2013年1月28日月曜日

不都合な真実:平和について考えたこと

「均等の力を持つものの間にのみ平和は永続する。」(ウッドロー・ウィルソン。1917年の大統領教書。)

「核戦争は1億人の死、あるいは10億人の死を意味するものではない。40億人の消滅を意味する:ご存知のとおり、地球上の生命の終焉である」(ラジブ・ガンディー。1988年の国連総会にて)




人類が、リスクを限りなく0に近くできると過信し、幾度となく過ちを犯してきたことは、歴史が示すところである。サブ・プライムローン・原子力発電所事故は、その一例に過ぎない。これらの過ちから、一つの命題を学ぶことが出来るとすれば、それは、「リスクを0にすることは出来ない」ということであろう。

もし、リスクを0にすることが出来ないとすれば、リスクが顕在化した場合の最悪の結果を、なるべく限定されたものとする必要がある。ここに、不都合な真実がある。


(1) 技術力の向上
冷戦下で、核兵器は抑止力として作用した。抑止力を高めるため、核兵器の開発が進み、次々と高性能の核兵器が生まれた。一国を滅ぼす兵器の出現で、「全面戦争」のリスクが下がり、実際に「全面戦争」は抑止された。しかし、他方で、人類を滅ぼすだけの威力をもった核兵器の出現という負の遺産を冷戦後に残すことになった。(参考書籍として:Henry Kissinger, Nuclear Weapons and Foreign Policy)。

(2) 社会の変化 
冷戦後の今日、核兵器の抑止力としての機能は、ますます低下する傾向にあると考えられる。例えば、歴史を振り返ってみると、独裁者が支配する社会においては、独裁者は自己の利益を追求し、被支配者の幸福を追求しないのが、一般である。したがって、独裁者が核兵器を入手した場合、独裁者は自己のシェルターをつくることで自分だけ生き残れると考えた場合、核による反撃が想定されたとしても、核兵器を使用するという選択肢があることになる(ただし、被爆国が、自己のシェルターに攻めて来れないだけのパワーバランスを実現できる場合に限ると思われる。しかし、これは、「核による抑止」ではないことに注意する必要がある)。命を惜しまないテロリストにとっても、核兵器を使用しないという強い動機は働かないと思われる。


一般論として、技術力の向上や社会構造の変化が、ストラテジック・インフレクションポイントを作り出し、戦略の転換を求めることは、このブログで何度も述べた。

このようなストラテジック・インフレクションポイントに気がつき、ジョージ・シュルツ元国務長官、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官らによって、
A World Free of Nuclear Weapon
という論文が、スタンフォード大学のフーバー研究所から、2007年に発表された。核兵器を抑止力として使用して平和を維持する時代は終焉したから、核兵器のない世界を目指すべきであるという趣旨を述べた論文である。

これを受けて、オバマ大統領は、核兵器のない世界を目指すことを表明し、駐日米大使のルース大使も、核兵器のない世界を目指すと何度も演説をしている。上記の論文を読むと、この演説は、単にオバマやルースの理想論を述べたものではなく、アメリカ政府の戦略を述べたものであると考えられる。

アメリカの戦略は、成功するのだろうか。シュルツによる上記論文は、核兵器のない世界を実現するために、以下の方法を述べている。

  • Changing the Cold War posture of deployed nuclear weapons to increase warning time and thereby reduce the danger of an accidental or unauthorized use of a nuclear weapon.
  • Continuing to reduce substantially the size of nuclear forces in all states that possess them.
  • Eliminating short-range nuclear weapons designed to be forward-deployed.
  • Initiating a bipartisan process with the Senate, including understandings to increase confidence and provide for periodic review, to achieve ratification of the Comprehensive Test Ban Treaty, taking advantage of recent technical advances and working to secure ratification by other key states.
  • Providing the highest possible standards of security for all stocks of weapons, weapons-usable plutonium, and highly enriched uranium everywhere in the world.
  • Getting control of the uranium enrichment process, combined with the guarantee that uranium for nuclear power reactors could be obtained at a reasonable price, first from the Nuclear Suppliers Group and then from the International Atomic Energy Agency (IAEA) or other controlled international reserves. It will also be necessary to deal with proliferation issues presented by spent fuel from reactors producing electricity.
  • Halting the production of fissile material for weapons globally, phasing out the use of highly enriched uranium in civil commerce, and removing weapons-usable uranium from research facilities around the world and rendering the materials safe.
  • Redoubling our efforts to resolve regional confrontations and conflicts that give rise to new nuclear powers. Achieving the goal of a world free of nuclear weapons will also require effective measures to impede or counter any nuclear-related conduct that is potentially threatening to the security of any state or peoples.



