サマーインターンを、ultracapacitorのスタートアップですることになりました。将来、長期的に、どのような道をとるにしろ、米国のスタートアップで働いてみる経験は、変え難いものになると信じており、大変楽しみです。
ところで、ultracapacitorとは何なのでしょうか。
私は全くの素人なのですが、インターン先を決めるに当たって色々と調べてみました。
ultracapacitorとは、コンデンサのように電気をためられる性質を持っている製品です。現在は、電気歯ブラシ等小型の製品に主に使われていると思います。自動車への応用の研究も盛んです。
http://www.jisc.go.jp/newstopics/2009/capacitor.pdf
シリコンバレーでは、クリーンテクノロジーへの転換のボトルネックになっているのは、蓄電技術のイノベーションの速度だと、良く言われています(最も分かりやすい例が自動車で、電池の値段が高すぎるので、なかなか電気自動車への移行が進まないと言われています)。そこで、蓄電技術分野での投資・起業・就職が活発なのですが、現在、最も人気があるのは、リチウムイオン電池だと思います。これは、成熟したマーケットで、現在、日本の大企業がシェアの5割以上を占めています。スタートアップで有名なのは、A123で、以前にIPOしかけて(景気悪化というタイミングのために)やめたという経緯もあり、「ここに就職すれば景気回復後に必ずIPOするはずであり、ストックオプションでたくさん儲けられる」と考えるビジネススクールの学生が盛んに就職活動をしています。
ultracapacitorは、下表のとおり、リチウムイオン電池に比べて、数倍以上のパワーがあります(充放電の速度がはやい)。これは、自動車では、加速度や充電速度に関係し、重要です。
もっとも、現段階では、リチウムイオン電池に比べて、約20分の1しか蓄電できない(Specific Energy)と言われています(下表参照)。蓄電量は、自動車でいうと走行距離に関連し、やはり重要です。この弱点を補うために、シリコンバレーでは、ultracapacitorに、ニッケル水素電池等(比較的安価で電気をたくさん蓄積できる)を組み合わせることが注目されています。
しかし、私が個人的に注目しているのは、ultracapacitorの寿命です(下表ではリチウムイオンの100倍程度の寿命ですが、別の専門家は1000倍の寿命があるといいます)。もし、ultracapacitorの寿命も勘案して、電池とultracapacitorのlife time value analysisを実施すると、どのように基準をとっても、ultracapacitorの価値は、圧倒的に高いことになると思います(表を使って計算してみてください)。これは理論値ですので、実際には、valueをextractするビジネスモデルが必要になりますし、また、理論を実現するには、(車が重くなりすぎないような組み合わせの実現等)様々な障害があることは承知しています。ただ、経済産業省は、電気自動車の移行には、現在の電池に対して、性能で7倍、コストで40分の1の電池が必要と発表しており(以下URL)、電池という成熟した分野でこれだけのイノベーションを起こす(以前にも御紹介したとおり20年必要と考えている専門家が多い)よりは、ultracapacitorでビジネスモデルを利用して勝負する方が可能性が高いと感じています。
http://www.meti.go.jp/press/20070528001/initiative-torimatome.pdf
(表:Andrew Burke and John Miller, "Electrochemical Capacitor: Challenges and Opportunities of Real World Applications"The Electrochemical Society Interface/ Spring 2008, 54頁より )
2009年6月17日水曜日
2009年6月12日金曜日
Sponsor
IVY LEAGUE CONSULTINGが当ブログのスポンサーとなることになりました。ハーバード等トップスクールを卒業された外国人コンサルタントが、留学コンサルティングをされており、MBA等の大学院の出願サポートをされています。利用された方の約95%が志望したMBA・大学院(スタンフォードMBAを含む)に合格されているとのことでした。初回相談は無料とのことですので、御留学を志望されている方は、試しに、一度相談を受けられてはいかがでしょうか。なお、以下のURLから初回無料相談を申し込めるようです。http://www.daigakuinryugaku.com/
2009年6月3日水曜日
Deanのエッセイ
Deanがエッセイを書くと下記のようになるようです。スタンフォードMBAの「何があなたにとって一番重要ですか」等のエッセイの御参考まで。
