2012年9月6日木曜日

オバマとスタンフォードビジネススクール合格法

人気が4年間で下落してきたオバマ大統領。つい先程、ミッシェルオバマが素晴らしいスピーチをしたので、スタンフォードビジネススクールの友達の間では、巻き返しがささやかれている。




オバマ大統領が、大統領になった瞬間、スタンフォード大学では、大歓声と拍手が響き渡り、その音は、寮で必死に勉強している私にはっきりと聞こえる程だった。

オバマが色々と政策を間違ったことは疑いがない。例えば、アメリカは、高いマージンとイノベーションで勝負する国であったのにもかかわらず、ローマージンのビジネスに何兆円も政府のカネを注ぎ込んで、モノづくり復活を目指した。

他方で、全く注目されていないが、彼の時代に、アメリカでは、世界の埋蔵量に匹敵する量の石油(サウジアラビアの埋蔵量の5倍くらい)が見つかったとされる(1兆5000億バレル)。これにより、アメリカのガソリン価格は今後数年以上をかけておそらく3分の1くらいになり、エネルギーの中心が中東から西欧にシフトするという革命が起き、強いアメリカが復活することになると思う。オバマは、その時代の基礎を作ったとして、将来見直しがされるかもしれない。クリーンテクノロジーへの投資に失敗した後、ブラジルの石油とガスに対する対応など、彼のエネルギーの政策を見てみると、上記のような非在来型の石油とガスの時代を予期して行動していることが分かる。

スタンフォード大学で学ぶことは、誰でも失敗する、ということである。失敗したとき、道を見失わないために、自分を探すこと、自分の依存する価値(バリュー)を探すことを習う。そのことを考えながら、ファーストレディーのスピーチを聞いた。オバマは、成功するために魂を売らない、ということを信じさせるスピーチだった。

スタンフォードビジネススクールでは、人生で道を失わないため、生涯幸せに生きていくため、バリューを探すことの第一ステップとして、「何が一番あなたに大切ですか」というエッセイを受験生に課し、これを考え抜いた学生「のみ」を入学させると思う。これを考えるためのガイドブックを以前から配布しており、毎年、「読んで受かりました」というメールが届く。欲しい方は、stanfordmba.guide@gmail.comまでメールを下さい(こちらのメールは忙しくて滅多に見れないのですが、インフォメーションセッションで受験生の方から要望が多かったので、そろそろチェックする予定です)。




2012年6月4日月曜日

近況報告

スタンフォードビジネススクールでは、何が自分にとって一番大切かを徹底的に教育される。入学前には、「何が自分にとって一番大切ですか」という題でエッセイを書かされ、入学後は、履修科目により、人生論や人生の意義について、哲学っぽい論文を大量に読まされる。また、毎週月曜日と水曜日の2回、各生徒が、自発的に、自分の人生について、クラスメートの前でスピーチをする。

私の場合、自分は、自分に与えられたものを活用し、社会の役に立ち、新しい人との出会いといった意味での自分の好奇心を満足させる、色合い豊かな人生を生きたいと思った。シリコンバレーでは、「その人が側にいるだけで、周りの人の人生が暖かく豊かになる」人に出会い、自分もそういう人になりたいと思った。そのためには、自分よりも大きなものにコミットするべきだと思った。

そこで、転職しました。日本のため、福島のために頑張ります!

ウォールストリートジャーナルに載りました↓
http://www.marketwatch.com/story/yohei-iwasaki-joins-kurion-as-its-country-manager-for-japan-2012-06-03

2012年5月31日木曜日

バブルは本当に崩壊するか

前回の記事で、フェースブックの株価が上場後に下がるはずで、これに伴って、すべてのソーシャルネットワーク系のインターネット企業(シリコンバレー)の株価が下がってバブルが崩壊するはずだと述べた。

今のところ、これはあたっているようだ。以下の記事によれば、フェースブックの上場後の株価の下落の仕方は、過去10年間のIPOの歴史で最高だとか。

http://venturebeat.com/2012/05/30/mary-meeker-internet-trends-2012/

もっとも、アメリカでは、インターネット以外は、あまり元気がない。以下のクライナーパーキンスの記事でもその旨述べられている。

KPCB Internet Trends 2012

ところで、クライナーパーキンスといえば、最近、私が昔つとめていた会社の担当パートナー(アジット)が登場するセクハラ問題が発生して訴えられた。 

訴状がこちらから読める↓

KP



日本ではあまり報道されないが、アメリカ、特にシリコンバレーでは、こういう話は良くある。

2012年5月1日火曜日

バブルの終わる日

シリコンバレーは、インターネットバブルだ。

この間、私をヘッドハントしようとしたソーシャルネットワーキング系のシリコンバレーの会社は、シリーズAで21億円を調達し、高額のサラリーと、アジアのヘッドのポジションをオファーしてくれた。



こうしたオファーには慎重であるべきで、私は断った。

一つの理由として、インターネットバブルが、もうすぐ崩壊するということが挙げられる。

フェースブックが、もうすぐ上場する。
5月半ばに8兆円の時価総額とか。

いずれにしても、上場の株価は、グーグルに近くなる見込みだ。

ところが、グーグルの売上げは、フェースブックと比べ物にならないほど高く、グーグルとフェースブックの株価に矛盾がおき、株価の修正が起きるはずだというのがとある専門家の見方だ。

そうすると、グーグルの株価があがるか、フェースブックを含むすべてのソーシャルネットワーキング系の株価が下がるか、二者のうちの一つなのだが、後者になるというのが、とある専門家の見方らしい。

「とある専門家」とは誰?

グーグルの元社長のシュミット氏がこのように発言したという噂が、スタンフォード大学で流れている。



2012年3月18日日曜日

筋肉の国アメリカその2

友達に以下のイベントに参加しようと言われた。生き残れるかな。




2012年1月20日金曜日

勝ち組になるには?!

