることができるのか?そのための秘訣は?」と質問すると、「直感を体で感じることだ」という回答が返ってきた。

アインシュタインは、「直感こそ、神が人間に与えた最高の才能だ」というような哲学的な発言をしたと思う(正確な発言は覚えていない)が、スタンフォードビジネススクールでは、リーダーシップとコーチング教育の一貫として、直感を鍛える方法まで教えてくれ、また、それを実践する場を与えてくれる。

ここまでいくと、哲学と瞑想の世界だ。

しかし、ビジネスでも使える。

例えば、史上最強のベンチャーキャピタリストでクライナーパーキンス出身のヴィノド・コスラは、「自分は直感をベースに投資する。直感を鍛える方法を経験で、ジョン・ドアーと一緒に学んだんだ。それで今まで成功してきた。投資家のカネを十倍にした」というようなことを、ランチ時に発言していた。

2011年2月27日日曜日

スタンフォードMBAのホワイトハウス出身の教授

スタンフォードMBAには、ホワイトハウス出身の教授達が何人かいます。大統領経済顧問委員長をはじめ、いずれも、大統領と直接働いていた人たちです。そのうちの一人、キースヘネシーは、ブログを持っており、アメリカの政策について、自分の意見を発信しています。

こちら
です。

MBAのインタビュー対策にも使えると思います。

2011年2月16日水曜日

何が人生で一番大切か

を回答するためには、徹底した自己分析が必要になります(スタンフォードのエッセイの回答方法の話です)。

特に、価値観の分析。アメリカ人は、セラピーに通って、自己分析をするので、有利です。

日本人の場合には、以下のウェブサイトが使えます。
自己分析ウェブサイト


スタンフォードで、インターパーソナルコミュニケーションの授業、Touchy Feely(最人気授業のひとつ)を教えているスコット教授のウェブサイトです。是非一度お試し下さい。

2011年2月11日金曜日

シリコンバレーのネットワーキングイベント

今日は、夕方、学校に、ビルゲイツ財団の社長のジェフとカーギルの社長のグレッグが来て、21世紀の食料問題について講演した(なお、昼には、SAPの幹部のランチセッションに参加し、午後には、グーグルのエリックシュミットのコミュニケーションコーチにマンツーマンで数時間特別に特訓してもらった。スタンフォードは、1秒1秒にすべて学びがあるのだ)。

さて、ジェフとグレッグといわれても、日本で知っている人は少ないだろうが、実は、この二人は、大物だ。ジェフは、マイクロソフトの本体のプレジデントを長年務めた後に、ゲイツ財団のトップになった。カーギルは、アメリカ人の間でも余り名前が知られていないが、食品業界のトップの一社で、たしか、アメリカの非公開会社でNo1だ(名前が知られていない大会社として有名な会社だとウォールストリートジャーナルに書いてあった。皮肉な話だ。)。

大物が学校に来ると、スタンフォードの学生は、講演後に、質問しようと群がる。

「トウモロコシの光合成の効率について、どう思いますか」
などとアカデミックな質問をする学生達が群がる中で、私は、カーギルとビジネスを成立させようと考えていた。

カーギルは、私のいる業界で、間違いなくトップの一社。その社長と話すチャンスがあるのだ。「このビジネスチャンスを逃したら、僕、首だよね」と思いながら、機会をうかがった。他の学生と全く違う話をするわけだから、タイミングよく、短くしなければならない。また、このときまでに、カーギルのCEOの行動を見ていて、絶対に敵をつくらず、戦略的に行動するタイプだということは分かっていた(例えば、全員の前で挑発的な質問をした聴講者に対して、講演後に自分から話しかけにいっていた。)なので、うまく聞けば、OKと言われる可能性が高い。

皆の会話がとまった一瞬のすきに聞いた。
「僕は、●●という技術をもっているのですが、カーギルで採用できないか検討して頂けませんか。」と一言だけ聞いた。結果は、思ったとおり、Yesだった。「その技術がうまくいけば、フェースブックより大きな会社を作れるよ」という激励つきだった。