http://www.gsb.stanford.edu/news/headlines/joss_essay.html
http://www.gsb.stanford.edu/news/headlines/joss_essay.html
2009年6月2日火曜日
今そこにある危機
「MBAに留学すると興味が変わるのか」と良く聞かれます。私のケースを記載したいと思います。
MBAに留学する前、私は、バイオテクノロジーに興味がありました。例えば、癌を治す新薬が出来たら素晴らしいなどと考えておりました。仕事でも、バイオ・ヘルスケア系の案件を積極的に受任するように心がけていました。
留学後、教授・友人からの刺激を受け、今はクリーンテクノロジーに興味があります。MBAとともに、環境科学(ソーラーパネルなどのクリーンエナジー、水、バッテリーなどに関する科学)の分野のMSもJoint Degreeとして取得することになりました(下記URLですので、出願者の方は、興味があればご参考になさってください)。
http://iper.stanford.edu/home
1.気候変動を予測するという授業
私がクリーンテクノロジーに興味をもったきっかけは、モンテカルロシミュレーションを用いて、気候変動を予測する授業を履修したことにありました。この授業では、20人から30人程度の少人数の学生が、ノーベル受賞者(例えばアルゴアとともにノーベル平和賞を受賞したIPCCのクリス・フィールド氏)をはじめ、その分野で世界をリードする多くの科学者から直接指導を受けられます。
科学者の間で用いられている精密なモデルを利用して、温度の上昇を予想したところ、数十年間で、気温が約10度上昇することを学びました。大勢の人が死亡し、経済にも大きな打撃が及びます。 また、『仮に』、2020年に、CO2の排出量を0(!)にできたとしても、温度はどんどん上昇していきます。(数字を抽象的に記載しているのは、スタンフォードのHonor Codeとの関係で、これ以上具体的に書けないためです。合格されてスタンフォードMBAに留学される方は、ここの記載は、課題とは前提を変えていますので、参考にしないで下さい。)
単純ですが、これは大変なことだと思いました。
2.多くのExpertとの会話
また、シリコンバレー・スタンフォードのExpertsたちから、以下のようなショッキングな話を連日聞いています。
・「10年から20年後にはバングラデッシュはなくなるだろう。海面の上昇でバングラデッシュがあった場所は水没する。北はヒマラヤだし、彼らには東や西にも逃げ場はない。1億5000万の国民の大半が死亡するだろう。」(CIAを含め、ホワイトハウスの上層部もクライアントとしている、著名な環境コンサルタント(シニアパートナー))
・「水は21世紀のオイルというのはシリコンバレーの常識だ。」(トップの一つであるVC(シニアパートナー))
・「水は21世紀のオイルだ。20世紀に石油の争奪が戦争を産んだというのは常識だ。21世紀には、気温の上昇によって、川も干上がって水不足が更に進む。例えば、われわれの分析では、メコン川も、近い将来には、大半干上がってしまう。われわれのシュミレーションでは、近い将来、すべての人類を賄うのに足りる水はない。その解決策は、(水の争奪及び人口の減少という意味で)大規模戦争となるだろう」(著名な環境コンサルタント(シニアパートナー))
いわゆる有名人がこういった議論をするのを目の前で聞くと、嫌でも刺激を受けます。
3.テクノロジー
それでは、テクノロジーのイノベーションは、問題を解決することができるのでしょうか。
多くの大企業が、「No」と考えているようです(ディスラプティブなブレークスルーは困難なので、リアリスティックに、Energy Efficiencyなどを中心としてCO2の排出を下げるべきだとする立場)。 エクソンのCEO、BPのCEO、ChevronのCEOが最近講演にいらっしゃいましたが、どなたも、「代替エネルギーへの移行がここ30年間で飛躍的に進む可能性はないと考えている」とおっしゃっていました。朝日新聞の2009年4月20日報道によれば、トヨタの経営幹部は、純粋な電気自動車について、「走行距離を伸ばすには、ただでさえ高価な電池をたくさん積むしかなく、とても売れる価格にならない」と言及されたそうです。
ただし、もし、違うシナリオとなった場合には、現在の業界のリーダーは、戦略・戦略をサポートする企業カルチャー・競争上の強みなどのすべての変革を迫られるため、業界の再編となる可能性があります。
三菱自動車の益子社長は、「社運をかけて」電気自動車を他者に先駆けて今夏から投入するといわれたそうです(文芸春秋2009年6月号)。また、電気自動車の会社であるテスラは、1000万円程度のロードスターに加え、500万円程度のセダンを発売します。セダンの購入申し込みは1000台に至ったといわれています。
どのシナリオが正しく、それに応じて、どの企業が勝つのか、大変興味深いと感じています。