「『正しいアイディアで会社をスタートするべきだ』と考える起業家が多い。大きな間違いだ。正しいアイディアであり、かつ、皆が失敗すると考えているアイディアでスタートしなければ失敗する。皆が正しいと思ったときでは遅すぎるから。」(アンディ・ラクレフ)



ゲームの起業のアイディアが浮かんだので、「グリーってどうなの?」と日本にいる弟に質問したところ、「学生の間で一番人気の企業だよ!」という返事が返ってきた。グリーは、私が、10年くらい前にスタンフォード大学に夏季留学したときに、留学組日本人の間で話題になっていた。当時は、日記を友達と共有できたりする小さなネットの会社だった。「絶対大きな会社になるわけないよね」と思っていた。それが、今では、「アップルを打ち落とす勢い」と噂されることもあるとか。

ちなみに、私が夏季留学していた10年前の当時、日本ではヤフーの方がグーグルよりも圧倒的に人気があった(グーグルはオタク系の雑誌に登場する程度だった)のだが、当時からスタンフォードの学生の間では、「Y.I.、ヤフーよりもグーグルを使った方が良いよ」と流行っていた。


「グリーみたいなゲームの企業が日本で人気が出ているということは、ゲーム業界は、『もう遅すぎる』のかな?」と思って、スタンフォードMBAを散歩して、現役の学生に意見を聞いてみた。案の定、「ゲームでファンドレイズするのは今は難しいですよ。皆が業界に進出してしまったので、遅すぎる感があります。あと、ジンガとかゲーム企業が期待ほどは儲けなかったのも痛いですね。」とのこと。


農業の分野で起業した私。起業した当時は、クラスメートから、「それって、ノンプロフィット?」と叩かれ、一緒にビジネスプランをつくろうと友達を誘うと、「農家は保守的だから上手くいくわけない」とことごとく断られた。ところが、起業した1年後には、スタンフォードビジネススクールに、「農業クラブ」が誕生した。今日は、「アボカド農家が講演しにくる」ということだったので、「3人聴講していれば良い方かな」と思って教室にいくと、聴衆で教室が満席だった。合格者の中にも、農家の「トマト戦略家だった」といった経歴の持ち主が現れ始めた。起業した当時、農業ビジネスに人気が出るとは思っていなかったので、全くの偶然である。



ところで、市場が大きくなるだろうと思って、現在注目しているのは、太陽電池業界である。スタンフォードMBAの学生の間では、「遅すぎる」・「沈むゆく業界だ」などと叩かれ、現在は人気がない。確かに、中国では、星の数ほどの太陽電池の会社が出来て、皆が太陽電池をつくっている状況なので、太陽電池製造企業そのものを設立するのでは、「遅すぎる」ので、上手くいかないだろう。

ムーアの法則を御存知だろうか。

インテルの創業者のゴードン・ムーアが、半導体がどれだけ将来安くなるかを予言した法則である。

ムーアの法則は、シリコンバレーの基盤の一つを作ったと言っても過言ではないだろう。しかし、「コストがどれだけ安くなるか」という予想自体については、実は、まったく難しいものではない。どの業界でも、「将来コストがどれだけ安くなるか」を予想するための法則は存在し、一般的には「ラーニングカーブ」と呼ばれる。通常、製造量が現在の2倍になったときに、コストが、過去にどれだけ下がってきているかをグラフにして分析しただけのものである。正確なことが多い。

太陽電池の場合のコストカーブは、以下のビデオで紹介されている。講演者のリチャード・スワンソン氏は、スタンフォード大学教授で、サンパワーの創業者。太陽電池業界を作り出してきた伝説の人物であり、「彼の予言のとおり太陽電池のコストが下がってきた」として有名である。是非、ビデオを見て欲しい。

Richard Swanson | Energy Seminar - November 14, 2011 from Cyperus Media.com on Vimeo.




さて、ビデオを見たところで、以下の点を考えてみて欲しい。
1:本当に予言のとおり、コストが下がるか?
2:予言のとおりコストが下がるとして、太陽電池業界は爆発的に伸びるか?
3:太陽電池業界が爆発的に伸びることが、事前に分かっていたとして、どのような会社を起業するか?


私は、1の回答はYESだと思う。ラーニングカーブは、様々な業界に存在し、予測は当たることが多い。2の回答もYESだと思う。計算をすれば、補助金なしで太陽電池が石炭のコストに勝つのは、数年以内という結果を導き出せると思う。エネルギー業界は、数百兆円の市場規模なので、乱暴な言い方をすれば、それへの道が開けることになる。懸念すべきリスク要因は、ヨーロッパの政治リスクとかだろうか。

問題は3である。ヤフーやグーグルが出てきたときには、「インターネットのインフラとして、道案内になるサイトが必要」としてたくさんの検索エンジンサイト企業が戦っていた。このようなアナロジーを使うべきなのか、車とか製造系ビジネスが伸びた時代のアナロジーを使うべきなのか。考え始めたところである。

2012年1月13日金曜日

文化のない筋肉質な国アメリカ

「(ジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』は)1930年前後、自分の利益のためには弱者が死のうと生きようと勝手だという資本のエゴイズムと非人間性を、アメリカ以外ではあらわれにくい筋肉的なタッチで露呈してみせた」(司馬遼太郎『アメリカ素描 (新潮文庫)』)

司馬遼太郎の『アメリカ素描 (新潮文庫)』では、アメリカは、文明色が濃く、文化の色の薄い、筋肉質な人工国家であるとされている。確かに、アメリカンな食事、といって、パッと連想するのは、ハンバーガー。

アメリカンな食事: ハンバーガー(!)
日本の食事:   懐石料理や寿司
イタリアンな食事: パスタ
フランス料理:   フォアグラとか
ドイツ人の食事:  ビールとかポテト料理とか

そんなアメリカだが、実は、「筋肉誇示」という特殊な文化を持っていると思う。アメリカが「ハリウッド体型」という文化を輸出したことで、世界中で、人間の美しさに対する価値観が変わったらしい。例えば、平安時代、女性は、ふっくらとして、下膨れの顔が良しとされたらしく、日本人が、ハリウッド映画のようなスタイルになりたいという欲求が生まれたのは最近のことらしい。

本を読んで、「なるほど」と思った。そんなとき、「会社の経営者としてプレゼンするときに、体が小さくて、若く見えると不利だから、これからは電話でプレゼンした方が良い」と酷いことを言われた。私は177センチで痩せ型なので、アメリカでは大きい部類には入らない。アメリカでは、背が高く、筋骨隆々の白人が出世する。逆に、日本人は差別される傾向がある。