PODAMのコードネームをもち、CIAへの協力者だったとも言われる正力が、原子力発電所を、日本に輸入したのは、実は、濃縮ウランやプルトニウムを手にすることを通じて、原子力爆弾を製造する能力を手に入れたかったためである、という有力な説がある。実際、原子力発電のために、ウランは濃縮されており、また、原子炉ではプルトニウムが生成される。スタンフォード大学で、中東駐在の米大使の講演を聴いていたときにも、大使は、「日本は、指をパチンとならす間に原子爆弾を製造できる」と平然と話していた。(参考図書として、例えばCIAの研究等で著名な早稲田大学の有馬哲夫教授による、原発と原爆 「日・米・英」核武装の暗闘 (文春新書)

核兵器がない世界を実現するためには、このようなプルトニウムや高濃度ウラン、またはこれらを製造する技術(ウラン濃縮技術等)を、潜在的な核の使用者に渡さないことが重要となる米国の3月11日以降の関心事も、日本のプルトニウムが他国に渡ることのリスクにあると思われる(以上の参考図書として、プルトニウムファイル いま明かされる放射能人体実験の全貌

プルトニウム等を危険な者に渡さないことの、一つの方法として、CIAやMI6による活動が考えられる(従来型の方法)。
新しい技術を利用した、新しい抑止の方法として、民間による抑止というのは、どうだろうか。例えば、シリコンバレーには、超安価で小型の人工衛星を打ち上げる会社(ビノド・コスラが出資したスタンフォードの学生の会社)や放射線を探知するセンサーといった技術などがある。プルトニウムや高濃度ウランの存在場所の探知につながるかもしれない。技術として大変難しいのだろうが、もし、一度、遠くからの探知が可能になれば、Twitterのように情報をすぐに共有できる仕組みはある。

思想の輸出や豊かな生活の輸出ということもある。新しい技術との関係では、アラブの春にみられるように、フェースブックや、Twitterが、革命を促し、政権を打破することがある(参考:Revolution 2.0: The Power of the People Is Greater Than the People in Power; a Memoir)

新しい時代における平和に向け、日本は、福島のために貢献し、事故で生じた核廃棄物を安全に隔離し、その過程で、世界に対して模範とリーダーシップを示し、核兵器のない世界の実現に向けた第一歩を踏み出すべきである。既に存在してしまったプルトニウムも、例えば、ガラス固化すれば、二度と核兵器としては利用できないだろう。日本は、意思さえあれば、そのリーダーシップを世界に示すことが出来るのである。

2013年1月26日土曜日

シリコンバレーでの起業の仕方(4):初期資金

「いいかい、プレゼンテーションっていうのはね、必ず、クライマックスがあるんだよ。」

ピーター・ウェンデル教授のクラスで顧問を務めるレイモンド氏は、テレビのコメンテーターだったこともある。アメリカのショービジネスの経験者。アップルやパンドラといった名だたる企業で、プレゼンのコーチをつとめる。風貌も、蝶ネクタイに、黒縁メガネといった風貌で、エンタテイナーが歩いているような感じである。自転車もピンク・パンサーに出てきそうな自転車に乗っている。

(レイモンド氏)

冬のある日のこと。

私は、レイモンド氏と、スタンフォード大学の近くのUniversity Cafeに座り、氏から、スタンフォードビジネスプランコンペティションに向けて、プレゼンの個人指導を受けていた。どんなスタートアップも、カネが必要だ。ところが、事業を始める前には、カネはなく、カネがないと事業が始められない。鶏と卵のような状況になるのが通常であり、これはネットではない、モノづくり系の会社の場合に特に顕著である。私は、初期の運転資金を、スタンフォードビジネスプランコンペティションで優勝して獲得しようと考えた。

レイモンド氏のコーチングは、以下のような感じだった。

「プレゼンで、最初からクライマックスはダメだよ。最初はローキーではじめる。ストーリーを語るんだ。君が南アフリカに行って、水不足と不毛な土地、そこで会った子供の話がいい。南アフリカから帰った後、調べてみると、70%の水の消費は、農業だということが分かった。問題を解決したいと思った。そして、次がクライマックス。次のような決め台詞を言うんだ。」



「『この問題を解決するために、わが社の科学者は、この問題を解決するために、数十年の研究を続けてきた。今日、その成果をはじめて皆さんにお見せするのに喜びを隠せない。』」

