カリフォルニアのマウンテンビューにある会社の研究室で、私は会社のアドバイザーと電話で話していた。
「彼女は、スマートグリッドの会社の最高執行役員でした。水道会社に対するロビー活動という意味でも、バックグラウンドは、十分にマッチしていると思います。」とアドバイザーの説得にかかった。
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起業して暫く経つが、そろそろ会社に、きちんとした組織をつくり、経営のプラクティスを導入したいと考えていた。誰か経験のある熟年のプロを雇う必要がある。
そこで発見したのが、元eBayのチーフオペレーティングオフィサー(最高執行役員)だったスザンナだった。
三顧の礼のように毎日電話して会って、遂に説得に成功し、彼女が従業員一号として入ってくれることとなった。
「常に自分よりも出来る人で自分の周りを固めること」
は、スタンフォードMBAで最初に習うことの一つ。
スザンナは、スタンフォードMBAの先輩。eBayには従業員102号として参加して、最高執行責任者になった。その後、数多くの会社の売上げを数億円レベルから数百億円レベルに短期間で向上させてきた。「私は、売上げを毎日数億円上昇させてきた」と彼女は豪語する。
「そんな人どうやって雇ったの?」と良く聞かれる。
スタンフォードMBAでは、学生の一人ひとりにメンターがアサインされる。
彼女は、私のメンターの一人だ。
もう一つ理由がある。
50歳は、人生で、多くの人がスタートアップに挑戦できるチャンスのうちの二回のうち一回だ。
二回のうち最初の一回は、若いとき、30歳以下のときに到来する。
二回のうち二回目は、子供が巣立ち、あぶらののった50歳で到来する。
既に成功した彼女は、おそらく、二回目のチャンスを取り、新しい人生を歩みたくなったのだろう。