そこで、「ジムに行きたいんだけど」と、健康増進系のスタートアップを経営する元クラスメートに相談したところ、「最近、フットボール選手やSWATの人とかが通っていて、とても伸びているらしいるジムがあるらしいよ。一緒に行こう。」と誘われた。

そして行き始めたのが、下のジムである。




警察官やフットボール選手が行っていると脅かされ、びくびくしながらジムに入ると、意外と生徒には、ぽっちゃり系の人達がいた。

実は、このジム、妊婦でも、海軍将校でも効果があるというのが売りらしい。同じクラスに属する生徒は、同じメニューをこなすことを要求される。つまり、妊婦の女性も、ジム通い数十年のエキスパートも、同じメニューをこなすのだ。

通いはじめて3ヶ月になるが、効果を実感している。アメリカは得意分野のレベルは高い。。。



水のビジネスプランコンペティション

水のビジネスプランコンペティションで決勝戦に進んだときの様子が公開されました。

写真はこちら(右が私)↓

http://hosted.verticalresponse.com/659266/10a5e3bbb9/287505633/b6cfff7736/ より)

ビデオはこちら↓

Water Entrepreneurs Showcase - 2011 from Imagine H2O on Vimeo.

2011年12月2日金曜日

Stanford MBA合格法:エッセイ(何が人生で一番大切なのか)

受験生の皆さんは、追い上げの季節です。

私のところにも、「エッセイの書き方のガイドブックが欲しい」というメールが毎日届いています(エッセイの書き方のガイドブックは、「何があなたにとって一番大切ですか」というエッセイ用と「リーダーシップのエッセイ」対策用の二種類があります。ガイドブックが欲しいという方は、stanfordmba.guide@gmail.comまでメールをお送り下さい)。

さて、スタンフォードMBAの受験で最も難しいエッセイは、「何があなたにとって一番重要ですか」というエッセイでしょう。このエッセイについては、(特殊なエッセイなので)MBAコンサルタントであっても、十分な指導ができないこともあります。

そこで、このエッセイを私に見て欲しいという方は、エッセイを添付して、以下までメールをお送り下さい(返信がない場合もあります)。
mba.essay.yi@gmail.com

年末になるほどメールのチェックが少なくなりますので、今年度に受験する方は、早めにメールして下さい。

2011年9月4日日曜日

周りに自分よりも出来る人を・・・




「そんな奴いらないよ。君に必要なのは、もっと下っ端で、良く働く奴だ。」

カリフォルニアのマウンテンビューにある会社の研究室で、私は会社のアドバイザーと電話で話していた。

「彼女は、スマートグリッドの会社の最高執行役員でした。水道会社に対するロビー活動という意味でも、バックグラウンドは、十分にマッチしていると思います。」とアドバイザーの説得にかかった。

***

起業して暫く経つが、そろそろ会社に、きちんとした組織をつくり、経営のプラクティスを導入したいと考えていた。誰か経験のある熟年のプロを雇う必要がある。

そこで発見したのが、元eBayのチーフオペレーティングオフィサー(最高執行役員)だったスザンナだった。




三顧の礼のように毎日電話して会って、遂に説得に成功し、彼女が従業員一号として入ってくれることとなった。

「常に自分よりも出来る人で自分の周りを固めること」
は、スタンフォードMBAで最初に習うことの一つ。




スザンナは、スタンフォードMBAの先輩。eBayには従業員102号として参加して、最高執行責任者になった。その後、数多くの会社の売上げを数億円レベルから数百億円レベルに短期間で向上させてきた。「私は、売上げを毎日数億円上昇させてきた」と彼女は豪語する。


「そんな人どうやって雇ったの?」と良く聞かれる。


スタンフォードMBAでは、学生の一人ひとりにメンターがアサインされる。
彼女は、私のメンターの一人だ。

もう一つ理由がある。

50歳は、人生で、多くの人がスタートアップに挑戦できるチャンスのうちの二回のうち一回だ。
二回のうち最初の一回は、若いとき、30歳以下のときに到来する。
二回のうち二回目は、子供が巣立ち、あぶらののった50歳で到来する。


既に成功した彼女は、おそらく、二回目のチャンスを取り、新しい人生を歩みたくなったのだろう。

2011年8月29日月曜日

Steve Jobsの退任

史上最高のテクノロジストとして著名なスティーブジョブズが、遂に退任することになった。




エコノミストは、「ジョブズがやめたからといって、ビル・ゲイツを失ったマイクロソフトのようなことにはならないだろう」と報道した。

果たしてそうだろうか。


シリコンバレーでは有名な話だが、
①新しいビジョンをもって会社を創業するCEO(ビジョナリーイノベーター)と、
②既に大きくなった会社をシステマチックにスケールアップするCEO(マネージャー)とでは、
まったく別のスキルを要求される。


そして、両方のスキルを持っている人は殆どいない。


大きくなったアップルで、iPod, iPhone, iPadを生み出してきた スティーブジョブズは、両方のスキルを持っている世にも珍しい人だった。


両方のスキルを持っている人の例を他にあげてみよう。




(mark leslie)

スタンフォードビジネススクールの教授になったマークレスリーは、会社の起業に二回失敗した。その後、ベリタスソフトウェアのCEOになった。今でこそ有名なベリタスだが、マークレスリーが入った当時は、つぶれかけの会社だった。

マークレスリーは、つぶれかけのベリタスにCEOとして入り、従業員の大半を首にした。株式の分割・併合で、既存株主をスクイーズアウトして追い出すことで、新しい経営陣がインセンティブを持って働ける仕組みをつくりだした。そして、営業マンを雇えば雇うほどお金が減ることに気がついたので、「しばらく何もしないで様子をみる」という決定をした。彼は、優秀な「マネージャー」だったのだ。

その後、ベリタスは、何度も新しいアイディア・ビジョン・イノベーションで、脱皮を繰り返し、全く別のプロダクトを売る完全に新しい会社に何度も何度も生まれ変わった。IPOの後には、ウォールストリートのアナリストから酷評をされた合併(M&A)を実施して、株価を半額以下に下げたが、その後、株価を何倍にもして、ウォールストリートが間違っていたことを証明した。マークレスリーは、優秀な「ビジョナリー・イノベーター」でもあったのだ。


