はじめてのチェコ。とても暑かった。
チェコフィルハーモニー交響楽団のホームページから、マーラー交響曲第1番のチケットを購入。5列目でかなり良い席だ。
「チェコフィルが生で聴ける!」と喜んだ。
ところが、様子がおかしい。出演者が若すぎる。。。
「本当にチェコフィルなのかな?!」
チケットをよく見ると、Schleswig Holstein Festival Orchestraと書いてある。私は、(チェコフィルハーモニーのホームページで購入したので)Schleswig Holstein Festival Orchestraとは、チェコフィルハーモニーが夏の音楽祭に、精鋭で弾くのだと、よく調べもせずに勝手に思い込んでいたのだが、どうやら、違ったようだ。
どうやらこのオーケストラは、バーンスタインが、「世界各国から最高の若者だけを集めたオーケストラをつくろう」というビジョンのもとに設立した26歳以下限定のオーケストラらしい。
世界各地でオーディションを受けた若者達による演奏。演奏者の顔を見ても、ヨーロッパの人だけではなく、アジアの人や黒人の方の顔も見えた。「そういえば、自分もMBAのエッセイに、『子供だけを世界各地から集めて、オーケストラを作りたい。世界が一つで、皆が、国は違っても、舞台のうえで、心を一つに共有できることを示したい』と書いたな」と思う。
このオーケストラ、人気があるようだ。まず、お客さんの顔を見てみると、セレブリティーな人がおおい。皆ちゃんとした立派なスーツを着ているし、年配の人が多い。いかにもプロの演奏会を聴き慣れているという雰囲気。
そして、ドボルザークホールは満席になった。
実際に演奏を聴いて、感動した。
演奏後は、「ブラボー」という声が何度も何度も会場にこだまし、観客が立ち上がって拍手していた。
演奏者は、(金銭、社会・組織のしがらみ、仕事という拘束がないことも、もしかしたらあるのか)「最高の音楽をつくりたい」という一心で演奏しているのが伝わってきた。一人一人が本当に真剣な表情だった。
指揮者は、熟年のプロのクリストフ・エッシェンバッハだ。
(注:同じ指揮者による別のオーケストラによる同じ曲の演奏)
「これでもか」という程分かりやすい指揮。そして、良い席だったので、指揮者の表情まで見えた。
面白かったのは、指揮が、「こういう風に弾け」という感じではなく、「こういう風に弾いて良いんだよ」と見えたこと。リハーサルのときに、弾き方は大体合意してあるはず。しかし、それでも、「本当にそのように弾いてよいのか」、少しは躊躇してしまうのが、人間だと思う。指揮の振り方で、「こういう風に弾いて良いんだよ」と事前に合図をもらうと、オーケストラが思い切って、(楽譜と指揮とアンサンブルという制限の中で)自由に音を出せるような気がした。指揮者の棒とオーケストラの全員の気持ちが一つになって、指揮者の解釈するマーラー(私には愛や人生を表現しているように見え、聴こえた)を表現しているのが見えて感動した。
「チェコフィルハーモニーの音楽を聴くよりも良かったな。」
マーラーの交響曲一番が頭になり続けた。
2010年7月6日火曜日
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