「台詞を言ったら、ポケットから吸収材を出して、見せて、技術の説明をするんだ。次は、マーケットの分析、チームの説明、財務諸表。最後は、締めだね。締めでは、最初に出てきた子供の話に戻ろう。『私は信じている。あなたが、協力して投資してくれれば、この子供の笑顔を、世界中で見られるようになる、と。』こんな感じさ。さぁ、もう一度最初からプレゼンしてごらん。」

レイモンド氏からコーチングを受けた後、今度は、学校のコミュニケーションの教授のシュラム教授にメールをして、もう一度、プレゼンを見てもらった。

「僕の授業をとったときから、随分成長したね。ただ、吸収材を出すとき、もう少し、大げさにジェスチャーしてごらん。ため息をついて、『こんな美しいものは見たことない』と言いながら、材料の説明を『さっ』とするんだ。例えば、『硬くて、水を自重の何倍も吸って、長持ちだ』とかね。」

「それから、競争相手とのチャートでは、体を大きく使いながら、『我々を本当に興奮させるのは、わが社の技術は、競争相手の16倍の性能があることである』と言ってごらん。」

「自分のチームの紹介では、自分の経歴を紹介した後、『日本で生まれた』と言ってごらん。君は日本人の発音だし、聴衆は日本人が良くこれだけプレゼンできる、と思っているから、必ずジョークを理解して、笑ってくれる。」

シュラム教授は、TEDでもスピーチをしたプレゼンテーションの権威であり、スタンフォードビジネススクールでは、コミュニケーションやプレゼンを教えている。彼のプレゼンは例えば、以下のビデオでも見れる。


昔、スタンフォードビジネススクールのSaloner校長とランチをしたとき、「我が校の戦略は、クラスのサイズが小さいことだ。だから、最高のコーチが、優秀な生徒の一人ひとりにつける。東海岸の学校には絶対真似出来ない。」と話していた。

その言葉のとおりだ。

1年生で入学当時、私のプレゼンは、ひどい内容で、クラスメートからも、プレゼンのときには、一緒のチームを組みたくないと軽蔑されるほどだった。

それが、最高のコーチ達から指導を受け、スタンフォードビジネスプランコンペティションで、2位という結果に終わった。

賞金も手に入れた。

終わった後、メンターで、デロイトの元パートナーが歩いてきて、「感動した。君の価値を信じる。引続き、君のメンターでいたい」と言ってくれた。

ともあれ、コンペティションの賞金で、会社をとりあえず始める運転資金が手に入った。


シリコンバレーでの起業の仕方(3):発明者編

70歳を超える中国人。寡黙な天才、リチャード教授(仮名)。

水の吸収材を発明した彼を説得しようと、クパチーノにあるサイプレスホテルのカフェでプレゼンをした。私のプレゼン資料は、5頁くらいの簡単な内容で、ただ一つのことを彼に説得しようとした。

「私と一緒に起業すれば、あなたの技術は世界に羽ばたき、多くの人の目にふれる。そのチャンスを、一緒に、とらないか。」

私の10分間のプレゼンの後、リチャードは、最後に一言だけ言った。「分かった。私も人生を長く生きたが、これが最後の挑戦になると思う。一緒にやろう。」

そして、水を吸収した吸収材を見せてくれた。

弾力があり、とても硬い物質だった。今まで見たことがないほど美しいものに見えた。







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シリコンバレーでの起業の仕方(2):アイディア編

スタンフォードビジネススクールの寮、エスコンディド・ビレッジは、築30年を超える。ボロボロの建物とは対照的に、寮の駐輪場は、紅葉で真っ赤になった木々に囲まれ、美しかった。



自転車に乗りながら、いつものようにラオウに電話した。

「シエラ・ベンチャーズの創業パートナーのピーター・ウェンデル教授のベンチャーキャピタルについての授業をとることになったんだ。ビジネスプランを書かなくちゃいけないんだけど、何か良いアイディア、ないかな?」

ラオウが「自重の数千倍の水を吸収する材料ってどうかな。僕の知り合いの父親が発明したんだけど。」と言った瞬間、光を見た気がした。

「ラオウ、その材料を使ったら、不毛な土地を農地に出来ないかな。土地の地価は、その土地が将来あげるキャッシュフローによって決まる。砂漠とか、タダみたいな値段の不毛な土地を、農地に変えられれば、その土地の地価はあがるはずだ。不毛な土地をどんどん買って、材料をつかって、価格をあげて、売り払えば、どうかな。」