ちなみに、両方のスキルを持っているマークレスリーが辞めた後、ベリタスはどうなっただろうか。ベリタスは、VMWareの買収に失敗した。買収しなかったのだ。シリコンバレーでは、ベリタスがVMWareを買収していれば、Googleに匹敵する会社になっただろうと噂されている。

両方のスキルを持っているCEOを失ったベリタスは、新しい脱皮に失敗したのだ。


マイクロソフトも、ビルゲイツが退任し、様々なストラテジックインフレクション(例:携帯)に乗り遅れた。



会社が1000億円の売上げを超え、大きくなった後に、更に脱皮を繰り返すことは難しい。アップルにこれが可能だったのは、両方のスキルをもつスティーブジョブズがいたからだ。アップルがiPhoneを出す直前に、スタンフォードビジネススクールは、「iPhoneが成功する可能性は低い」という論文を発表、アップルの社内でも、「電話ではなく、タブレットコンピュータに集中するべきだ」という意見が多かったという。



(若い頃のスティーブジョブズ。右。)

スティーブジョブズもマークレスリーも、起業家だ。若い頃に起業をして、その後、前回のブログで紹介したワニや鮫がうろつくシリコンバレーを生き残った(スティーブジョブズは二回首になったし、マークレスリーも二回失敗したが)。生き残ったので、会社を自分で大きくするという経験ができた。その過程で、自分自身を何度も脱皮させ、両方のスキルを人物になったのだ。

アップルの新しいCEOが両方のスキルを持っているかは分からない。しかし、その可能性は低いだろう。もし両方のスキルを持っていれば、雇われのCEOになるのではなく、自分の会社を作るだろう。それがシリコンバレー精神だ。

もっとも、それでも、アップルの快進撃はとまらないと思う。
携帯電話が、「小さなパソコン」になることは確実になった。
パソコンの歴史を携帯電話は踏襲するだろう。
その世の中の仕組みの中で、うまみを吸い続ける仕組みを作ったアップルの覇権は、もう一世代続くだろう。
それが、史上最高のテクノロジスト、スティーブジョブズが作り出したバリューだと思う。




2011年8月21日日曜日

憧れの人の真の姿はワニか鮫か

3年前、スタンフォードMBAのエッセイに私は以下のように書いた。

「日本には良い技術がたくさんある。東芝はフラッシュメモリーを発明した。ソニーにはアイポッドにつながるアイディアがあった。しかし、技術を世界で実現することにかけては、日本企業よりも、アップルが上だったように思う。私は、ベンチャーキャピタリストになって、日本の技術を世界に実現することに貢献したい。」

グーグル、アップル、シスコ、アマゾンなどなどアメリカの成功の歴史をつくってきたクライナーパーキンスやセコイアキャピタルなどのベンチャーキャピタル。

彼らに憧れていた。そして今でも。



起業後に、シリコンバレーの伝説のベンチャーキャピタルと呼ばれる人達にプレゼンテーションしまくり、投資も受けた。


そして学んだことがある。


彼らの多くは、シリコンバレーで、アリゲーター(ワニ)とかShark(鮫)と呼ばれている。



フェイスブックの創業者のマーク・ザッカバーが、セコイアにパジャマでプレゼンテーションをしたことは良く知られている。

これは本当の話だ。メディアがウソの報道をしたのではない。

マーク・ザッカバーが気が狂っていたわけでもない。

わざとやったのだ。

フェイスブックのショーン・パーカーには、セコイアから自分のうまみを吸い上げられてしまった悲しい過去があった。

そこで、マーク・ザッカバーに、「同じ間違いをするな」と囁きつつ、心の中でセコイアに復讐することを誓ったのだ。



アップルのスティーブ・ジョブズも、セコイアから投資を受けた。彼が会社を追い出されたときに失った株式を、もし、今も持っていたら。。。



ところで、私がセコイアからコンタクトされ、投資の話を受けたときには、パートナーから、「我々は創業者にフェアだよ」と言われた。

前の話と矛盾するようだが、セコイアはウソをついていない。

セコイアが投資家として入ることで、会社の株式の価値は、平均して10倍になる。

創業者は、株をたくさんもっているので、その恩恵を受ける。

全体のパイが増えるので、山分けをしても、創業者はメリットを受けるのだ。



私も何度も何度もポテンシャルな投資家と対立した。


最近、新しく従業員を雇おうとしたときの話。


ポテンシャルな投資家A(セコイアではないです):
「Y.I.、良いビジネスマンというのは、相手の気持ちを読み取り、ディールをクローズするためにはどしたら良いかを常に考えるものだ。あいつにはそれを感じない。あいつは、とにかくおしゃべり(chit chat)をして、自分の考えていることを単に説明するタイプだ。相手と関係を構築しようという気持ちも感じられない。洗練されてもいない。今までは●●というタイトルだったようだが、生まれながらにして、マーケティングのタイプだ。雇った方が良いと思うが、とりあえず、タイトルは、『acting ●●/ VP of Marketing』として、●●の肩書きについては、後で考え直した方が良いと思うよ。」と言われた。

ちなみに、acting というのは、この場合、temporaryと同じ意味で、あとで降格するという意味だ。


私は、このポテンシャルな投資家のいう「弱点」にはすべて反対だ。相手との関係構築もうまいし、洗練されているし、今までのレジュメをみると、一人で巨大な売上げをあげており、売込みに成功してきている。

私みたいな若造が、「あなたには、acting ●●というタイトルをあげよう」と発言した瞬間に、そっぽを向かれるだろう。


憧れの人とはいえ、パーフェクトではないのです。

2011年8月17日水曜日

ダイアモンドオンラインに載りました

スタンフォードGSBのアラムナイの投資家にプレゼンテーションをしようと連絡をすると、以下のURLが送られて来ました。


シリコンバレーで開催された、とあるビジネスプランコンペティションで優勝したときの記事のようです。


昔はビジネスプランコンペティションに出る前には、いつも何度も何度もプレゼンの練習しました。
日本人なので、練習しなくては、英語の出来だけで負けてしまうからです。
今となっては、毎日毎日ひたすらベンチャーキャピタルにプレゼンするのが仕事なので、練習するというよりは、いつでもプレゼンできる状態になっています。


そういう意味では、プレゼンテーションをする起業家は音楽家に似ているのかもしれません。
若いときには発表会の前に一生懸命練習します。
プロになると、ドボルザークの新世界とかであれば、スコアが全部頭に入っていて、リハーサルだけでも本番を完璧に、こなせるという話を聞いたことがあります。


ということを考えながら、好きな曲のユーチューブを聴いてみました(上から3番目が有名な曲ですが、指揮者がスヴェトラノフなので4番目が上手な気がします)↓












曲を聴いていて、弾いているつもりになって、夢中で楽しんで集中している自分に気がつきました。

なんとなく、起業した会社も、これと同じように大切に扱わなくてはいけないという気がしました。

2011年7月17日日曜日

シリコンバレーのドラえもん(?!)

