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2011年9月4日日曜日

周りに自分よりも出来る人を・・・




「そんな奴いらないよ。君に必要なのは、もっと下っ端で、良く働く奴だ。」

カリフォルニアのマウンテンビューにある会社の研究室で、私は会社のアドバイザーと電話で話していた。

「彼女は、スマートグリッドの会社の最高執行役員でした。水道会社に対するロビー活動という意味でも、バックグラウンドは、十分にマッチしていると思います。」とアドバイザーの説得にかかった。

***

起業して暫く経つが、そろそろ会社に、きちんとした組織をつくり、経営のプラクティスを導入したいと考えていた。誰か経験のある熟年のプロを雇う必要がある。

そこで発見したのが、元eBayのチーフオペレーティングオフィサー(最高執行役員)だったスザンナだった。




三顧の礼のように毎日電話して会って、遂に説得に成功し、彼女が従業員一号として入ってくれることとなった。

「常に自分よりも出来る人で自分の周りを固めること」
は、スタンフォードMBAで最初に習うことの一つ。




スザンナは、スタンフォードMBAの先輩。eBayには従業員102号として参加して、最高執行責任者になった。その後、数多くの会社の売上げを数億円レベルから数百億円レベルに短期間で向上させてきた。「私は、売上げを毎日数億円上昇させてきた」と彼女は豪語する。


「そんな人どうやって雇ったの?」と良く聞かれる。


スタンフォードMBAでは、学生の一人ひとりにメンターがアサインされる。
彼女は、私のメンターの一人だ。

もう一つ理由がある。

50歳は、人生で、多くの人がスタートアップに挑戦できるチャンスのうちの二回のうち一回だ。
二回のうち最初の一回は、若いとき、30歳以下のときに到来する。
二回のうち二回目は、子供が巣立ち、あぶらののった50歳で到来する。


既に成功した彼女は、おそらく、二回目のチャンスを取り、新しい人生を歩みたくなったのだろう。

2011年8月21日日曜日

憧れの人の真の姿はワニか鮫か

3年前、スタンフォードMBAのエッセイに私は以下のように書いた。

「日本には良い技術がたくさんある。東芝はフラッシュメモリーを発明した。ソニーにはアイポッドにつながるアイディアがあった。しかし、技術を世界で実現することにかけては、日本企業よりも、アップルが上だったように思う。私は、ベンチャーキャピタリストになって、日本の技術を世界に実現することに貢献したい。」

グーグル、アップル、シスコ、アマゾンなどなどアメリカの成功の歴史をつくってきたクライナーパーキンスやセコイアキャピタルなどのベンチャーキャピタル。

彼らに憧れていた。そして今でも。



起業後に、シリコンバレーの伝説のベンチャーキャピタルと呼ばれる人達にプレゼンテーションしまくり、投資も受けた。


そして学んだことがある。


彼らの多くは、シリコンバレーで、アリゲーター(ワニ)とかShark(鮫)と呼ばれている。



フェイスブックの創業者のマーク・ザッカバーが、セコイアにパジャマでプレゼンテーションをしたことは良く知られている。

これは本当の話だ。メディアがウソの報道をしたのではない。

マーク・ザッカバーが気が狂っていたわけでもない。

わざとやったのだ。

フェイスブックのショーン・パーカーには、セコイアから自分のうまみを吸い上げられてしまった悲しい過去があった。

そこで、マーク・ザッカバーに、「同じ間違いをするな」と囁きつつ、心の中でセコイアに復讐することを誓ったのだ。



アップルのスティーブ・ジョブズも、セコイアから投資を受けた。彼が会社を追い出されたときに失った株式を、もし、今も持っていたら。。。



ところで、私がセコイアからコンタクトされ、投資の話を受けたときには、パートナーから、「我々は創業者にフェアだよ」と言われた。

前の話と矛盾するようだが、セコイアはウソをついていない。

セコイアが投資家として入ることで、会社の株式の価値は、平均して10倍になる。

創業者は、株をたくさんもっているので、その恩恵を受ける。

全体のパイが増えるので、山分けをしても、創業者はメリットを受けるのだ。



私も何度も何度もポテンシャルな投資家と対立した。


最近、新しく従業員を雇おうとしたときの話。


ポテンシャルな投資家A(セコイアではないです):
「Y.I.、良いビジネスマンというのは、相手の気持ちを読み取り、ディールをクローズするためにはどしたら良いかを常に考えるものだ。あいつにはそれを感じない。あいつは、とにかくおしゃべり(chit chat)をして、自分の考えていることを単に説明するタイプだ。相手と関係を構築しようという気持ちも感じられない。洗練されてもいない。今までは●●というタイトルだったようだが、生まれながらにして、マーケティングのタイプだ。雇った方が良いと思うが、とりあえず、タイトルは、『acting ●●/ VP of Marketing』として、●●の肩書きについては、後で考え直した方が良いと思うよ。」と言われた。

ちなみに、acting というのは、この場合、temporaryと同じ意味で、あとで降格するという意味だ。


私は、このポテンシャルな投資家のいう「弱点」にはすべて反対だ。相手との関係構築もうまいし、洗練されているし、今までのレジュメをみると、一人で巨大な売上げをあげており、売込みに成功してきている。

