2008年9月4日木曜日

法律豆知識(2) シリコンバレーの成功ビジネスは日本で適法なのか

Stanford MBAの卒業生のはじめられたビジネスの一つに、kiva.orgがあります。
http://www.kiva.org/app.php

ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏のマイクロファイナンスは、少額のローンを無担保で貧困者に貸し付け、今まで超高利貸に依存していた貧困者のビジネスから利益が生ずるようにし、貧困者をempowermentし、世界から貧困を撲滅する手法として注目されています。

kiva.orgは、このような流れの中で、登場し、ローンを貸したい者とローンを借りたい者を結びつけることをビジネスモデルのコアにしています。ストラクチャーは、下記URLのとおりです。
http://www.kiva.org/about/how/

同種のビジネスとして、下記もあります。
http://www.prosper.com/
http://uk.zopa.com/ZopaWeb/

また、先日もいわゆるトップスクールのMBAの方々が、これらをさらに進化させたものを行いたいと言われておりました。

しかし、この種のビジネスを日本で行うことは適法なのでしょうか。

最も大きな問題として、貸金業法上の問題があります。
貸金業法第2条は、金銭の貸付けを業として行うことを貸金業としていますが、貸金業を行うのには登録が必要です(貸金業法第3条)。 判例や行政解釈をリサーチしたわけではありませんが、マイクロファイナンスであっても、ローンを反復継続して実行するという上記のビジネスが、貸金業に該当して登録が必要になることを避けることは難しいように思われます。(収益目的がないとするのは難しいことも多いでしょうから、民法34条によって法人を設立して登録義務を免れることも難しいように思われます。貸金業法施行令第1条の2第2号イ) 感覚的には、貸金業の登録を受けることを前提にしてもやっているだけのビジネスとする必要がありそうです。上記がクリアできたとしても、出資法・銀行法との関係で預り金・預金を受けないストラクチャーが作れるのか、とか、弁護士法・債権管理回収業に関する特別措置法との関係で債権回収を代行しないストラクチャーとできるのかといった問題があります。

本当に重要なビジネス以外の法律面でわずらわされるところが多く、必要以上に規制が厳しすぎるのかもしれません。

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