「失敗をすることは構わない。しかし、失敗するのであれば、大きく失敗したい。そして、当たったときには、ホームランでなければならない。私が成功したのは、失敗を恐れる気持ちが全くなかったからだ。」(ヴィノド・コスラ)

「9000回シュートを外した。300回ゲームに負けた。26回、ゲームの勝敗を分けるシュートの成功に賭け、失敗した。何度も、何度も、何度も、人生で失敗した。だから、私は、成功したんだ。」(マイケル・ジョーダン)



今回はシリコンバレーのドラえもんのお話。20年くらい前のドラえもんの映画(犬が出てくる奴)。


     

映画の中で、ドラえもんが、植物に注射をする。すると、植物が成長して、カレーの実を付けたのだ。実をあけると、中から、出来立てのカレーが出てくる。


(藤子・F・不二雄原作、東宝『ドラえもん のび太の大魔境』より引用。リンク元は、http://www.tv-asahi.co.jp/doraemon/contents/mini/backnumber/0122/img/23.jpg
)



20年前は、SFロマンを感じたが、最近では、「これって今の技術なら、何とか出来そうだよね」と考えるようになった。そして、本当にそんな技術が出てきた。

それが、ヴィノド・コスラが最近投資をしたスタートアップだ。

このスタートアップの技術を使うと、植物が、牛肉や豚肉を作り出すようになる。

「マクドナルドに売るのか、ベジタリアンに売るのか」マーケットを攻略する方法を友達と議論した。

当たれば大きい。牛肉のコレステロールが体に悪いことは、皆知っている。世界中の人が肉から植物に乗り換えれば・・・と考えれば、天文学のような数字がマーケットサイズとなるだろう。

しかし、技術は完成していないし、コスト面で肉に勝てるかも分からないし、遺伝子組み換え食品と同じようにメディアに叩かれるリスクもある。

コスラなら、そのリスクを取れる。スタンフォードMBAを出たばかりの私の友達(ジェネラルミル及び農家の出身)は、従業員No1として、コスラにこの会社に送り込まれた。彼が、世界を変えられるか楽しみだ。

ちなみに似たような技術の会社としては、大気中の二酸化炭素を取り込んで、カーボンを利用した製品(ペットボトルとか)を作り出すという会社がある。コスト面で難しそうだ。

私の方は、最近、学校を出て、近所(スタンフォードから歩いて10分)に引越しをして、ようやくインターネットが接続された。ネットがつながると好きな音楽が聴ける。



来週から中東に出張することになりそうだ。

2011年7月2日土曜日

ブログは続きます

このブログは、閉鎖せず、続けていきたいと思います(タイトルを変えるかどうかを検討中です)。

もと校長で、ウェルズファーゴ銀行オーストラリア部門のCEOのボブ・ジョスの「人生の10のレッスン」。



ボブ・ジョスの人生最大のレッスンは、Personal Renewalとのこと。

私も人生で、今まで何度か失敗したことがある。
それは、いつも、挑戦するのを辞めたとき、学ぼうとするのを辞めたとき、リスクをとろうとするのを辞めたときだった。

前回のブログで、GSBのミッションは、"Change lives, change organizations, change the world"だと述べた。傲慢に響くだろうか。しかし、このミッションは、世界を変える『結果』を出せる卒業生を出す(グーグルを起業する学生を育てる)という意味ではない。

ボブ・ジョスのスピーチの以下の部分を聞くと、ミッションの本当の意味が分かると思う。

「人生は、スコアを競うゲームではない。人生は、自分を探す終わりのない旅だ。いつでも人生の新しい『チャプター』(章)を探すように生きていきなさい。人生の意義をみつけるには、自分よりも大きなものにたいして、コミットすることだ。例えば、仕事、愛、宗教、仲間など。自分ではなく、自分を越えたものにコミットするのだ。自分の中に捕らえられてしまう(self-preoccupation)というのは牢獄である。その牢獄から抜け出すには、自分よりも大きなものにコミットする必要がある。若いときには、アイデンティティを探すものだ。アイデンティティとは、何に対してコミットするかということである。例えば、今よりもうまく仕事をするということ。世の中には、その人そのものであるだけで、世界が良くなる人がいる(some women and men make the world a better place by just being a kind of people they are。。彼らは、親切で、勇気があり、忠誠心があり、倫理的である。そういう人になるために、何年も何年も学び続けることには意味がある(注:学校に行くという意味ではなく、自分を探す終わりのない旅をするという意味です)。だから、学び続けなさい。挑戦しつづけなさい。好奇心旺盛であり続けなさい。そして、何かにコミットしなさい。人生に意義を見つけられるように。そういう人生が、世界を良くするのです(such lives will make the world a better place)」

2011年6月18日土曜日

卒業



1.最後の授業

"Regret for the things we did can be tempered by time; it is regret for the things we did not do that is inconsolable.(Sydney Harris)"(挑戦して、うまくいかなかった記憶は、薄れていく。挑戦しないで後悔した記憶は、一生忘れることが出来ない。シドニー・ハリス。)

スタンフォードGSBの最後の授業は、最人気のグロースベック教授の上の一言で始まった。それは、奇しくも、私のスタンフォードMBAのエッセイの書き出しと同じだった。


2.スタンフォードMBAの謎

スタンフォードMBAのミッションは、御存知のとおり、"Change Lives, Change Organizations, and Change the World."である。