私みたいな若造が、「あなたには、acting ●●というタイトルをあげよう」と発言した瞬間に、そっぽを向かれるだろう。


憧れの人とはいえ、パーフェクトではないのです。

2011年8月17日水曜日

ダイアモンドオンラインに載りました

スタンフォードGSBのアラムナイの投資家にプレゼンテーションをしようと連絡をすると、以下のURLが送られて来ました。


シリコンバレーで開催された、とあるビジネスプランコンペティションで優勝したときの記事のようです。


昔はビジネスプランコンペティションに出る前には、いつも何度も何度もプレゼンの練習しました。
日本人なので、練習しなくては、英語の出来だけで負けてしまうからです。
今となっては、毎日毎日ひたすらベンチャーキャピタルにプレゼンするのが仕事なので、練習するというよりは、いつでもプレゼンできる状態になっています。


そういう意味では、プレゼンテーションをする起業家は音楽家に似ているのかもしれません。
若いときには発表会の前に一生懸命練習します。
プロになると、ドボルザークの新世界とかであれば、スコアが全部頭に入っていて、リハーサルだけでも本番を完璧に、こなせるという話を聞いたことがあります。


ということを考えながら、好きな曲のユーチューブを聴いてみました(上から3番目が有名な曲ですが、指揮者がスヴェトラノフなので4番目が上手な気がします)↓












曲を聴いていて、弾いているつもりになって、夢中で楽しんで集中している自分に気がつきました。

なんとなく、起業した会社も、これと同じように大切に扱わなくてはいけないという気がしました。

2011年7月17日日曜日

シリコンバレーのドラえもん(?!)

「失敗をすることは構わない。しかし、失敗するのであれば、大きく失敗したい。そして、当たったときには、ホームランでなければならない。私が成功したのは、失敗を恐れる気持ちが全くなかったからだ。」(ヴィノド・コスラ)

「9000回シュートを外した。300回ゲームに負けた。26回、ゲームの勝敗を分けるシュートの成功に賭け、失敗した。何度も、何度も、何度も、人生で失敗した。だから、私は、成功したんだ。」(マイケル・ジョーダン)



今回はシリコンバレーのドラえもんのお話。20年くらい前のドラえもんの映画(犬が出てくる奴)。


     

映画の中で、ドラえもんが、植物に注射をする。すると、植物が成長して、カレーの実を付けたのだ。実をあけると、中から、出来立てのカレーが出てくる。


(藤子・F・不二雄原作、東宝『ドラえもん のび太の大魔境』より引用。リンク元は、http://www.tv-asahi.co.jp/doraemon/contents/mini/backnumber/0122/img/23.jpg
)



20年前は、SFロマンを感じたが、最近では、「これって今の技術なら、何とか出来そうだよね」と考えるようになった。そして、本当にそんな技術が出てきた。

それが、ヴィノド・コスラが最近投資をしたスタートアップだ。

このスタートアップの技術を使うと、植物が、牛肉や豚肉を作り出すようになる。

「マクドナルドに売るのか、ベジタリアンに売るのか」マーケットを攻略する方法を友達と議論した。

当たれば大きい。牛肉のコレステロールが体に悪いことは、皆知っている。世界中の人が肉から植物に乗り換えれば・・・と考えれば、天文学のような数字がマーケットサイズとなるだろう。

しかし、技術は完成していないし、コスト面で肉に勝てるかも分からないし、遺伝子組み換え食品と同じようにメディアに叩かれるリスクもある。

コスラなら、そのリスクを取れる。スタンフォードMBAを出たばかりの私の友達(ジェネラルミル及び農家の出身)は、従業員No1として、コスラにこの会社に送り込まれた。彼が、世界を変えられるか楽しみだ。

ちなみに似たような技術の会社としては、大気中の二酸化炭素を取り込んで、カーボンを利用した製品(ペットボトルとか)を作り出すという会社がある。コスト面で難しそうだ。

私の方は、最近、学校を出て、近所(スタンフォードから歩いて10分)に引越しをして、ようやくインターネットが接続された。ネットがつながると好きな音楽が聴ける。



来週から中東に出張することになりそうだ。

2011年5月19日木曜日

スタンフォードビジネスプランコンペティション

今年もスタンフォードビジネスプランコンペティションが開催された。

今年は絶対優勝と思っていたところ、コンペティション当日の2日前に、「君はベンチャーキャピタルから投資を受けたプロ(!)だから、賞金はあげない」という(関係者ほぼ全員がCCに入った)メールが届いた。

2日前に通知とはヒドイ!
抗議をして一生懸命交渉したところ、「しょうがないから賞金も考慮をしてあげるよ」と向こうが折れてきた。

結局結果は2位で、賞金100万円を手に入れた。

コンペティションの歴史上、ベンチャーキャピタルから投資を受けたチームが賞金を受けたことはなかったと思われるので、さすがに優勝させるとまずいということだったのか、実力だったのかは分からない。

