2012年1月20日金曜日

勝ち組になるには?!

「『正しいアイディアで会社をスタートするべきだ』と考える起業家が多い。大きな間違いだ。正しいアイディアであり、かつ、皆が失敗すると考えているアイディアでスタートしなければ失敗する。皆が正しいと思ったときでは遅すぎるから。」(アンディ・ラクレフ)



ゲームの起業のアイディアが浮かんだので、「グリーってどうなの?」と日本にいる弟に質問したところ、「学生の間で一番人気の企業だよ!」という返事が返ってきた。グリーは、私が、10年くらい前にスタンフォード大学に夏季留学したときに、留学組日本人の間で話題になっていた。当時は、日記を友達と共有できたりする小さなネットの会社だった。「絶対大きな会社になるわけないよね」と思っていた。それが、今では、「アップルを打ち落とす勢い」と噂されることもあるとか。

ちなみに、私が夏季留学していた10年前の当時、日本ではヤフーの方がグーグルよりも圧倒的に人気があった(グーグルはオタク系の雑誌に登場する程度だった)のだが、当時からスタンフォードの学生の間では、「Y.I.、ヤフーよりもグーグルを使った方が良いよ」と流行っていた。


「グリーみたいなゲームの企業が日本で人気が出ているということは、ゲーム業界は、『もう遅すぎる』のかな?」と思って、スタンフォードMBAを散歩して、現役の学生に意見を聞いてみた。案の定、「ゲームでファンドレイズするのは今は難しいですよ。皆が業界に進出してしまったので、遅すぎる感があります。あと、ジンガとかゲーム企業が期待ほどは儲けなかったのも痛いですね。」とのこと。


農業の分野で起業した私。起業した当時は、クラスメートから、「それって、ノンプロフィット?」と叩かれ、一緒にビジネスプランをつくろうと友達を誘うと、「農家は保守的だから上手くいくわけない」とことごとく断られた。ところが、起業した1年後には、スタンフォードビジネススクールに、「農業クラブ」が誕生した。今日は、「アボカド農家が講演しにくる」ということだったので、「3人聴講していれば良い方かな」と思って教室にいくと、聴衆で教室が満席だった。合格者の中にも、農家の「トマト戦略家だった」といった経歴の持ち主が現れ始めた。起業した当時、農業ビジネスに人気が出るとは思っていなかったので、全くの偶然である。



ところで、市場が大きくなるだろうと思って、現在注目しているのは、太陽電池業界である。スタンフォードMBAの学生の間では、「遅すぎる」・「沈むゆく業界だ」などと叩かれ、現在は人気がない。確かに、中国では、星の数ほどの太陽電池の会社が出来て、皆が太陽電池をつくっている状況なので、太陽電池製造企業そのものを設立するのでは、「遅すぎる」ので、上手くいかないだろう。

ムーアの法則を御存知だろうか。

インテルの創業者のゴードン・ムーアが、半導体がどれだけ将来安くなるかを予言した法則である。

ムーアの法則は、シリコンバレーの基盤の一つを作ったと言っても過言ではないだろう。しかし、「コストがどれだけ安くなるか」という予想自体については、実は、まったく難しいものではない。どの業界でも、「将来コストがどれだけ安くなるか」を予想するための法則は存在し、一般的には「ラーニングカーブ」と呼ばれる。通常、製造量が現在の2倍になったときに、コストが、過去にどれだけ下がってきているかをグラフにして分析しただけのものである。正確なことが多い。

太陽電池の場合のコストカーブは、以下のビデオで紹介されている。講演者のリチャード・スワンソン氏は、スタンフォード大学教授で、サンパワーの創業者。太陽電池業界を作り出してきた伝説の人物であり、「彼の予言のとおり太陽電池のコストが下がってきた」として有名である。是非、ビデオを見て欲しい。

Richard Swanson | Energy Seminar - November 14, 2011 from Cyperus Media.com on Vimeo.