これは単なるマーケティングなのだろうか、本当なのだろうか。

スタンフォードMBAのアドミッションオフィスが来日したとき、彼らは、スタンフォードのカルチャーにフィットしている人が欲しいと述べていた。学校のコミュニティと一体になれる人が欲しいのだ、と。
「あなたがスタンフォードのカルチャーにフィットしていれば、その影響を受ける。皆が世界を変えたい、世界を変えられると思っているカルチャーと一体となる。あなたも、『自分にもできる』と信じるようになる。我々はそういう人がほしい。」(アドミッションオフィス)
その半年後に、合格の電話をもらい、ちょうど3年前に、私のスタンフォードMBAの留学が始まった。私の留学は、前代校長のボブ・ジョスのスピーチと共に始まった。彼のスピーチは、今でも鮮明に覚えている。
「卒業したとき、振り返って、君達は、『自分がこんなに変わったのか』と驚くだろう。そのためには、いつも自分にとって、Uncomfortableだと感じることに挑戦しなさい。」
「本当に自分も変われるのだろうか。卒業するときには、ジョスが言っていたことが本当だったか振り返ってやろう」と心に決めた。


3.つらかった一年目

MBAの一年目はつらかった。一科目について平均して30頁(多いときには100頁)の予習があり、一日について、二科目から三科目授業がある。夕方まで授業があり、そのあとパーティやら色々なイベントがあるので、授業に追いつかず、どんどん負債がたまっていった。

今は校長になったガース・サロナー教授(当時は戦略の授業を教えていた)から、
「君の成績の状態は非常にまずい。危機的な状態だ。」
というメールが届いたのを覚えている。

おまけにアメリカは大不況に突入するところで、仕事がなかった。日本では得てして尊敬を集める弁護士だが、シリコンバレーのキャリアコンサルからは、
「弁護士だということは、なるべく相手に話さないようにしなさい」
とキャリアを全否定され、「それでは、どうやってアメリカでインターンシップをとるのだろうか」とショックを受けたのを覚えている。


4.自分の変化

一年目の秋休みの頃から、私に変化が訪れ始めた。

怖かったが、30年の内戦が終わったグアテマラに、クラスメートと共に行くことにした(こちらの記事)。

グアテマラの農家は貧しく、数十キロのコーヒー豆を手を真っ赤にしながらとっても、一日に1ドルしか貰えない。私が泊まった石造りの家には、いつも野犬が入ってきて、とても臭かった。我々のガイドは、我々を守るために、常にピストルを持っていた。元ゲリラの村に泊まり、生命の危機を感じながら、急斜面な活火山を登り、自然の美しさを謳歌した。とてもとてもUncomfortableだったが、美しくも危険な環境と共存して笑いながら生きていく人達を見て、世界を見た思いがした。

そしてその後、南アフリカにクラスメートと旅行した。水のない砂漠の村に泊まり、「あなたはシャワーもあびれないし、水も飲めないし、歯も磨けない。」と言われた。

世界を見て、旅行して、アメリカ人と飲食就寝を24時間ともにすることで、様々な国の人の価値観が少しづつわかるようになった。

そして、アフリカから帰ってくると、成績優秀者の一人に選ばれていた。勉強時間を削ることが出来るようになったので、アメリカのクリーンテックのスタートアップに対するコンサルをはじめた。そうこうするうちに、インターンシップも手に入った。卒業生が設立したクリーンテックの会社で、アメリカ人と一緒に仕事をして、「自分もアメリカで仕事が出来る」と自信がついた。同時に、アメリカ人のような考え方やコミュニケーションが出来るようになってきた。

インターンから帰ってくると、友達に、「変わったね。自信があるみたいだよ。」と言われた。


5.カルチャー

2年生になり、次々にスーパースター達と会うことができた。グーグルのエリック・シュミット、インテルの創業者のアンディ・グローブ、ベリタスソフトウェアのファウンダーのマークレスリーといった面々とランチをし、素顔を見た。クラスメートには、ファッション大手のランバンのCEOといった面子がいた。いやでも彼らの考え方の影響を受けた。
「アントレプレナーになりたいのであれば、コンサルや投資銀行に行くことは薦めない。学生ローンを返したい気持ちは分かる。しかし、コンサルや投資銀行のカルチャーの影響を受けて、飛行機のファーストクラスになれてしまい、子供ができ、10年後、ベットの上で起き上がり、『スタンフォードにいたときにあんなにあった僕のアイディアはどこに行ったんだろうか』といつか思う日が来る。そうなってからでは引き返せない」(グロースベック教授)

「目の前にいくつも道がある。険しい道をみて、あなたは、『もっと実力がついてから、もっと貯蓄ができてから』その道に行こうと思う。しかし、今行かなければ、その道に行こうという日は、決して来ない」(サーチファンドのクラスの教授)
気がつくと、私もGSBのカルチャーに感化されていた。


6.挑戦

彼らの考え方に感化されるうちに、起業するとしたら、どういうアイディアであれば成功する可能性があるのかが分かるようになり、その後は、次々と新しいアイディアが浮かぶようになった。GSBの友達とビールを飲むと、ビールを飲み干すまでに、2つ3つはアイディアが思い浮かぶようになった。

成功するアイディアの基準の一例:
  1. ストラテジックインフレクションポイント(戦略転換点):このブログで何度も紹介したストラテジックインフレクションポイントでは、競争のルールが変化するので、リソースのないスタートアップにも勝機がある。コーナー(隅っこ)を見ることで、将来に対する自分なりのビジョンがあれば、いち早くストラテジックインフレクションポイントに気付ける。
  2. プロダクトとマーケットがフィットしていること:スタートアップはリソースがないので、マーケティングに大企業ほどガンガンお金を使うことは出来ない。本当に強力なPainをマーケットに発見し、このPainを解決するユニークなプロダクトを売ることでしか、大企業に勝って成功することは出来ない。
  3. フォーカス:スタートアップはリソースがないので、一点に集中して、その一点で大企業に勝って成功することしかできない。
そんなとき、もとベルラボの科学者と出会い、彼から紹介された技術で起業することにした。グアテマラや南アフリカで大きな世界を見たことも、アイディアを思いつく契機になった。