優勝できなかったのは残念だが、更に多くの投資家のレーダーに入ったので、次のラウンドのファンドレイズで有利になれそうだ。

2011年3月7日月曜日

起業家

「えー、農業のビジネス?農家ってリスクとるの?」「それって、Non Profit?」

一年前、今のビジネスのアイディアを知人に話すと、決まって、「気が狂ったか」という反応が返ってきた。

「なんで、インターネットとか分かりやすいのにしないの?」とも聞かれた。

何気ない会話だが、実は、起業家をどう見るのかという問題をはらんでいる。

以前のブログにも紹介したMike Cassadiのように、起業家の中には、2年くらいで会社を売り払うことを目的とする「短いヒット」を狙う人も確かに入る。これをシリコンバレーでは、「カネに雇われた傭兵」と呼ぶらしい。

私にとっては、起業家とは、既存の業界を(良い意味で)破壊する人種だ。シリコンバレーでは、これを目的とした技術を、Disruptive Technologyという。例えば、「クライナーパーキンスは、Disruptive Technologyの可能性のある技術以外には投資しないし、興味もない」と、クライナーのパートナーが言っていた。

業界を破壊するとは、アンディ・グローブのいうストラテジック・インフレクションポイントを引き起こすということである(何それ、という方は、こちらを参照)。要は、業界の競争のルールを根本的に変化させることを意味する。

例えば、インターネット、アマゾン、アップル、ネットフリックスのせいで、出版業界、新聞(紙?)業界、映画業界の競争のルールは根本的に変わってしまった。

最近では、電気自動車が、自動車業界にストラテジック・インフレクションポイントを引き起こせるかどうかが注目されている。これは、中国で、トヨタの100分の1にはるかに満たない規模のベンの会社(以前のブログを参照)が、垂直統合型の業界を、水平統合型に変え、競争の仕組みを変えられるかどうか、ということだ。

起業家として、ストラテジック・インフレクションポイントを引き起こすには、「常識」に挑戦する必要がある。

例えば、眠れるアメリカの会計業界。「会計士業界なんて、Disruptできるの?」と思われるかもしれないが、アメリカでは、Intuitが出てきて、業界の仕組みが変化した。

同じく眠れる弁護士業界。やはり、弁護士業界をDisruptするのは難しそうなイメージだ。しかし、アメリカでは、Clearwellという会社がセコイアから投資を受けて、インフレクションを起こそうとしている。

Sales Force.comは、「顧客情報という最重要情報の管理は他社に委託しない」という常識を打ち破って、大成功した。

伝説のベンチャーキャピタリストのアンディ・ラクレフは、「起業家として成功するには、条件がある。一つは、正しいアイディアに集中すること。もう一つは、これが良く間違われているのだが、他の人が正しいと思わないことに集中すること。」と話していた。いくら良いアイディアでも、皆がやっていてはダメなのだ。

例えば、良く聞く議論に、「絶対に、自動車業界には、電気自動車が登場して、Strategic Infletion Pointが起きる。Strategic Inflection Pointでは、起業家にチャンスが到来する。だから、私は、電気自動車(あるいは電池)のビジネスをする。」というものがある。見事な3段論法なのだが、これは、既に皆がそう思っているので、ちょっと遅いと思う。

水と農業のビジネスは、市場が大きく、誰もまだDisruptしていない。ベンチャーキャピタルの投資も、クライナーとコスラを除いて、殆どない。無数のベンチャーキャピタルの投資が集中しているクリーンエネルギー業界とは対照的だ。

2010年9月22日水曜日

中国の電気自動車

「昔、日本に行って、戻ってきたインテルの部下が言った言葉を忘れない。

『何かが違う』

と」(インテル元CEO、アンディグローブ)


上海空港に降り立った瞬間、むっとした臭気が、あがってきた。
「この臭いは酷いな。1ヶ月が限界だ。」

上海のプライベートエクイティでの1ヶ月のインターン。
電気自動車のビジネスのビジネスディベロップメントが、主な担当だ。

仕事をしてみて、
「何かが違う。」
と感じた。

中国が、クリーン革命に勝って、覇権を取るかもしれないと感じた。

ドイツの10週間のインターンのときには、全くこれを感じなかった。

なぜ、中国では、これを感じたのか。

以下の理由だ。

スタンフォードビジネススクールのミッションは、「10年後、20年後、あるいは数十年後に、世界を変えるリーダーを育てること」だ。

学校では、そのメソッドを徹底的に教え込まれる。といっても、驚く程、シンプルだ。

例えば、以下の点に着目しなさいというようなことを教わる。


  • 10倍の技術
  • 法制度の大きな変化
  • ディストリビューションのイノベーション(デルやアマゾンが例)
このことを、アンディ・グローブは、ストラテジック・インフレクションポイントと呼んだことは、このブログや、日経BPのウェブサイトで、ご紹介したとおりだ。

さて、クリーンテックの実現には、以下が必要だといわれている。


  • 法制度のサポート
  • 従来技術より安いコスト
  • 投資(アップフロントが高いから)
中国では、これらの点に、ストラテジックインフレクションポイントが到来していると感じた(3点目の投資を除く)。

