2009年9月17日木曜日

スタンフォードMBA合格法:エッセイ

Pollでのリクエストの数が本日付で7人と多いようなので、Stanford MBAの合格法を書きたいと思います。

Stanford GSBの合格法に興味のない方には、全く面白くないと思いますので、今回は読み飛ばして下さい。また、Stanford Sloanを受験される方も、私にSloanの合格法が書けるとは思えませんので、今回は読み飛ばして下さい。

最初に質問です。以下のうち、Stanford MBAに合格するアプリカントは誰でしょうか。

1:Aさんは、投資銀行に勤務して、日本最大級のM&Aのディールをリードした経験がある。今は著名なヘッジファンドでスタープレーヤー。学生時代に会社を3つたちあげて、3つとも売却した経験がある。
2:Bさんは、会社に失望して退職し、今は山にこもって仙人のような生活をしている。
3:Cさんは、プライベートエクイティに勤務していたが、自分は実は俳優業に興味があることが分かり、退職した。職を探して転々として無職のときに、Stanford GSBを受験した。

AさんやBさんのような人がStanford GSBを受験したかどうかは知りませんが、私のクラスメートには、Cさんのような人がいます。ちなみに、バークレーでは、Bさんのような人が合格したことがあるそうです。

Stanford MBAのエッセイを書くときに、良くある間違えは、achievementを強調し過ぎてしまうことだと思われます。Aさんのような輝かしい経歴があっても、エッセイにachievementばかりを記載すると落とされると思われます。

これは何故かを考えてみたいと思います。

まず、Stanford GSBのミッションを見てみてください。
http://www.gsb.stanford.edu/about/mission.html

次に合格基準を見てみてください。
http://www.gsb.stanford.edu/mba/admission/admission_criteria.html

この2つを総合して分かることは、Stanfordとしては、受験生が、ミッションに記載してあるような人物に、卒業して10年、20年後になる可能性があるかを見ているということだと思われます。

そのために、「あなたにとって一番重要なことは何ですか」というようなパーソナリティを問うエッセイが、メインエッセイになっているのだと思います。というのも、例えばintellectual curiosity(合格基準でもあります)などのパーソナリティの中には、本質的に、大人になってからの教育で変えることが『難しい』ものがあるからです。(注;パーソナリティには、「これが良くて、あれが悪い」というようなものは本来ないのかもしれませんが、例えば、intellectual curiosityがない場合には、(合格基準から推測されるように)Stanford MBAの教育やミッションにはフィットしないという方向に推測が働くということだと思われます。もう一つ注意すべき点は、仮に例えばintellectual curiosityがないとみなされても、これだけでは落とされないということです。良く言われることですが、アプリケーションを総合して判断がなされます。そして、「intellectual curiosityがない」などの一部の要素だけでmissionにあるような人物になるポテンシャルがあるかどうかを判断することはできないと思われます。最後にもう一つ、パーソナリティの多くは、intellectual curiosityを含めて、大人になってからの教育で、変えられるものと考えられますし、実際に多くのクラスメートのパーソナリティは変化しています。以上、当たり前なのですが、念のための注でした)

Stanford MBAとしては、「誰が、ミッションに記載してあるような人物に卒業後数十年してなる可能性があるのか」という『ポテンシャル』を見ているのだということを忘れてしまうと、メインエッセイでachievementばかりを記載してしまって、
「この人は、経歴は凄いけれど、パーソナリティが分からないから、我々の教育で伸びるかどうか分からない。それに、もしかするとarrogantかもしれない。そもそも、そんなに凄い経歴があるなら、我々の教育を受ける必要はないのでは。」
などと思われてしまって、落とされる可能性が高いのではないかと思われます。

それでは、ポテンシャルがあることは、どのようにしたら示せるのでしょうか。
これを考えるにあたって、以下の文献は、Admissionの視点に立つという意味で、参考になるように思われます(実際にスタンフォードで使用されている教材です)。

Kotter, John P. (1990) “What Leaders Really Do,” HBR R3820

Goffee & Jones, (2000) “Why should anyone be lead by you?” HBR R00506

McCall (1998). “Experience as Teacher,” High Flyers: Developing the Next Generation of Leaders, HBS Press


ぱっと思いつく「受ける」パーソナリティをあげると、intellectual curiosityのほかには、compassion, trust, optimism, empathy, confidenceの強さなどでしょうか。逆に受けないパーソナリティは、例えば、arrogantな気がします。

manipulativeになる必要はないのですが、上記の文献を読んで、アドミッションに「受ける」パーソナリティや「ストーリー」を意識しつつ、自分を信じて、素のままの自分のパーソナリティを書くのが良いと思います。

これをするにあたって、例えば、10歳くらいのときの経験のうち、印象に残っている出来事を考えてみて、それが自分の人格形成にどう影響を与えたか考えてみると良いかもしれません。例えば、以下のような感じです(実際のクラスメートの例です)。

・「自分は、10歳の夏に、はじめて『ビジネス』を経験した。アイスキャンディーを仕入れてきて、売るという単純なものだった。その過程で、いろいろな人と話をし、自分には、セールスの才能があることを学び、自信がついた。その自信は、次のセールスに結びつき、最終的に、学生時代に起業した際に、とても役に立った」
・「自分は、10歳のときに、クラスメートの女の子が、いじめにあって、雪をぶつけられているのを発見した。自分は、なぜかは分からないが、立ち上がって、クラスメートを救わなくては、という気持ちになった。この経験は、自信をつけ、正義のために立ち上がり、courageがあるというパーソナリティの形成に大きく貢献した」

なお、achievementを書くべきではないという趣旨ではございません。念のため。

2 件のコメント:

Hisako さんのコメント...

いつも楽しみにブログを拝見しております。
Stanford MBAについて質問があるのですが、個人アドレスに内容をお送りできますか?
宜しくお願いします。

Y.I. さんのコメント...

有難うございます。
私の名前やアドレスなどの情報は、現段階では公開しない方針なのですが、ブログ上のコメント欄に御質問を頂ければ、時間のあるときに、できるだけご回答いたします。