ラオウは、一も二もなく、賛成してくれた。自分の故郷のインドも救える、と喜んでくれた。



世界中の砂漠を緑にして、貧困問題とエネルギー問題と水問題をいっぺんに解決出来る、と思った。

「ラオウ、発明家にあわせてくれ。説得しよう。」

と頼む。

2013年1月21日月曜日

シリコンバレーでの起業の仕方(1):創業者編

「あなたを訴えます」という内容の紙を目の前に、私は、唖然としていた。

スタンフォード大学の目の前を走るエル・カミーノリアル。その一角に位置するスターバックスは、学生達のたまり場だ。そして、「あなたを訴えます」という、その紙は、コーヒーを片手に、スタンフォード博士過程に在学中の天才、ジェーン(仮名)から私に手渡された。

忘れもしない2009年9月。夏季休暇をドイツ・中国で過ごした直後に、呼びつけられたのである。

「請求の件、考えておいて。私のバックには弁護士が3人いるから。私抜きで起業するなんて許せないわ。」

ウェーブのかかった金髪をなびかせ、ジェーンは、スターバックスを去っていた。

(エルカミノにあるスターバックス)

何でこんなことになったんだ・・・こんなはずじゃなかった。アメリカで訴えられるのか。ビジネススクールのケースに、こんなシーンはなかった・・・どうすれば良いのだろう。
動揺を隠せない。穴があったら入りたい気持ちだった。

***(1年半さかのぼる)***

2008年に私が留学した直後は、シリコンバレーは、クリーンテクノロジーのバブル期で、スタンフォード構内では、チャンスを求め、怪しい風貌の人達がウロウロしていた。「クリーンテック・アントレプレナーシップ」は、ビジネススクール卒業生、アントレさん(仮名)が教える科目で、クラスの99%が、スタンフォード大学とは全く関係ない、浮浪者のような身なりの人が聴講している、という、とんでもないクラスだった。

(クリーンテック・アントレプレナーシップをとった場所の近く)

私とベルラボ出身のインド人の科学者、ラオウ氏(仮名)は、このクラスで出会った。私と彼は、妙に馬があった。私は、技術者の友達が欲しかった。彼は、お金を集められる友達が欲しかった。

それ以来、毎週、一緒にビールを飲んで過ごした。彼と一緒にビールを飲んでいると、次々と起業のアイディアが思い浮かんだ。一晩で20個はアイディアがうまれる。ステルス戦闘機を探知するセンサーを使ってビルの中の見取り図をつくるアイディア、放射線の探知機をアイフォンにくっつけるアイディア(地震の前)、熱を超高効率で電気に変えるガラスをつくるアイディアなどなど。

ラオウの話すことは、いつも、どこまで本当なのか分からない。馬鹿と天才は紙一重という言葉があるが、嘘とイノベーションは紙一重なのかと感じたこともある。正確さと精密さを良しとする弁護士業界から来た私にとっては、新鮮な空気だった。




2013年1月20日日曜日

スタンフォードMBAお茶会2

お茶会は、昨日好評だったので、本日(1月20日)も開催することにしました:

・2013年1月20日午後5時から午後7時(終了時刻)
・東京駅近辺(人数により場所を選択します)
・途中参加可
・(もちろん)無料
・内容:お茶を飲んでスタンフォードMBAの出願戦略や様子を喋るだけですが、昨日参加された方からは、エッセイの悩みが解消された・もうエッセイが書ける気がした、旨のフィードバックを頂きました

ご興味がある方は、例によって、下記にメールを頂ければ幸いです。
stanfordmba.guide@gmail.com




2013年1月19日土曜日

スタンフォードMBAの説明

急ですが、本日(1月19日)、東京駅近辺で、スタンフォードMBAに関する説明会(お茶を飲む会)を開催しております。3時から6時まで(予定)で途中参加可能です。下記にメールを頂ければ、場所を御連絡します。
stanfordmba.guide@gmail.com




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2013年1月12日土曜日

裏技1

スタンフォードMBAに合格するための受験テクニックとして、秘密ではないのでしょうが、いくつか
公には余り知られていない裏技があります。

そのなかには、現役の学生が知らないものもあります。

そのうちの一つが、いわゆる「第4のレコメンデーションレター」の存在です。

「第4のレコメンデーションレター」とは、何でしょうか。

これは現役の学生から出す必要があり、出し方がある程度一般化されているようです。

クラスメートによれば、具体的には、出願者のカルチャー・パーソナリティへのフィットのみを記載して、ボルトン氏に現役の学生から送り、アドミッションオフィスを写しに入れ、出願直後「まで」に送るのが一般的であるとされているようです。