例えば、中国の電気自動車チェリーを例にとって考えてみる。チェリーの電気自動車は、走行距離や最高速度という点では、世界レベルの電気自動車に引けをとらないと思う。

・法制度という意味では、補助金が電気自動車一台について、最大で150万円程度出る。
・コストという意味では、ローコストの国の中国の電気自動車チェリーは、補助金前で、約160万円。補助金によって、10万円まで価格が下がりうる。繰り返しになるが、チェリーの電気自動車の性能は決して低くないようにみえる。300万円・400万円の電気自動車を買えない消費者も、今までの車よりも良い性能(元値が160万)で、10万円の電気自動車なら買うのではないだろうか。
・投資という意味では、政府が無料で工場を出したりする。

さて、ストラテジック・インフレクションと一口にいっても、何通りかある。例えば、自分が作り出す場合と、他人が作り出す場合と、自分と他人の相互作用が作り出す場合がある。 それぞれの場合に適用した仕組みがないと、覇者になるどころか、敗者となるという。

中国のクリーンテックの場合、自分と他人との相互作用により、ストラテジックインフレクションが起きている(第三のケース)。他のプレーヤー・状況が物凄い速度で動くので、先が読めない。

このようなケースでは、中央が全て決めるのではなく、下層機関に、状況に応じて、なるべく柔軟に対応してもらうのが良しとされる。下層機関のほうが、情報が早く届くからだ。

中国には、そのような仕組みがあるのだ。一見中央集権にみえるが、中央集権が方向を決めた後、カネの配分の権限の大部分は、地方政府に権限がある。

地方政府の市長を説得すると、それだけで、かなりの便益がもらえたりする、というのが私の印象だ。 補助金、無料の工場、税金優遇、などなど。

インターン先の企業は、中国政府から列車の運営の権益を獲得した実績があるなど、中国政府との仕事の仕方を良く知っていた。民間の立場から、中国政府にどのように働きかけ、どのように(賄賂なしで)サポートを実現するのかということを学べ、とても有意義だった。


さて、アンディグローブが、日本に来たとき、日本人がとても礼儀正しくて驚いたというようなことを言っている。

私は、中国で、アンディグローブの日本への印象と同じ印象を持った。

今の中国人(私が会った人達)は、とても礼儀正しいと思う。

例えば、私の個人のパソコンが壊れたときには、同僚が、黙って自分のパソコンを私に使うように薦めた。私が承諾するまで、あとにひかなかった。そして、彼女は、他の同僚と、パソコンを共有して使っていた。

それだけでなく、例えば、電車で、高齢者の方や赤ん坊を抱えている女性がいると、中国人の誰かが、ほぼ確実に、席を譲る。

これは、日本では、見られることが久しくなった風景と考えるのは、私だけではないと思う。

2010年2月28日日曜日

シリコンバレーのベンチャーキャピタリストに対するプレゼンテーション

水がなくて、農家に捨てられた土地。


(写真の出典:http://www.vfej.vn/public/Images/content_img/0china.jpg

水がなくて捨てられた農地を、バイオ燃料畑・穀物畑に戻せないでしょうか。

最近、シリコンバレーで、自分の体積の500倍の体積の水を吸収する物質が発明されました。
この技術を利用すれば、乾燥地を穀物畑に変えられるのではないでしょうか。

最近は、アイディアをベンチャーキャピタリストやCEOに話してフィードバックをもらっています。
昨日は、Khosla Venturesをはじめとして16人のベンチャーキャピタリストが会ってくれ、プレゼンテーションをしました。

しかし、こういうとき、日本人は、発音の差・プレゼンを重視しない教育の差があり、苦労します。

そこで、スタンフォードMBAで、プレゼンの方法の授業をとりはじめました。
面白かったのは、Nancy Duarte氏のプレゼンメソッド。
彼女は、アルゴアの映画、Inconvenient Truthのスライドを作成しています。

そのNancy Duarte氏による上手なプレゼンテーションをするためのレクチャーが、以下から見れます:



ソースは、こちらです:
http://blog.duarte.com/page/3/

2010年1月24日日曜日

なぜStanford MBAなのか

「おい、また新しい技術があるぞ。」

また友達から電話がかかってきた。数々のノーベル賞受賞者を生んできたベルラボ。その科学者だった友達(45歳)からの電話だ。

前に電話がかかってきたときは、「太陽電池にくっつけると、太陽電池の効率が1.5倍になり、kWh当たりコストが2分の1になる技術」の紹介だった。「太陽電池業界のインテルになれるか」というビジョンが頭に浮かんだ。そのプロジェクトは今でも遂行中だ。

今度は何の技術なのか。

友達「水をためるパウダーだ。水の中にパウダーを入れると固まってジェル状になる。」
私「砂漠でも出来るの?」
友達「水を含ませたパウダーを砂漠にまぜておけば、植物はずっと生きている」
私「コストは?」
友達「ほとんど0だ。」