次々とビジネスプランコンペティションで優勝・準優勝し、一流の投資家から資金調達した。プレゼンの技術は、GSBのコーチや教授から習った。


7.人生の意味

私のスタートアップが成功するかは分からない。それでも挑戦できるのは、ビジネススクールで、カルチャーの影響を受け、人生の意味について考える機会を与えられたからだと思う。

私は、挑戦し続ける、ユニークな人生を歩みたい。自分なりの人生を、自分の価値観に従って、歩むことが出来れば、それがGSB流の「成功」なのだ。

最後のパーティで、卒業式で、周りのクラスメート達と気持ちを共有しているのを感じた。オーケストラの一員として演奏するときに、オーケストラ全体と気持ちを共有している感覚と同じだった。その「時が止まった瞬間」は一生忘れることは出来ない。

自分の夢に向かって挑戦し、学び続け、自分が属するコミュニティと気持ちを一つにすることが出来れば、自分の人生に後悔はないと思う。

GSBの卒業式で、Herb Allisonは、「GSBを卒業する今、君達にとって重要なのは、結果ではなく、自分の価値観・コンパスに従った人生を生きることができるかどうかだ」と述べていた。

人生の意味を教えてくれたGSBに感謝したい。

2011年5月24日火曜日

Stanford MBAの学生の1日

ハーバードビジネススクールの1年生のインド人が、インターンでシリコンバレーに来て、「忙しいの?」と聞かれたので、スケジュールを応えたら、驚いていたので、以下で紹介したいと思う。

(スケジュールの例)
7時       クラスメートとミーティング(欠席するかもしれない)
8時30分   セコイアキャピタルとパートナー会議
10時      シスコの元CEOの教授の授業・ランチセッションにも参加
13時      オーガストキャピタルとパートナー会議
14時15分   ライトスピードベンチャーパートナーズとパートナー会議
16時      アドバイザーミーティング
18時      GSBの教授とディナー
20時      クリーンテックオープンなるビジネスプランコンペティションの出願書類作成
23時55分   出願完了

内容に差こそあれ(ゴルフだけという人もいる)、大体、スタンフォードビジネススクールの学生の一日は、ぎっしり埋まっている。「Outlookが人生をコントロールしている」と揶揄されることもあるほどだ。これは、アメリカのエグゼクティブの一日が、アシスタントにコントロールされることを模倣し、将来に向けた準備という意味で、シミュレーションしているのだ。

GSBでは、その中で、人それぞれの形でワークライフバランス、又は、仕事に対するPassionを追求して、人生でHappinessを得るためには、どうしたら良いのか、ということを徹底的に教え込まれる。

ある卒業生は、「GSBに来て良かったことは、人生を幸せだと感じるようになったことだ」とコメントしていた。すべての学生・卒業生が共有している感覚だと思う。私自身、忙しいが、毎日が新しい発見の連続で、充実している。

2011年5月19日木曜日

スタンフォードビジネスプランコンペティション

今年もスタンフォードビジネスプランコンペティションが開催された。

今年は絶対優勝と思っていたところ、コンペティション当日の2日前に、「君はベンチャーキャピタルから投資を受けたプロ(!)だから、賞金はあげない」という(関係者ほぼ全員がCCに入った)メールが届いた。

2日前に通知とはヒドイ!
抗議をして一生懸命交渉したところ、「しょうがないから賞金も考慮をしてあげるよ」と向こうが折れてきた。

結局結果は2位で、賞金100万円を手に入れた。

コンペティションの歴史上、ベンチャーキャピタルから投資を受けたチームが賞金を受けたことはなかったと思われるので、さすがに優勝させるとまずいということだったのか、実力だったのかは分からない。

優勝できなかったのは残念だが、更に多くの投資家のレーダーに入ったので、次のラウンドのファンドレイズで有利になれそうだ。

2011年5月7日土曜日

ビノド・コスラとクライナーパーキンスのてんまつ その1

「君の会社に投資しよう」

歴史上最も成功したベンチャーキャピタリスト、ビノド・コスラから、投資のオファーを受けたのは、去年の終わり頃だ。

コスラは、1980年にStanford MBAを卒業。卒業後、サン・マイクロシステムをCEOとして設立。そのあとは、クライナーパーキンスで、Juniperをはじめとして、次々と投資を成功させ、個人資産は、軽く1000億円を超えるといわれる。「コスラから投資を受けた」というニュースは、あっという間にシリコンバレー中に広まり、起業家にとってステータスになるのだ。

2年ほど前、一緒に働いていたとあるシリコンバレーの会社のCEOが、コスラから投資のオファーを受けたが、とらなかった。当時は、「なぜ?」と疑問でしかたなかった。

今となっては、ちょっと気持ちが分かる気がする。

(続く・・・のかな?)

2011年5月6日金曜日

Stanford MBA blog

Stanford MBAのオフィシャルブログに、私のスタートアップの記事を載せました↓

こちらから見れます。

記事1

記事2

米国国務長官に紹介される

とあるお金があり過ぎて困っている(笑)ハイテク企業にピッチをしたところ、オルブライト元米国国務長官(現在のヒラリー クリントンに相当する役職)に紹介された。以下の人です↓
http://en.wikipedia.org/wiki/Madeleine_Albright

「オルブライト元国務長官と話していたら、食の問題に興味があるという話になって、君達のスタートアップの話になった。君達のスライドを転送していいかな。」と聞かれた。

さすがは、シリコンバレー。。。うまくいくかな。。。

ケースの主人公として登場

カリフォルニア大学バークレー校ビジネススクール(いわゆるハース)では、Allegis Capitalのマネージングパートナーが、アントレプレナーシップのコースを教えており、その授業のケースの主人公で呼ばれた。聴講生達が、プレゼンをして、最後にProtagonistの私が、実際にビジネスを運営している立場から、コメントをする形。私のコメントは、当然ながら、まだまだ未熟。はやく歴戦のProtagonist達のようなコメントが出来るようになりたい。

2011年5月5日木曜日

地元の新聞(サンノゼ新聞)に載りました

教授、ベンチャーキャピタリスト・プライベートエクイティから「おめでとう」というメッセージが届いたので、なんだろうと思うと、どうやら地元の新聞(サンノゼマーキュリー)に載ったようです。