出したという日本人は一人しか聞いたことがありませんから、余程仲の良い現役の学生が知り合いにいる、という状況でない限り、気にしなくて良いと思います。

このような知り合いがいる場合には、その方を通じて、制度がまだ存在するかをチェックされると良いのではないでしょうか。



2012年12月29日土曜日

隅っこを見ることによる将来の予測

「『正しいアイディアで会社をスタートするべきだ』と考える起業家が多い。大きな間違いだ。正しいアイディアであり、かつ、皆が失敗すると考えているアイディアでスタートしなければ失敗する。皆が正しいと思ったときでは遅すぎるから。」(アンディ・ラクレフ)

グーグルへの投資などでシリコンバレーの歴史を作ってきたセコイア・キャピタル。その元パートナーのマーク・スティーブンスの個人資産は、フォーブズによれば、1000億円を超えるといわれます。

スタンフォードビジネススクールでは、彼と何度かランチをする機会があり、フェイスブックの創業者のマーク・ザッカバーグがセコイア・キャピタルにパジャマを着てプレゼンテーションに来たときの話をしてくれたり、私の創業した会社のアドバイスをしてくれたり、という感じだったのですが、ある日のこと、

「起業家に必要な能力の一つに将来を読むことがある。そのためには、隅っこを見る能力(ability to see corners)が必要である。」

と話してくれました。

彼の言葉の前半は簡単です。
将来を予測することで、競争相手に対して、先手をうつことが可能となり、例えば、ビジネススクール用語でいうfirst mover's advantageが得られます。

しかし、後半はどういうことなのでしょうか。
「隅っこを見ることで、将来を予測する」とは、どういうことなのでしょうか。

これについて、今回は、ベルリンの壁崩壊(!)を例にあげて考えたいと思います。

日本に出張中、とある日本の知識人に、「ベルリンの壁の崩壊って予想できた」と聞いてみたところ、「出来なかった」という返事が返ってきました。

しかし、同じことを、ドイツの東側にあるハンガリー(ドイツとの関係で「corner/隅」のような存在)の知識人に聞いたら、人によっては、「予想できた」という答えが返ってくると思います。


ハンガリーは、東側諸国で、中立国であるオーストリアに面しています。1989年、ブッシュ大統領は、ゴルバチョフが、ソ連を維持するために軍事力を使わないという情報を耳にして、「テストしてみよう」と思い、ハンガリーに対して工作をしかけ、ハンガリーとオーストリアの国境の有刺鉄線を除去させます。その後、ブッシュの工作は続き、ハンガリー政府は、東ドイツの人が、西側に移動するのを色々と助けるようになります(こちらに詳細)。この一連の動きが、ベルリンの壁崩壊につながったといわれています(こちら)。

ハンガリーという隅(コーナー)に着目した人は、ベルリンの壁の崩壊を予想できたかもしれません。

将来は、予測出来ないものではなく、予測が当たるか当たらないか、確率の問題となると言えると思います。

したがって、「将来は予測出来ない」と割り切ってしまうのも問題ですし、逆に、「自分の予測は絶対に当たる」と傲慢になるのも問題なのですが、実は、両者とも、リスクをとらない人の立場なのです。前者は、予測出来ないから、と思って、行動をしない人。後者は、予測出来るから、絶対に当たると思って、行動する人。リスクをとらない人の効用曲線は、以下のようになり、直線でありませんから、自分のリターンを最適化することが出来ないと考えられます。




情報化時代では、能力のある人の間では、情報の格差が減っていくと考えられますから、同じ能力のある人の間で、差をつけようと思った場合、もう一歩踏み込んだ戦略が必要となると考えられます。

リスクをとっていることを認識して、「賭けに出て、賭けに勝つ」ことで、自分自身の効用曲線を変更し、直線に近づけることができ、同じくらい優秀な人に対して、リターンの期待値をあげることが可能になると思います。

もっとも、これに対して、通常の人以上の情報があっても、利用できない人も残念ながら、存在します。例えば、2001年8月6日、9月11日よりも前に、CIAは、飛行機を利用した攻撃を予想していました(以下資料)。この情報は大統領に届けられましたが、結果は、ご存知のとおり、非常に残念なものでした。


2012年12月10日月曜日

もうすぐ出願の時期

出願の時期が迫ってきました。私はこの頃からスタンフォードMBAのエッセイを書き始め、ちょうどクリスマスに出来上がったのを覚えています。

そんなわけで、本日の夕方から深夜までかけて、たまりにたまっていたガイドブックの依頼に対して、すべて返信しました。最近書き終えた3冊目の「なぜスタンフォードMBAか」では、世界を変えるポテンシャルがある学生を取りたいという学校側の無茶な要望に対して、どのようにアピールすべきかということを書き、要望があった方々に送信を終えました。1冊目、2冊目とあわせて、送信漏れがないか心配ですので、まだ返事がなかったという方は、stanfordmba.guide@gmail.comまでご連絡を。