今度は、前よりももっと面白い話だ。
すべての砂漠をバイオ燃料の畑にできるのか。
そんなビジョンが、うっすらと頭に浮かんできた。



砂漠は、地価が安い。砂漠は、Cashを生みにくいから、DCFで評価すれば当然地価は安くなる。
砂漠をバイオ燃料畑にできれば、大量のCashを生むようになり、価値があがる。
実現するために必要なコストが、それに見合うかどうか、数字をはじく必要がある。
数字があえば、砂漠を緑に変えられるかもしれない。



しかし、数字をはじく前に人にあって話しをしてみよう。

すぐに動き始めた。

シエラ・ベンチャーズの創業者のピーター・ウェンデル氏、エリック・シュミットのアドバイザーのレイモンド氏、Khosla Ventures、Kleiner Perkinsのパートナーといった面々とランチをしたり、電話で話してみた。

このブログで「悪魔のベンチャーキャピタリスト」として紹介したKhosla Ventures。
「数字をはじいてみて、うまくいきそうだったら、1頁の紙でいいから送ってくれ。投資するか検討したい。ビジネスプランはいらないよ。」
という返事だった。

さらに周りを普段歩いている色々な人とランチをしてみた。
そのうちの一人が、たまたまバイオ燃料業界で世界最大の企業のCFOだった。
彼は、「とても面白い」とプロジェクトチームに入ってくれた。
その彼が、Marketingで最強の人材も連れてきた。

今日は、自分のメンターに連絡してみよう。
Stanford GSBでは、全員にメンターがつく。私の場合は、joint degreeでMBAのほかにMSを取得中なので、ビジネスパーソン及び教授が三人、科学者のメンターが一人つく。

科学者のメンターは、Chris Field。
ノーベル賞を受賞した科学者で、安い土地(Marginal Land)でバイオ燃料畑をつくることを声高に叫んでいる人だ。

それぞれの分野で世界第一人者の人が手の届くところにいる。
それが、Stanford。

「地球上のあらゆる場所で、Stanford GSBの2年生程素晴らしい場所はない」
新しいDeanになったSalonerからのメールだ。

このプロジェクトがうまくいくのかは、もちろん分からない。
しかし、まさに夢のような経験だし、今後どの道をとるにせよ、この過程から学んできたことは、いかせると思う。

それが、私がStanford MBAにきた理由だ。

2010年1月4日月曜日

ベタープレイス

MBAの日本人の間でも、クリーンテクノロジーに対する関心が高まっています。

合格された方から、
「MBAに合格しました。ブログ読んでます。クリーンテクノロジーに関心があるので、一度会いませんか。」
という嬉しい連絡を頂くことがあります。

お会いして、
「具体的にどういう分野にご興味があるのですか」
と質問すると、
結構頻繁に頂く御返事が
「うーん。ベタープレイスとか?!」

ベタープレイスは、日本でも、雑誌記事に載るなど、注目を集めています。
環境省がバックアップし、元ルイヴィトン日本CEOでハーバードMBA卒業生の方が、日本のヘッドをされています。

どういう企業なのか。
最も注目されているのが、バッテリースワップ。
どういうことでしょうか。
三菱のアイミーブや日産のリーフに代表されるように、電気自動車が注目される時代になりました。
しかし、電気自動車に積む電池は、まだまだ値段が高く、また、充電に時間がかかります。
箱根に旅行するときなど、長距離を旅行する際に、充電が切れると大変です。
そこで、ベタープレイスは、
「電池は私が持っているのを、お貸しします。携帯電話みたいに、使っただけお金を払って頂ければ結構です。充電が切れても大丈夫ですよ。私共のバッテリースワップステーションで、電池ごと交換しますから、すぐです」
というソリューションを打ち出したのです。

さて、ベタープレイスは、どのくらい成功する確率があるのでしょうか。

「当たるとデカイ」です。なぜなら、一度、スワップステーションが全国にできてしまうと、後発企業の参入障壁が非常に高いからです。
ベタープレイスがバッテリースワップステーションを全国に設置するとする。後発企業からすると、バッテリースワップステーションを全国にいきなり設置するだけ資本がある可能性は低いと思われるので、少しずつになる。ベタープレイスは、いろいろな方法で後発企業の参入を妨害できます(例えば、後発企業のステーションの傍でだけ価格競争する)。また、バッテリーにはいろいろなタイプがあるとすると(あるいはベタープレイスが他の企業のバッテリーとのスワップを許さないとすると)、ユーザからすると、全国にステーションが設置された便利なベタープレイスのほうを使うという風になりやすくなります。

しかし、本当に成功できるのでしょうか。

良くある批判が、電池には色々なタイプがあるので、すべてのタイプを揃えないといけないとすると、バッテリースワップは難しい、という批判。また、電池は重いからスワップは難しいという批判。しかし、いずれも技術的に解決できそうであり、私に届いている情報(真偽は不明)では技術的には解決済みとのこと。

しかし、より難しい問題が、ファイナンスだと思います。

ある情報筋(真偽は不明)によれば、カリフォルニアをバッテリースワップステーションでカバーするだけで1000億円が必要とのこと(電池代を含まない)。電池を入れれば、もっともっと凄い金額になりそうです。