現在のところ、シリコンバレーでは、トヨタの読みが正しいという噂が多いように感じています。電気自動車への移行となるのは、20年後だろうと言われています(車のモデルの変化には、5年から8年であり、モデル変化3回分の時間が必要と言われています)。そのような理由で、「電気自動車は、現段階ではマーケットがあると誰も信じない。誰も信じなければ、ファイナンスはつかない。ベンチャーのリスクは、オペレーションリスクではなく、次のラウンドでVCファイナンスが入るかだ。電気自動車のベンチャーにとってのチャレンジがここにある」という人もいます。
「それでも誰かが何かをしなければならない。僕は、Political Willの問題だと思う」などと友人達は議論してきます。毎日のクラスメート達との議論にエキサイトしています。
MBAに留学する前、私は、バイオテクノロジーに興味がありました。例えば、癌を治す新薬が出来たら素晴らしいなどと考えておりました。仕事でも、バイオ・ヘルスケア系の案件を積極的に受任するように心がけていました。
留学後、教授・友人からの刺激を受け、今はクリーンテクノロジーに興味があります。MBAとともに、環境科学(ソーラーパネルなどのクリーンエナジー、水、バッテリーなどに関する科学)の分野のMSもJoint Degreeとして取得することになりました(下記URLですので、出願者の方は、興味があればご参考になさってください)。
http://iper.stanford.edu/home
1.気候変動を予測するという授業
私がクリーンテクノロジーに興味をもったきっかけは、モンテカルロシミュレーションを用いて、気候変動を予測する授業を履修したことにありました。この授業では、20人から30人程度の少人数の学生が、ノーベル受賞者(例えばアルゴアとともにノーベル平和賞を受賞したIPCCのクリス・フィールド氏)をはじめ、その分野で世界をリードする多くの科学者から直接指導を受けられます。
科学者の間で用いられている精密なモデルを利用して、温度の上昇を予想したところ、数十年間で、気温が約10度上昇することを学びました。大勢の人が死亡し、経済にも大きな打撃が及びます。 また、『仮に』、2020年に、CO2の排出量を0(!)にできたとしても、温度はどんどん上昇していきます。(数字を抽象的に記載しているのは、スタンフォードのHonor Codeとの関係で、これ以上具体的に書けないためです。合格されてスタンフォードMBAに留学される方は、ここの記載は、課題とは前提を変えていますので、参考にしないで下さい。)
単純ですが、これは大変なことだと思いました。
2.多くのExpertとの会話
また、シリコンバレー・スタンフォードのExpertsたちから、以下のようなショッキングな話を連日聞いています。
・「10年から20年後にはバングラデッシュはなくなるだろう。海面の上昇でバングラデッシュがあった場所は水没する。北はヒマラヤだし、彼らには東や西にも逃げ場はない。1億5000万の国民の大半が死亡するだろう。」(CIAを含め、ホワイトハウスの上層部もクライアントとしている、著名な環境コンサルタント(シニアパートナー))
・「水は21世紀のオイルというのはシリコンバレーの常識だ。」(トップの一つであるVC(シニアパートナー))
・「水は21世紀のオイルだ。20世紀に石油の争奪が戦争を産んだというのは常識だ。21世紀には、気温の上昇によって、川も干上がって水不足が更に進む。例えば、われわれの分析では、メコン川も、近い将来には、大半干上がってしまう。われわれのシュミレーションでは、近い将来、すべての人類を賄うのに足りる水はない。その解決策は、(水の争奪及び人口の減少という意味で)大規模戦争となるだろう」(著名な環境コンサルタント(シニアパートナー))
いわゆる有名人がこういった議論をするのを目の前で聞くと、嫌でも刺激を受けます。
3.テクノロジー
それでは、テクノロジーのイノベーションは、問題を解決することができるのでしょうか。
多くの大企業が、「No」と考えているようです(ディスラプティブなブレークスルーは困難なので、リアリスティックに、Energy Efficiencyなどを中心としてCO2の排出を下げるべきだとする立場)。 エクソンのCEO、BPのCEO、ChevronのCEOが最近講演にいらっしゃいましたが、どなたも、「代替エネルギーへの移行がここ30年間で飛躍的に進む可能性はないと考えている」とおっしゃっていました。朝日新聞の2009年4月20日報道によれば、トヨタの経営幹部は、純粋な電気自動車について、「走行距離を伸ばすには、ただでさえ高価な電池をたくさん積むしかなく、とても売れる価格にならない」と言及されたそうです。
ただし、もし、違うシナリオとなった場合には、現在の業界のリーダーは、戦略・戦略をサポートする企業カルチャー・競争上の強みなどのすべての変革を迫られるため、業界の再編となる可能性があります。