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2012年11月25日日曜日

ここが変だよ日本人:大学生の就職

シリコンバレーの著名人と話しをしていて、「なぜ、日本の大学生の就職活動は、新卒と中途採用でわかれていて、大学を卒業すると社会人経験がなくても中途採用扱いになってハードルが高くなるのだ?なんでもかんでもマニュアルを当てはめるのはけしからん」と著名人に言われ、なるほどと思った。論理的に考えるとおかしいですよね。



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2012年11月12日月曜日

エッセイ例:何があなたにとって一番大切ですか

受験生は、そろそろ、掲題のエッセイについて、考えはじめる時期です。日本人は、掲題の課題を与えられると、仕事の話を書きたくなってしまったりして、ふつうは、何を書いて良いか分かりません。そこで以下に例です。

なお、このエッセイの登場人物は、私では、ありません。また、実際の合格者のエッセイでもありません。さらに、文字数を気にしていないため、内容が冗長であるため、コピーすると、受かりませんから、内容やクオリティを考えるときの参考程度にして下さい。



"Only a life lived for others is a life worthwhile" (Albert Einstein)
(他の人のための人生のみが、意義のある人生である)(アルバート・アインシュタイン)

二死満塁。リトル・リーグ決勝戦。僕がヒットを打てば逆転。 打たなければ負けてしまう。

ピッチャーの黒い影が大きく、熊のように見えた。振りかぶった。次の瞬間、ボールは、キャッチャーのミットに入っていた。「ストライク・ワン」審判の声が響いた。

まずい、何も見えなかった。次は、振ろう。ピッチャーが再び振りかぶった。振り遅れた。「ストライク・ツー!」

観客を見て、ハッと気づいた。スタジアムには、親戚や友達の親戚300人が、応援していた。僕のせいで負けたら、一生、友達の親戚は、覚えているだろうな。そうしたら、一生の恥だ。

僕は、いったん打席を外し、精神を集中させた。観客の親の顔を見た。コーチからは、「とにかく練習どおりに振るんだ」という指令が出た。

練習どおりに振ろう。今度は、僕は、ピッチャーが振りかぶったときから、モーションをスタートして、バットを思いっ切り振った。

ボールは・・・ミットの中だった。

「ストライク・バッターアウト。」

向こうのチームは勝って、胴上げだ。胴上げを終えて、相手のチームのピッチャーがこっちに歩いてきた。

「お前のせいで負けたな」

僕の目から涙が溢れてきた。皆にあわせる顔がない。

ロッカールームで着替えていると、

「試合は、まだ終了していないぞ」

と声がした。

どういうことだろう。すると、また、「試合は終了していないぞ」という声がした。

みると、マウンドに、お父さんがいた。友達の親戚一同が、守備の配置についていた。

お父さんが、「バッターボックスに立つんだ」というので、バッターボックスに立った。お父さんが振りかぶり、僕は、バットを振った。「ストライク!」

お父さんは、僕のバットに当たるまで、何度も、何度も、何度も、球を投げ続けた。ついに、

「キーン!」

という音がして、バットがボールにあたった。三塁を守る叔父さんは、エラー。「走るんだ」とお父さんから声がした。僕は必死で走り、一塁をまわった。

叔父さんが球をとり、二塁に投げたが、エラー。三塁もエラー。「みんな僕のためにエラーをしてくれているんだ」と分かった僕は、そのままホームプレートに走った。

ホームプレートを踏むと、お父さんが待っていた。僕の顔は、笑顔で一杯だった。

見ると、今度は、お父さんの顔から涙が出ていた。なんでだろう。さっきは、僕が泣いていたのに、今度は僕が笑っていて、お父さんが泣いている。

「何も心配することはないんだよ。」と言って、僕のことを抱きしめてくれた。


(続く・・・のかな?コメント欄や拍手欄などで、要望があれば、続きを書いて、エッセイを完結させます)


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2012年10月29日月曜日

アメリカの選挙

選挙がついに来週と迫った。

オバマは批判されることも多いが、彼が成し遂げた功績も忘れてはいけないと思う。

2008年のリーマンショックの後、世界大恐慌になるのではないか、オバマはそれを防げるのか、と注目を集めていた。防いだ、といえるだろう。

日本では、何事につけ、欠点やareas of improvementに議論が集中しがちだが、例えば、スタンフォードビジネススクールでは、良かった点や長所に目を向けることも非常に重視される。