そうすると、ベンチャーには難しいのではないか。

リスクの高いベンチャーは、エクイティで調達するのが基本だと思いますが、ベンチャーキャピタルのファンドの規模(大きくても1つで1000億円くらい)を考えると、エクイティでの全額の調達は無理そうです。ヘッジファンドやプライベートエクイティがベンチャーに投資していたときもありましたが、リーマンショックで、シリコンバレーからは殆どが「蒸発してしまった」といわれています。

エクイティでは足りないので、デットで入れるとすると?
実際にも、ベタープレイスは、デットファイナンスを検討しているという噂です。

しかし、ファイナンスの理論によれば、デットとエクイティの比が重要です。 (デットの比を高めれば、金利に伴う節税効果のために、キャッシュフローの期待値が向上し、当初は企業価値が向上します。しかし、あまりにデットの比率を高めると、今度は倒産する可能性が高くなり、倒産した場合のコストの期待値が計算に入るために企業価値は下がります。)

デットとエクイティの比は、ベタープレイスのように、アセットをたくさん有しているビジネスでは、デットの比率が高めになる傾向があります。 しかし、ここで思い出されるのが、有名なイリジウムのケースです。

イリジウムは、日本の京セラの稲盛氏をはじめとした世界のスーパースターを抱え、ファイナンス業界から注目を集めました。アセットをたくさん有するビジネスであり、また、スーパースターが運営していたため、「利益があまり出る前の段階から」ファイナンス業界が大量の資金をデットで貸したと言われています。

イリジウムは、最後には失敗します。

そして、その教訓として、「アセットがたくさんあれば、確かに『ターゲット』となるデットの比は高くなる。しかし、本当にデットの比を高めるのは、利益がきちんと出てからとすべきで、利益が出る前にデットの比を高めてはいけない」と良く言われます。

ベタープレイスが、イリジウムの二の舞にならなければ良いのですが。
ベタープレイスは、まずはイスラエルなど小さな国から順番にビジネスをはじめています。ここで、利益を出して、デットの比を高められるようにすれば、国土の大きな国に打って出れるかもしれません。また、デットのほかに、政府の資金などを入れようとしています。いずれにしても、大量のカネという意味でダイナミックで、かつ、デットの比を高めるタイミングという意味でセンシティブなExecutionになりそうです。

日産は、「ベタープレイスとセットにされて、日本でバッテリースワップ型の車を出すかのように言われているが、そういう計画は今のところない」との旨の発言をしたと言われています。 しかし、その日産も、ルノーの方で、イスラエルでは、ベタープレイスに協力して、バッテリースワップ型の車を出すと言われています。

おそらく「ベタープレイスがイスラエルで成功すれば、他の国での協力に検討するし、失敗すれば、トカゲの尻尾を切るように切ってしまえば良い」と考えているのでしょう。

ベタープレイスが非常に難しく、センシティブなExecutionに成功するか注目です。

2009年8月1日土曜日

スタンフォードGSB:インターン先で学んでいること

サマーインターンも約半分が終わろうとしておりますが、今のところ、何とか順調にやれています。いくつか学んだことがあります。

1 インセンティブ
 私に与えられた5つのプロジェクトは、例えば、いわゆる10倍テクノロジーのビジネスプランを書く仕事など、いずれも非常にチャレンジングで、興味深い内容でした。頑張ろうという気持ちがわいてきました。

2 チャレンジ
 せっかくアメリカのスタートアップで働けるチャンスが手に入ったのだから、どんな小さな仕事も一生懸命やろうと思い、平日家に帰った後も、土日も、専門書を読むなど、仕事に関係のあることを中心にして時間を過ごしていました。
 しかし、日本人の私は、顔も発音もアメリカ人とは違いますし、かなり苦労しました。例えば、最初は、社内でミーティングがセットしてあっても、(日本人だからなのかインターンだからなのか)私とのミーティングは最後まで後回しにされてしまい、予定時刻よりも数時間待って、業務時間終了間際となるのが当たり前で、中々仕事が前に進みませんでした。
 隣の席で、一緒にインターンをしている別のビジネススクールの学生からは、どうやら「こいつは発音も悪いし頭が悪いに違いない」と思われたらしく(注:私の勝手な予想です)、最初の数週間、(同じビジネススクールのインターンであるのにかかわらず)会話が「おはよう」「また明日」以外は全くありませんでした。これでもまだ良い方で、社内の科学者の中には、挨拶もしてくれない人もいました。
 しかし、頑張っているうちに、少しづつ、信頼されるようになり、ようやく会社の一員として認めてもらえるようになりました。CEOやCOOが皆の前で褒めてくれたことも、相当手伝った気がします。
 今では、ミーティングが遅れることもなくなり、隣の席のインターンの学生とも始終会話がはずむようになりました。
 それよりも何よりも、科学者が、一緒に座って、「なぜこのテクノロジーが優れているのか」何時間でも説明してくれるようになりました。
 教えてもらえるようになって、よくよく聞いてみると本当に凄いです。
 