三菱自動車の益子社長は、「社運をかけて」電気自動車を他者に先駆けて今夏から投入するといわれたそうです(文芸春秋2009年6月号)。また、電気自動車の会社であるテスラは、1000万円程度のロードスターに加え、500万円程度のセダンを発売します。セダンの購入申し込みは1000台に至ったといわれています。
どのシナリオが正しく、それに応じて、どの企業が勝つのか、大変興味深いと感じています。
現在のところ、シリコンバレーでは、トヨタの読みが正しいという噂が多いように感じています。電気自動車への移行となるのは、20年後だろうと言われています(車のモデルの変化には、5年から8年であり、モデル変化3回分の時間が必要と言われています)。そのような理由で、「電気自動車は、現段階ではマーケットがあると誰も信じない。誰も信じなければ、ファイナンスはつかない。ベンチャーのリスクは、オペレーションリスクではなく、次のラウンドでVCファイナンスが入るかだ。電気自動車のベンチャーにとってのチャレンジがここにある」という人もいます。
「それでも誰かが何かをしなければならない。僕は、Political Willの問題だと思う」などと友人達は議論してきます。毎日のクラスメート達との議論にエキサイトしています。
2009年6月1日月曜日
Stanford MBA 合格法(続)
長いこと連載の途切れていた合格法ですが、アプリカントの方から概ね以下の内容の御質問を受けましたので、久しぶりに簡潔に書いてみたいと思います。(なお、今までに記載した合格法については、ページの左側の部分に『MBA留学合格法』というリンクがありますので、そこからご覧下さい。)
<御質問内容>
「スタンフォードに留学したいと思っています。カウンセラーに相談したところ、『若干厳しいかもしれない』との趣旨のことを言われてしまい、悩んでいます。カウンセラーには、具体的には、『学歴・職歴の面で不利だ』と言われてしまいました。何とかならないでしょうか。」
なお、この方は、実際には十分に立派な学歴・職歴をお持ちです。どのように対処するべきか、この方には、概ね以下のようにご回答いたしました。
<回答>------------
スタンフォードMBAの合格基準は、私の記憶では、intellectual ability, leadership, community activityの3つであったと思います。私の考えでは、 その趣旨は、「intellectual abilityがないと、授業についていけないかもしれないし、新しいアイディアを世の中に実現できないかもしれない」「leadershipがないと他の人がついてこないので、新しいValueを世の中に実現できないかもしれない」「カルチャーにフィットしていないと、スタンフォードの良さが身につかないし、周りの人から良い影響を受けない」といったことにあると思います。学歴・職歴が良い場合は、intellectual abilityの点が高くなり、合格可能性が高まるのかもしれませんが、この点に万一ご心配がある場合であっても、以下の戦略で十分おぎなえると思われます。
①Intellectual ability:
(1)まず、エッセイの文章が、論理的であれば、他の出願者と差がつくと思います。スタンフォードMBAは、Critical Analytical Thinking (CAT)という授業を創設したことにも現れているように、論理性を非常に重視します。なお、CATを創設したSaloner教授は、スタンフォードMBAの次期Deanです。
(2)また、スタンフォードは、アイディアを重視します。新しいスタートアップのアイディア・将来働かれる会社で起こしたい変革など、新しいバリューを実現するアイディアを記載できれば、他の方に差をつけられると思います。なお、単なるDifferentiationとアイディアは、若干異なることに注意してください。
アイディアを思いつくのにあたっては、本を読むのが非常に有効です。例えば、私のブログで紹介しているSaloner教授のテキストの11章辺りのDemand Side Increasing Returnの理論を用いた新しいアイディアを書いて、読み手がアイディアを信じれば、合格の可能性は相当に高くなると思われます。私の場合には、日本の書店で売っているBerkeleyのチェスブロウ教授の書いたオープンイノベーションの本に書いてあった理論を参考にしつつ、エッセイにアイディアを記載しました。
②リーダーシップ
ここは、他のビジネススクールと同じですので、スタンフォードMBAのエッセイを後にまわすことで対処可能だと思います。
③カルチャーへのフィット
人によりますが、チャレンジ精神があること、アイディアのあること、人と人とのつながりを大切にすること、何があっても絶対に入りたいという意欲が伝わってくること、幼い頃から苦労して育った経験があること(戦地で育った友人がたくさんいます)、エンタテイニングであること、などなどだと思います。全部揃っている必要は勿論ないと思います。