卒業生に、スタンフォードビジネススクールの学生でいる間は、「スーパーマリオの無敵モードだよ」と言われたことがある。この恩恵を享受できるのも、あと数ヶ月か。

2011年2月1日火曜日

GSBのコーチ達

アメリカでは、シスコなどの大企業のシニアエグゼクティブは、コーチを雇って、コミュニケーションやリーダーシップのとり方などのコーチを受ける。

GSBの学生は、こうしたコーチ達へのアクセスがあり、その恩恵を受けることができる。

今日は、「日本人の私は、アメリカ人と違い、感情をなかなか表に出せない。人前で、怒り出したり、泣き出したり、悲しんだりするのは、日本では余り良しとされないので、GSBの学生がビジネスで感情をうまく使ったコミュニケーションをしているのを見ると劣等感を感じる。どうしたら、感情を表に出したコミュニケーションを出来るのでしょうか。」とコーチングを求めた。

「えっ、アメリカ人って、感情をビジネスに利用するの?」という方は、以下のビデオをみてほしい。



ゴールドマンサックスのCEOは、顔で、怒りや笑いといった感情をうまく表現し、力強いジェスチャーをすることで、この映像を見ているであろう投資家や従業員に力強いリーダーを印象付けている。

さて、1時間のコーチング、コーチはずーっと私に質問をし続け、コーチングの終わりに、コーチが私に残したメッセージは一言だけだった。

"Slow down and use your white space."

それを聞いて、以下の詩を思い出した。

ガンで余命半年と宣告された少女の詩だそうです。

詩を読む

2011年1月30日日曜日

Stanford MBAで学ぶこと

ユニークなエッセイ「何があなたにとって一番大切ですか」を出題するスタンフォードGSB。その精神は、授業やカルチャーにもあらわれています。

以下URLのスピーチは、スタンフォードMBAで最も人気のあるグロースベック教授の授業の最終回で、読まれました。是非、御一読下さい:

幸せな人生へのガイド

2011年1月29日土曜日

オバマの失敗:コミュニケーション

GSBで最も人気のある教授の一人であるPfeffer教授がハーバードビジネスレビューのブログに記載した記事が以下から見れます:

記事

内容は、オバマがおかしたコミュニケーションの失敗を分析して、そこから私達が何を学べるかというものです。

インタビュー対策に。

2011年1月11日火曜日

授業のゲストスピーカーとして登場

今日は、スタンフォードの「クリーンテックアントレプレナー」なる授業で、ゲストスピーカーとして登場。これは、スタンフォードの外部のシリコンバレーの人達も聴講可能な授業。一応、授業の卒業生で最も成功した起業家の一人というイントロダクションをされ、壇上にあがった。まだ何もしてませんがな。聴講生には、シニアな顔ぶれが並ぶ。怒った顔の人、困った顔の人、笑っている人、色々だ。

聴講した人達は、「素晴らしいスピーチだった」とか「私もGSBを昔卒業して、会社を売ったのよ。あなたは現役の学生なの?」などとちょっと話しに来てくれたが、スピーチは、私の理想とは全く程遠い出来だった。スピーチをしている最中、ずっとヘラヘラ笑って、手足をブラブラさせてしまったのだ。


(手足をブラブラしてヘラヘラした)

なぜ、ヘラヘラしたかというと「パッションを見せたい」という願望が変な方向に出てしまった。また、手足をブラブラさせたのは、「ボディーラングエージをちょっと出しい」という願望が変な方向に出てしまった。しかし、パッションを見せるのであれば、ヘラヘラするのではなく、微笑みをうかべて、大きな声で話すべき。また、ボディーラングエジは、手足をブラブラすると逆効果。それなら、何もしないほうが効果的だ。


(これはヘラヘラでなくバタバタ)

スピーチの内容も、Conciseとは程遠かったし、何より、一言でいうとストーリー性がなかった。

「そういえば、グロースベック教授の授業に、ゲストスピーカーとして登場したアルペンキャピタルのファウンダーは、『僕には余り時間がない。だけど、このスピーチのために1年間かけて、100時間以上時間をかけて、練りに練った内容を、準備した。教授にはお世話になったから』と話していたな。」

などという考えが頭によぎった。やはり準備が重要だ。