 クリーンテクノロジーの進歩が、ナノテクノロジーの利用に関連するだろうということは良く言われています。蓄電の場合、一つのアプローチがナノワイヤーと呼ばれるテクノロジーで、物質を、ナノレベルで糸状にします。
 例えば、アンプリウスというスタンフォードのマテリアルサイエンスの学生の間で有名な会社があります。この会社は、リチウムイオン電池の負極に、ナノワイヤー状のシリコンを利用しています。今までは、リチウムイオン電池の負極にはグラファイトが使われていました。グラファイトの代わりにシリコンを使えば、シリコンはグラファイトの10倍以上エネルギーをためることができます。しかし、シリコンは電気をためると、5倍に膨張してしまうため、実際にはシリコンが広く負極に使われることはありませんでした。アンプリウスは、シリコンをナノワイヤー状にして負極に利用しました。こうすると、シリコンは電気をためても膨張せず、ナノワイヤーが伸びるだけになるため、従来の課題が解決されます。
 
 しかし、ナノワイヤーをアンプリウスのような方法で実現しようとすると、ナノワイヤー状にするのにコストや手間がかかるようです。実際にも、アンプリウスは、現段階では、大量生産への移行は出来ていないようです。

 私のいるスタートアップのテクノロジーは、別のアプローチで、ナノワイヤーと同じような結果を実現できます。その方法論は、詳細がかけないのが残念ですが、大変エキサイティングでした。

3 アイディア
 いくつか会社の持っているアイディアの分析をさせてもらいました。
 その結果、アイディアは、ひらめきに依存するだけではだめで、いわゆる「思いつき」の後に、時間をとって、しっかりと考える時間が必要であることを学びました。


 

2009年6月17日水曜日

サマーインターン

サマーインターンを、ultracapacitorのスタートアップですることになりました。将来、長期的に、どのような道をとるにしろ、米国のスタートアップで働いてみる経験は、変え難いものになると信じており、大変楽しみです。

ところで、ultracapacitorとは何なのでしょうか。
私は全くの素人なのですが、インターン先を決めるに当たって色々と調べてみました。

ultracapacitorとは、コンデンサのように電気をためられる性質を持っている製品です。現在は、電気歯ブラシ等小型の製品に主に使われていると思います。自動車への応用の研究も盛んです。
http://www.jisc.go.jp/newstopics/2009/capacitor.pdf

シリコンバレーでは、クリーンテクノロジーへの転換のボトルネックになっているのは、蓄電技術のイノベーションの速度だと、良く言われています(最も分かりやすい例が自動車で、電池の値段が高すぎるので、なかなか電気自動車への移行が進まないと言われています)。そこで、蓄電技術分野での投資・起業・就職が活発なのですが、現在、最も人気があるのは、リチウムイオン電池だと思います。これは、成熟したマーケットで、現在、日本の大企業がシェアの5割以上を占めています。スタートアップで有名なのは、A123で、以前にIPOしかけて(景気悪化というタイミングのために)やめたという経緯もあり、「ここに就職すれば景気回復後に必ずIPOするはずであり、ストックオプションでたくさん儲けられる」と考えるビジネススクールの学生が盛んに就職活動をしています。

ultracapacitorは、下表のとおり、リチウムイオン電池に比べて、数倍以上のパワーがあります(充放電の速度がはやい)。これは、自動車では、加速度や充電速度に関係し、重要です。

もっとも、現段階では、リチウムイオン電池に比べて、約20分の1しか蓄電できない(Specific Energy)と言われています(下表参照)。蓄電量は、自動車でいうと走行距離に関連し、やはり重要です。この弱点を補うために、シリコンバレーでは、ultracapacitorに、ニッケル水素電池等(比較的安価で電気をたくさん蓄積できる)を組み合わせることが注目されています。

しかし、私が個人的に注目しているのは、ultracapacitorの寿命です(下表ではリチウムイオンの100倍程度の寿命ですが、別の専門家は1000倍の寿命があるといいます)。もし、ultracapacitorの寿命も勘案して、電池とultracapacitorのlife time value analysisを実施すると、どのように基準をとっても、ultracapacitorの価値は、圧倒的に高いことになると思います(表を使って計算してみてください)。これは理論値ですので、実際には、valueをextractするビジネスモデルが必要になりますし、また、理論を実現するには、(車が重くなりすぎないような組み合わせの実現等)様々な障害があることは承知しています。ただ、経済産業省は、電気自動車の移行には、現在の電池に対して、性能で7倍、コストで40分の1の電池が必要と発表しており(以下URL)、電池という成熟した分野でこれだけのイノベーションを起こす(以前にも御紹介したとおり20年必要と考えている専門家が多い)よりは、ultracapacitorでビジネスモデルを利用して勝負する方が可能性が高いと感じています。
http://www.meti.go.jp/press/20070528001/initiative-torimatome.pdf

(表:Andrew Burke and John Miller, "Electrochemical Capacitor: Challenges and Opportunities of Real World Applications"The Electrochemical Society Interface/ Spring 2008, 54頁より )



2009年2月28日土曜日

Blackswan 2

砂漠で太陽光発電をし、エネルギーを蓄積しておいて、必要なときに放出する・・・
霧の多いサンフランシスコの民家の屋根にソーラーパネルを敷くよりは、素人目には、効率が良いように思えます。

