2010年1月24日日曜日

なぜStanford MBAなのか

「おい、また新しい技術があるぞ。」

また友達から電話がかかってきた。数々のノーベル賞受賞者を生んできたベルラボ。その科学者だった友達(45歳)からの電話だ。

前に電話がかかってきたときは、「太陽電池にくっつけると、太陽電池の効率が1.5倍になり、kWh当たりコストが2分の1になる技術」の紹介だった。「太陽電池業界のインテルになれるか」というビジョンが頭に浮かんだ。そのプロジェクトは今でも遂行中だ。

今度は何の技術なのか。

友達「水をためるパウダーだ。水の中にパウダーを入れると固まってジェル状になる。」
私「砂漠でも出来るの?」
友達「水を含ませたパウダーを砂漠にまぜておけば、植物はずっと生きている」
私「コストは?」
友達「ほとんど0だ。」

今度は、前よりももっと面白い話だ。
すべての砂漠をバイオ燃料の畑にできるのか。
そんなビジョンが、うっすらと頭に浮かんできた。



砂漠は、地価が安い。砂漠は、Cashを生みにくいから、DCFで評価すれば当然地価は安くなる。
砂漠をバイオ燃料畑にできれば、大量のCashを生むようになり、価値があがる。
実現するために必要なコストが、それに見合うかどうか、数字をはじく必要がある。
数字があえば、砂漠を緑に変えられるかもしれない。



しかし、数字をはじく前に人にあって話しをしてみよう。

すぐに動き始めた。

シエラ・ベンチャーズの創業者のピーター・ウェンデル氏、エリック・シュミットのアドバイザーのレイモンド氏、Khosla Ventures、Kleiner Perkinsのパートナーといった面々とランチをしたり、電話で話してみた。

このブログで「悪魔のベンチャーキャピタリスト」として紹介したKhosla Ventures。
「数字をはじいてみて、うまくいきそうだったら、1頁の紙でいいから送ってくれ。投資するか検討したい。ビジネスプランはいらないよ。」
という返事だった。

さらに周りを普段歩いている色々な人とランチをしてみた。
そのうちの一人が、たまたまバイオ燃料業界で世界最大の企業のCFOだった。
彼は、「とても面白い」とプロジェクトチームに入ってくれた。
その彼が、Marketingで最強の人材も連れてきた。

今日は、自分のメンターに連絡してみよう。
Stanford GSBでは、全員にメンターがつく。私の場合は、joint degreeでMBAのほかにMSを取得中なので、ビジネスパーソン及び教授が三人、科学者のメンターが一人つく。

科学者のメンターは、Chris Field。
ノーベル賞を受賞した科学者で、安い土地(Marginal Land)でバイオ燃料畑をつくることを声高に叫んでいる人だ。

それぞれの分野で世界第一人者の人が手の届くところにいる。
それが、Stanford。

「地球上のあらゆる場所で、Stanford GSBの2年生程素晴らしい場所はない」
新しいDeanになったSalonerからのメールだ。

このプロジェクトがうまくいくのかは、もちろん分からない。
しかし、まさに夢のような経験だし、今後どの道をとるにせよ、この過程から学んできたことは、いかせると思う。

それが、私がStanford MBAにきた理由だ。

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