オバマの良かった点について、非常にうまくまとめた記事がこちらから読める。


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2012年10月26日金曜日

Toefl iBT Speaking合格法 上級編(発音を良くする方法)

過去の投稿で人気のあった投稿を調べてみると、意外と、トフルのスピーキング対策について記載した回の人気が高いことが判明しました。

その記事は、ここから、読めます。

基本やテクニックについては、これを読んでいただくとして、今回は、それをクリアし、超えてしまった、上級者向けということで、テストを超えて、本当の意味で、発音をよくする対策を記載します。

(1)英語のイントネーションを真似する

ブレットの出てくるこちらのニュースを頻繁に聞いて、イントネーションを真似る。ブレットの後から繰り返して発音するとイントネーションのくせが真似できます。

(2)以下にある英語の単語や文章を、毎日時間をみつけて読む。

少しずつマスターするので構わないので、それぞれの文について、単語の発音を、こちらで聞いて、正しく発音するようにする(発音をいいかげんにしたままで何度も練習してしまわないようにする)。

rの発音は、natureを正しく発音して、rの舌の位置を覚え、それと同じように発音する。舌は後ろの方にある。(なお、wの口の形をせよ、という日本の教科書に書いてあることをすると、舌が前に出てしまうので、正しく発音できないことに注意)


さらに発音の仕方を知りたい方は、リンク先(クリックすると飛びます)のビデオを見てほしい。締まりのないビデオではあり、時間がない人にはとろく感じると思うが、しかし、Rの場合には、おなかを使うことや、口の形が、(Wとは逆で)後ろに行く感じであることが、説明されており、これらの説明は正しいと思われる。ただし、同じプレゼンターのthのビデオはミスリーディングなので、ネットで見つけた場合には注意されたい。

また、練習用のビデオとしては、以下が素晴らしい。




以下のリストが私が使っているリストである。

roadway, rocking, rookie, rotten, routine, ruffle, runway, wrestle, robin, rocky, roommate, rotate, royal, rugby, rusty, wriggle, robot, rodent, rounded, rubble, ruin, wrangle, wrinkle, rocket, rolling, rosebud, rowboat, ruby, running, wrapping, writing

bear, care, clear, door, fire, gear, her, more, pair, scare, sir, steer, their, wear, your

career, horror, radar, rater, raindeer, restore, rider, roaster, rooster, rubber, runner, wrangler, clearer, mirror, rafter, rattler, renter, restroom, ringer, robber, root beer, rudder, rural, wrapper, dearer, nearer, railroad, razor, repair, retire, riper, rocker, rover, ruler, tartar, wrestler, error, racer, rancher, refer, rerun, rewrite, river, roller, rower, rumor, terror, writer

around,  arrow, berry, burrow, carriage, cherish, coral, dairy, erase, firing, forest, glory, iris, mirage,parade, scurry, siren, squirrel, torist, zero, arrange, baron, boring, bury, cherry, correct, daring, every, flooring, furry, hayride, jury, morale, parent, series, sorry, stories, very

bar, car, chore, dear, far, fur, hear, mare, our, pure, shore, sour, star, tear, war, year

air, blare, cheer, core, ear, floor, glare, hour, near, pier, score, smear, square, stir, tire, wire, are, bore, choir, dare, fair, four, hair, jar, or, poor, share, soar, stair, sure, tore, wore

airy, arrest, barrel, borrow, caring, carry, chorus, courage, direct, fairy, florist, garage, hearing, marine, parrot, sharing sparrow, syrup, weary, arise, arrive, beret, buried, carols, cherry, clearing, current, during, fearing, flurry, giraffe, hurry, married, orange, sheriff, spirit, terrace, worried


lについては、舌が、右側と左側の歯(それぞれ前歯から3番目か4番目くらいの歯)にくっつくが、一番前の歯にはくっつくかない(歯よりもかなり後ろの部分の口の中にくっつく)。smileのlを正しく発音して、その舌の位置を覚えれば、後は同じ。



playをpwayと発音してしまうケースが多いので注意。

Alarm, allow, ballet, belong, brilliant, cellar, collage, daily, delight, driller, eyelid, filling, gallon, healer, hollow, jelly, nylon, polish, sailing, solo, alike, alone, balloon, bully, cello, collapse, color, daylight, deluxe, drooling, falling, follow, gallop, hello, howler, jolly, olive, railing, salad, stoller, alive, along, believe, boiler, caller, chili, collar, column, dealer, dailing, elect, feeling, foolish, goalie, highlyk, island, mailing, palace, really, silence, swallow, alley, balance, belly, bowler, ceiling, cola, collect, cooler, delete, dollar, eyelash, fellow, fully, halo, hilly, jealous, mellow, pillow, relax, skyline, tulip