砂漠で太陽光発電というアイディアを実現するのが、いわゆるSolar Thermalです。基本的な仕組みは単純で、太陽エネルギーをレンズ等で集中させて、水等を水蒸気とし、当該水蒸気でタービンを回して発電するというものです。

下の写真は、日経BP(http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090224/187198/)からの引用です(飯山辰之介氏「【技術フロンティア】灼熱地獄の夢プロジェクト」)が、日本でも注目されはじめているようです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090224/187198
Solar Thermalは、オーストラリア、シリコンバレーでは、随分前から注目を集めています。

Solar Thermalの凄いところは、エネルギーを蓄積できるところにあると思います。電気を蓄積するバッテリーやEnergy Storageの技術の水準の(必要性と比較した場合の)低さは、Clean Technologyのネックになっています。Solar Thermalは、電気ではなく、温度の形でエネルギーを蓄積するため、より効率的にエネルギーを蓄積できると言われています。したがって、砂漠で大量に発電をして、夜間を含め、必要に応じて電力を供給することが可能と言われています。

一番はじめに、この技術を利用した企業は、恐らくAusraの前身だと思われます。この企業は、当初成功するかに見えたのですが、政府のClean Technologyに対する援助姿勢の変化により、(コスト面で石炭に勝てなくなってしまい)一気につぶれてしまいました。そこで、誕生したのが、コストを圧倒的に削減したAusraです。このブログでご紹介しましたVenture CapitalistのVinod Khosla(スタンフォードMBA Class of 1980)から出資・経営面でサポートを受けています。
http://www.ausra.com/

Ausraは、景気が悪化する前には、「コスト面で石炭に勝って、アメリカの全エネルギーの90%を供給できる」と発言していたと言われています。

Ausra等Solar Thermalの問題点は、これまで送電線にあると言われてきました。砂漠には送電線がない場所が多く、送電線をひくには、1マイルあたり、約100万ドルが必要であると言われています。

そこで、オバマ政権が送電線を砂漠にひいて、かつ、必要な援助をすれば、Solar Themalが一気に勝つという見方もあります。アメリカの全エネルギーの90%を太陽光発電できるのであれば、確かにBlack Swanでしょう。

ただし、当のAusraは弱気になってしまい、経営陣は、「Solar Thermalが今のScaleで石炭に勝てるとは思えない」という趣旨の発言をされています。オバマ政権は、Loan Guranteeプログラムなども提供していますので、プロジェクトファイナンス等で一気にScaleアップできる可能性もあるのかもしれませんが、経営陣が弱気というのは決定的という「噂」(ソースは学生及びVC)を、よく耳にします。

2009年2月22日日曜日

Blackswan 1

http://chemoton.files.wordpress.com/2008/10/blackswan.jpgより引用)



Black swanをご存知でしょうか。


ウィキペディアによれば、

"The Black Swan theory (in Nassim Nicholas Taleb's version) refers to a large-impact, hard-to-predict, and rare event beyond the realm of normal expectations."
を指す、とのことです。

世の中の仕組みを変えてしまうようなイベント(ゲームチェンジングなイベント)といったイメージでしょうか。例えば、ヤフーやグーグル等の検索システムが登場して、人々の情報の取得の仕方が、それまでとは全く変わったことなどが例としてあげられると思います。
やや宣伝気味で恐縮ですが、スタンフォードMBAに留学することの大きなメリットの一つとして、次のBlackswanになりうる動きに関する情報が手に入ることがあげられると思います。
今回は、そのうちの一つをご紹介したいと思います。
例として、車のバッテリーをとりあげたいと思います。
オバマ政権のお金の使い方などを見てみると、オバマ政権が、プラグインカーに注目していることがわかると思います。(例えば下記)
もちろん日本でも注目されています。(例えば下記)
プラグインカー(電気自動車、プラグインハイブリッドなど)が難しいのは、バッテリーのためだと言われていると思います。
そこで、例えば、ビジネスウィークなどは、リチウムイオン電池に注目しているようです。
しかし、例えば、シリコンバレーのテスラモーターズは、シリコンバレーのVCの間の噂によれば、1万5千個(!)近いリチウムイオンを車に搭載しており、コスト以下の価格で車を販売していると言われています(証拠はなく、VCやMBAの学生の間での噂に過ぎませんので信憑性は定かではありません)。
そこで、リチウムイオン電池を上回るBlackswanが存在しないかが問題となります。
候補は色々とあるようですが、例えば、カナダのある自動車メーカと組んでいる電池のメーカによれば、以下の電池を実現したそうです。
・リチウムイオンが重さ752ポンドであるとした場合に、300ポンドの電池(重さ半分!)
・Discharge rateが、リチウムイオンでは、30日間で1%であるところ、30日間で0.02%を実現
・リチウムイオンではフルチャージに3時間以上必要であるところ、3分から6分でフルチャージ可能(プラグインカーでは重要)
・52kWh unitについて、現在は、3200ドルのコストがかかり、MESに至ると2100ドルとなる(あるソースによれば、lead acid batteryの半額であるそうです)。