さて、ビデオを見たところで、以下の点を考えてみて欲しい。
1:本当に予言のとおり、コストが下がるか?
2:予言のとおりコストが下がるとして、太陽電池業界は爆発的に伸びるか?
3:太陽電池業界が爆発的に伸びることが、事前に分かっていたとして、どのような会社を起業するか?


私は、1の回答はYESだと思う。ラーニングカーブは、様々な業界に存在し、予測は当たることが多い。2の回答もYESだと思う。計算をすれば、補助金なしで太陽電池が石炭のコストに勝つのは、数年以内という結果を導き出せると思う。エネルギー業界は、数百兆円の市場規模なので、乱暴な言い方をすれば、それへの道が開けることになる。懸念すべきリスク要因は、ヨーロッパの政治リスクとかだろうか。

問題は3である。ヤフーやグーグルが出てきたときには、「インターネットのインフラとして、道案内になるサイトが必要」としてたくさんの検索エンジンサイト企業が戦っていた。このようなアナロジーを使うべきなのか、車とか製造系ビジネスが伸びた時代のアナロジーを使うべきなのか。考え始めたところである。

2012年1月13日金曜日

文化のない筋肉質な国アメリカ

「(ジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』は)1930年前後、自分の利益のためには弱者が死のうと生きようと勝手だという資本のエゴイズムと非人間性を、アメリカ以外ではあらわれにくい筋肉的なタッチで露呈してみせた」(司馬遼太郎『アメリカ素描 (新潮文庫)』)

司馬遼太郎の『アメリカ素描 (新潮文庫)』では、アメリカは、文明色が濃く、文化の色の薄い、筋肉質な人工国家であるとされている。確かに、アメリカンな食事、といって、パッと連想するのは、ハンバーガー。

アメリカンな食事: ハンバーガー(!)
日本の食事:   懐石料理や寿司
イタリアンな食事: パスタ
フランス料理:   フォアグラとか
ドイツ人の食事:  ビールとかポテト料理とか

そんなアメリカだが、実は、「筋肉誇示」という特殊な文化を持っていると思う。アメリカが「ハリウッド体型」という文化を輸出したことで、世界中で、人間の美しさに対する価値観が変わったらしい。例えば、平安時代、女性は、ふっくらとして、下膨れの顔が良しとされたらしく、日本人が、ハリウッド映画のようなスタイルになりたいという欲求が生まれたのは最近のことらしい。

本を読んで、「なるほど」と思った。そんなとき、「会社の経営者としてプレゼンするときに、体が小さくて、若く見えると不利だから、これからは電話でプレゼンした方が良い」と酷いことを言われた。私は177センチで痩せ型なので、アメリカでは大きい部類には入らない。アメリカでは、背が高く、筋骨隆々の白人が出世する。逆に、日本人は差別される傾向がある。

そこで、「ジムに行きたいんだけど」と、健康増進系のスタートアップを経営する元クラスメートに相談したところ、「最近、フットボール選手やSWATの人とかが通っていて、とても伸びているらしいるジムがあるらしいよ。一緒に行こう。」と誘われた。

そして行き始めたのが、下のジムである。




警察官やフットボール選手が行っていると脅かされ、びくびくしながらジムに入ると、意外と生徒には、ぽっちゃり系の人達がいた。

実は、このジム、妊婦でも、海軍将校でも効果があるというのが売りらしい。同じクラスに属する生徒は、同じメニューをこなすことを要求される。つまり、妊婦の女性も、ジム通い数十年のエキスパートも、同じメニューをこなすのだ。

通いはじめて3ヶ月になるが、効果を実感している。アメリカは得意分野のレベルは高い。。。



水のビジネスプランコンペティション

水のビジネスプランコンペティションで決勝戦に進んだときの様子が公開されました。

写真はこちら(右が私)↓

http://hosted.verticalresponse.com/659266/10a5e3bbb9/287505633/b6cfff7736/ より)

ビデオはこちら↓

Water Entrepreneurs Showcase - 2011 from Imagine H2O on Vimeo.