2009年6月1日月曜日

Stanford MBA 合格法(続)

長いこと連載の途切れていた合格法ですが、アプリカントの方から概ね以下の内容の御質問を受けましたので、久しぶりに簡潔に書いてみたいと思います。(なお、今までに記載した合格法については、ページの左側の部分に『MBA留学合格法』というリンクがありますので、そこからご覧下さい。)

<御質問内容>
「スタンフォードに留学したいと思っています。カウンセラーに相談したところ、『若干厳しいかもしれない』との趣旨のことを言われてしまい、悩んでいます。カウンセラーには、具体的には、『学歴・職歴の面で不利だ』と言われてしまいました。何とかならないでしょうか。」

なお、この方は、実際には十分に立派な学歴・職歴をお持ちです。どのように対処するべきか、この方には、概ね以下のようにご回答いたしました。

<回答>------------

スタンフォードMBAの合格基準は、私の記憶では、intellectual ability, leadership, community activityの3つであったと思います。私の考えでは、 その趣旨は、「intellectual abilityがないと、授業についていけないかもしれないし、新しいアイディアを世の中に実現できないかもしれない」「leadershipがないと他の人がついてこないので、新しいValueを世の中に実現できないかもしれない」「カルチャーにフィットしていないと、スタンフォードの良さが身につかないし、周りの人から良い影響を受けない」といったことにあると思います。学歴・職歴が良い場合は、intellectual abilityの点が高くなり、合格可能性が高まるのかもしれませんが、この点に万一ご心配がある場合であっても、以下の戦略で十分おぎなえると思われます。

①Intellectual ability:
(1)まず、エッセイの文章が、論理的であれば、他の出願者と差がつくと思います。スタンフォードMBAは、Critical Analytical Thinking (CAT)という授業を創設したことにも現れているように、論理性を非常に重視します。なお、CATを創設したSaloner教授は、スタンフォードMBAの次期Deanです。
(2)また、スタンフォードは、アイディアを重視します。新しいスタートアップのアイディア・将来働かれる会社で起こしたい変革など、新しいバリューを実現するアイディアを記載できれば、他の方に差をつけられると思います。なお、単なるDifferentiationとアイディアは、若干異なることに注意してください。
アイディアを思いつくのにあたっては、本を読むのが非常に有効です。例えば、私のブログで紹介しているSaloner教授のテキストの11章辺りのDemand Side Increasing Returnの理論を用いた新しいアイディアを書いて、読み手がアイディアを信じれば、合格の可能性は相当に高くなると思われます。私の場合には、日本の書店で売っているBerkeleyのチェスブロウ教授の書いたオープンイノベーションの本に書いてあった理論を参考にしつつ、エッセイにアイディアを記載しました。

②リーダーシップ
ここは、他のビジネススクールと同じですので、スタンフォードMBAのエッセイを後にまわすことで対処可能だと思います。

③カルチャーへのフィット
人によりますが、チャレンジ精神があること、アイディアのあること、人と人とのつながりを大切にすること、何があっても絶対に入りたいという意欲が伝わってくること、幼い頃から苦労して育った経験があること(戦地で育った友人がたくさんいます)、エンタテイニングであること、などなどだと思います。全部揃っている必要は勿論ないと思います。

なお、日本人の出願者の方は、(何があなたにとって一番大事ですか、というエッセイなどで)「世の中を良くしたい」と書かれる人が多いと思いますが、この辺りは、もう少し具体的に書くべきであることに注意すべきだと思います。例えば、私のブログのグアテマラや南アフリカの項目を読んで頂ければ、アドミッションの感覚に関して、若干参考になるのではないかと思います。1番目のエッセイについては、例えば、Social Justice、Education、Poverty、Impact on People、家族、Confidence・・・などが、テーマの例として挙げられると思います。

最後に、他の人がきちんとやってくること(トフル、GMAT、ウェブサイトをすべて読んで情報収集する、リーダーシップのエッセイ)は、確実におさえるべきだと思われます。

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