なお、日本人の出願者の方は、(何があなたにとって一番大事ですか、というエッセイなどで)「世の中を良くしたい」と書かれる人が多いと思いますが、この辺りは、もう少し具体的に書くべきであることに注意すべきだと思います。例えば、私のブログのグアテマラや南アフリカの項目を読んで頂ければ、アドミッションの感覚に関して、若干参考になるのではないかと思います。1番目のエッセイについては、例えば、Social Justice、Education、Poverty、Impact on People、家族、Confidence・・・などが、テーマの例として挙げられると思います。
最後に、他の人がきちんとやってくること(トフル、GMAT、ウェブサイトをすべて読んで情報収集する、リーダーシップのエッセイ)は、確実におさえるべきだと思われます。
<御質問内容>
「スタンフォードに留学したいと思っています。カウンセラーに相談したところ、『若干厳しいかもしれない』との趣旨のことを言われてしまい、悩んでいます。カウンセラーには、具体的には、『学歴・職歴の面で不利だ』と言われてしまいました。何とかならないでしょうか。」
なお、この方は、実際には十分に立派な学歴・職歴をお持ちです。どのように対処するべきか、この方には、概ね以下のようにご回答いたしました。
<回答>------------
スタンフォードMBAの合格基準は、私の記憶では、intellectual ability, leadership, community activityの3つであったと思います。私の考えでは、 その趣旨は、「intellectual abilityがないと、授業についていけないかもしれないし、新しいアイディアを世の中に実現できないかもしれない」「leadershipがないと他の人がついてこないので、新しいValueを世の中に実現できないかもしれない」「カルチャーにフィットしていないと、スタンフォードの良さが身につかないし、周りの人から良い影響を受けない」といったことにあると思います。学歴・職歴が良い場合は、intellectual abilityの点が高くなり、合格可能性が高まるのかもしれませんが、この点に万一ご心配がある場合であっても、以下の戦略で十分おぎなえると思われます。
①Intellectual ability:
(1)まず、エッセイの文章が、論理的であれば、他の出願者と差がつくと思います。スタンフォードMBAは、Critical Analytical Thinking (CAT)という授業を創設したことにも現れているように、論理性を非常に重視します。なお、CATを創設したSaloner教授は、スタンフォードMBAの次期Deanです。
(2)また、スタンフォードは、アイディアを重視します。新しいスタートアップのアイディア・将来働かれる会社で起こしたい変革など、新しいバリューを実現するアイディアを記載できれば、他の方に差をつけられると思います。なお、単なるDifferentiationとアイディアは、若干異なることに注意してください。
アイディアを思いつくのにあたっては、本を読むのが非常に有効です。例えば、私のブログで紹介しているSaloner教授のテキストの11章辺りのDemand Side Increasing Returnの理論を用いた新しいアイディアを書いて、読み手がアイディアを信じれば、合格の可能性は相当に高くなると思われます。私の場合には、日本の書店で売っているBerkeleyのチェスブロウ教授の書いたオープンイノベーションの本に書いてあった理論を参考にしつつ、エッセイにアイディアを記載しました。
②リーダーシップ
ここは、他のビジネススクールと同じですので、スタンフォードMBAのエッセイを後にまわすことで対処可能だと思います。
③カルチャーへのフィット
人によりますが、チャレンジ精神があること、アイディアのあること、人と人とのつながりを大切にすること、何があっても絶対に入りたいという意欲が伝わってくること、幼い頃から苦労して育った経験があること(戦地で育った友人がたくさんいます)、エンタテイニングであること、などなどだと思います。全部揃っている必要は勿論ないと思います。
なお、日本人の出願者の方は、(何があなたにとって一番大事ですか、というエッセイなどで)「世の中を良くしたい」と書かれる人が多いと思いますが、この辺りは、もう少し具体的に書くべきであることに注意すべきだと思います。例えば、私のブログのグアテマラや南アフリカの項目を読んで頂ければ、アドミッションの感覚に関して、若干参考になるのではないかと思います。1番目のエッセイについては、例えば、Social Justice、Education、Poverty、Impact on People、家族、Confidence・・・などが、テーマの例として挙げられると思います。
最後に、他の人がきちんとやってくること(トフル、GMAT、ウェブサイトをすべて読んで情報収集する、リーダーシップのエッセイ)は、確実におさえるべきだと思われます。
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