2010年1月3日日曜日

MissionaryとMercenary

John Doerrについて、補足。

1.投資とポートフォリオについて

ある雑誌記事のインタビューによれば、「投資をする際には、技術、マーケット、チームを見る」そうです。

そして、スタートアップを、「MissionaryタイプとMercenaryタイプ」という観点から見るようです。

それぞれの特徴は、以下のとおりです。(John Doerrの2009年の講演より)



いくつかのシリコンバレーの企業で働いてみました。

実際に、シリコンバレーの企業で働いてみると、「心地よい」と感じるスタートアップは、Missionaryな要素をたくさん持っていました。「カスタマーの視点に立つように」というような指示が末端のスタッフにまで行き届きます。また、仕事をしていても、常にチームのサポートがあります。「ファウンダーだけが良い思いをしている」ということはなく、若くても、結果を出していれば、大切にされます。

逆に、働いてみて「凄いんだろうけれど、ストレスを感じる」スタートアップは、Mercenaryな要素をたくさん持っていました。例えば、「金をもうけて将来楽をしたい」(Making Money、The deffered Life Plan)という発想で、「今を、自分の情熱に従って生きる」という感じがあまりありません。また、何か仕事をしていても、チームのサポートがなく、「●●しておいて」と普通の感覚であれば「奇跡を起こせ」というような指示がとびます(loners)。顧客の立場に立とうという発想もなく、「競争者に勝つために、顧客が●を要求したらその顧客は切ろう」という議論が平気でまかり通ります。さらに、設立間際であるにもかかわらず、「あと7年で市場を全部とる」というようなOptimisticな議論が戦略もなくされます。これを変えようと、頑張っても、ファウンダーが最も強い(aristocracy)ので、筋がとおっていたとしても、なかなか意見が通りません。

Kleiner自体は、Missionaryになりたいのだと思います。例えば、インターネットのトーマス・エジソンと呼ばれるBill Joyやアルゴアがパートナーにいる一方で、大変若いパートナーもいるようです。


2.キャリアアドバイス

John Doerrは、以下のような経験を若いうちに積むと良い、と講演しています。

・Launch a product
・Manage a douzen or more employees
・Learn great management processes from the best: GE, Intel, Amazon, Cisco, Intuit, Google

より具体的には、以下のようなスキルを得るべきだと言います。

・Ability to listen actively, think critically
・Communicate (think on your feet, debating the merits of issues, whether large or small groups)

そして、その理由として、以下のように述べています。
“Ideas are easy. Execution is everything. It takes a team to win.”
従って、「事を成す」ためには、チームをinspireする必要がある。チームをinspireするためには、think on your feetのスキルを使って、行くべき方向にチームを導く必要がある、と言うのです。

他にも、特に以下のようなことを学ぶべきだと語ります。
・Confront problem without confronting others
・Recruit, to sell, to hire and fire, inspire, manage, develop and motivate with tough love
・Extra points for humor

さらにネットワークが非常に重要なので、「毎日10分間ネットワーキングに時間を使うように」と言います。そして、マーケティング、セールス、ビジネスディベロップメントの各ポジションが、ネットワークをするのに最適なポジションだと語ります。

そして、こうしたスキルを身につけた結果、「起業するべきときは、自分で分かる。多くの人にとって、これはSprintじゃない。Marathonなんだ」と言います(上記表を参照)。
勿論、グーグルの創業者のサーゲイとラリーのように、例外はあります。
「もし君が例外なら、僕の講演が終わった後、すぐに来てくれ」とのことでした。

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