こちらです↓
サンノゼ新聞

2011年4月26日火曜日

Stanford GSB合格法:Stanford GSBの戦略

ビジネススクールに合格するためには、その学校についてよく知っていることが大切です。

下記のビデオを見て、他の人に差をつけて下さい(画像をクリック)。


2011年4月14日木曜日

コンペティション優勝

スタンフォード大学では、毎年、Northbridge Venture Parners Competitionというビジネスプランコンペティションがあるのだが、それに優勝した。500万円のConvertible Noteに20%のDiscountがつく。

2011年3月12日土曜日

地震と津波にニュースは、アメリカでも報道されています。GSBの友達、スタッフ、教授から、「大丈夫?」というメールを受け取りました。家族と故郷の日本のことが心配です。

両利き(Ambivalent)

「起業家は、楽観的であると同時に、悲観的でなければならない」

どちらが欠けていても足らない、これに気付くのに10年かかった、とベリタスのファウンダーのマークレスリーが教えてくれた。

「両利き」(Ambivalent)であることは、実は、色々な局面で重要だと思う。

私が、7年前に、司法試験を受けたときには、「気負わずに、ベストを尽くす」という両利きが必要だった。精神的につらい試験なので、気負うとプレッシャーに押しつぶされて、自滅してしまう。実際に、「プレッシャーに負けて、ローソンで立ち読みばかりしていた」とか「プレッシャーで何も出来なくなって、家で寝ていた」という受験体験談は、よく聞く。逆に、ベストを尽くさなければ、絶対に受からない試験だった。

マークレスリーとのミーティングで、「君は、科学者か。科学者のように考えるのか。」と聞かれた。

「慎重すぎるのでは?」という意味が、暗に言葉にこもっていた。

「いえ、私は、絶対に、Great CompanyをBuildできると信じています。でも、一方で、私は、慎重です。色々な心配で頭が一杯です。」

アンディ・グローブは、パラノイアだけが生き残ると発言し、以前ブログで紹介した彼の著書も、「私は、色々な心配で頭が一杯だ」という趣旨の出だしではじまる。

マークレスリーは、笑って、「素晴らしい会社をつくれると信じつつ、色々心配するのは大切だ。でもバランスが大切だ。今の君は、ちょっと心配の方にバランスが傾きすぎている。」とアドバイスしてくれた。

「気負いすぎていたのかな」と昔のことを思い出した。ベストを尽くしつつ、気負いすぎないようにしなければ。

2011年3月9日水曜日

Stanfordのビジネスプランコンペティション

今年もスタンフォードのビジネスプランコンペティションに参加した。準決勝は、クリーンテックのチーム同士の戦い。5チームから1チームが選ばれ、決勝に進出する。

ピッチ後に、ベンチャーキャピタリストに呼び止められ、「他のチームとの差は明らかだったから、既に君達の決勝進出は決定したよ。僕のところにもピッチに来てくれ」と言われた。決勝に進むと賞金がもらえるので、これでまた少し投資を受けるまでのWorking Capitalが手に入るな、と思い、少し嬉しかった。

2011年3月7日月曜日

起業家

「えー、農業のビジネス?農家ってリスクとるの?」「それって、Non Profit?」

一年前、今のビジネスのアイディアを知人に話すと、決まって、「気が狂ったか」という反応が返ってきた。

「なんで、インターネットとか分かりやすいのにしないの?」とも聞かれた。

何気ない会話だが、実は、起業家をどう見るのかという問題をはらんでいる。

以前のブログにも紹介したMike Cassadiのように、起業家の中には、2年くらいで会社を売り払うことを目的とする「短いヒット」を狙う人も確かに入る。これをシリコンバレーでは、「カネに雇われた傭兵」と呼ぶらしい。

私にとっては、起業家とは、既存の業界を(良い意味で)破壊する人種だ。シリコンバレーでは、これを目的とした技術を、Disruptive Technologyという。例えば、「クライナーパーキンスは、Disruptive Technologyの可能性のある技術以外には投資しないし、興味もない」と、クライナーのパートナーが言っていた。

業界を破壊するとは、アンディ・グローブのいうストラテジック・インフレクションポイントを引き起こすということである(何それ、という方は、こちらを参照)。要は、業界の競争のルールを根本的に変化させることを意味する。

例えば、インターネット、アマゾン、アップル、ネットフリックスのせいで、出版業界、新聞(紙?)業界、映画業界の競争のルールは根本的に変わってしまった。

最近では、電気自動車が、自動車業界にストラテジック・インフレクションポイントを引き起こせるかどうかが注目されている。これは、中国で、トヨタの100分の1にはるかに満たない規模のベンの会社(以前のブログを参照)が、垂直統合型の業界を、水平統合型に変え、競争の仕組みを変えられるかどうか、ということだ。

起業家として、ストラテジック・インフレクションポイントを引き起こすには、「常識」に挑戦する必要がある。

例えば、眠れるアメリカの会計業界。「会計士業界なんて、Disruptできるの?」と思われるかもしれないが、アメリカでは、Intuitが出てきて、業界の仕組みが変化した。

同じく眠れる弁護士業界。やはり、弁護士業界をDisruptするのは難しそうなイメージだ。しかし、アメリカでは、Clearwellという会社がセコイアから投資を受けて、インフレクションを起こそうとしている。

Sales Force.comは、「顧客情報という最重要情報の管理は他社に委託しない」という常識を打ち破って、大成功した。

伝説のベンチャーキャピタリストのアンディ・ラクレフは、「起業家として成功するには、条件がある。一つは、正しいアイディアに集中すること。もう一つは、これが良く間違われているのだが、他の人が正しいと思わないことに集中すること。」と話していた。いくら良いアイディアでも、皆がやっていてはダメなのだ。

例えば、良く聞く議論に、「絶対に、自動車業界には、電気自動車が登場して、Strategic Infletion Pointが起きる。Strategic Inflection Pointでは、起業家にチャンスが到来する。だから、私は、電気自動車(あるいは電池)のビジネスをする。」というものがある。見事な3段論法なのだが、これは、既に皆がそう思っているので、ちょっと遅いと思う。

水と農業のビジネスは、市場が大きく、誰もまだDisruptしていない。ベンチャーキャピタルの投資も、クライナーとコスラを除いて、殆どない。無数のベンチャーキャピタルの投資が集中しているクリーンエネルギー業界とは対照的だ。