thは、前歯につけるのは有名。しかし、前歯についていても、正しく発音できていない場合が多い。sと同じようなスースーした発音になっている人は間違え。ふたをしたような音になる。以下のビデオを見ると分かる。





think, thank, with

thief, thanks, thing, thump, thimble, thermometer, thirst, thicken, thirsty, thoughtful, thieves, thatch, thorn, thanksgiving, thistle, thermostat, thin, thud, thinking, thankful, thoughtless, thinker, theme, thought, thermos, thunder, theater, thaw, threaten, thirteen, thankless,  third, thigh, thumb, thighbone, theory, thumbtack, think, thick, thirsty, thorough, thermal

nの発音。舌を前に出して、前歯の結構後ろの方につくのだが、前歯についてはいけない。前歯について正しく発音できていない人が多い。

nice, narrow, never, neat, nap, nasty, no, not, needle, nip, nashville, natalie, nail, knee, nate, nickel, niece, nab, knock, knot, nag, naked, name, napkin, narcissus, narcotic, narrate, narrow, nasal, nose

ngの発音にも注意する必要がある。舌を口の奥のほうにつける。

singing, laughing, keeping, smiling, swimming, going, loving, allocating, accomodating, housing, cooking, eating, telling

母音の発音。実は母音の方が難しい。

まずはリスト。
ah (politics, pond), hu (punch), i (little, pin), a, e (hem), eh, i, o (pause. 口をすぼめる), oo (food, book), aw (awful), ow (ouch)

簡単なところからスタートすると、foodのooは以下のようになる。




uの発音は、oでも使用することがあるので注意する。punchを正しく発音して覚える。おなかにパンチして音を出す、というか、おなかから出る音であることに注意する。この最も重要な点に関する説明がないものの、一応、以下のビデオで発音の仕方が説明されている。





cap, catの撥音は以下を見てほしい。私はこれを見て大変勉強になった。



最も難しい、iの発音は、little、insideを正しく発音して覚える。little, insideを発音するときの、あごの位置を覚える。little, insects, killer, pillowの順に難しい。ビデオはこちら。





oは、色々な発音があるので難しい。


ow, awで、アウと発音する場合は、最後に口をすぼめる。

すぼめない場合は以下。

pin, pen, pan

ice, fight

pose, coat (口をすぼめる)

couscous (food)

I dropped a pin and pen in my pan

Californian girl

police officer

war, snoar, door

arrest, barrel, borrow, garage

conflict, product, probable (オウではなく、アに近い発音)

I'm flying high.

If you think the colors are ugly, then don't bother buying the colanders.

Politics can often get ugly, but good politicians are our best representatives.

Insects are highly attracted to attracted to the bug killer in the backyard.

Clowns make little people smile and laugh with their antics.

Peaches, pears, pickles, bread, butter, and onions are in the cabinet to your left.

Bill put every pill in the right slot before hopping up from his chair.

Mabel actually loves skiing and goes to the slopes every minute she has available.

Under the bed you will find the the ink, the pillows, and the other things Fay left there.

Pinch the pink package to see if you can guess what is inside.

Place the power tools in the cart next to the electrical outlet.

The clock went ping, pang, pung when the pin broke.

Put each apple on the oven shelf to dry out.

Each inch you crawl gets you closer to the edge of the cliff.

People place umbrellas in the basket near the wall.

Oscar uttered a long, slow breath after the evil monster shut his huge jaws.

Some cycles in business happen close together.

The Mayflower sailed the ocean blue in the year 1492.

Tell Brenda she should run fast to find her mother.

Think about what you need to pay thank you to God for.

I put the been in the bin.

The jobs are entrepreneurial.

I'm looking at entrepreneurial jobs.

That job is my third choice. (thirdのdの後にsを発音しないように注意)

I'm going to work with the Japanese. (workは、wの後に、そのまま口をひっこめて、Rのときに下が後ろに来るようにする)

It is alright to play your games.

patch, batch, match, chapel, challenge, chatter

Charles (CharとLesを完全に分けて練習しないと、舌が後ろから前に移動するので、難しい)

働くことの意義

以前のブログで、ジョン・ガードナーの自己革新という本を紹介した。

その中で、何度も繰り返し述べられていることがある。「お金で人は幸せにならない。生きていることに意義(meaning)を見出すことで、幸せになるのである。人生が、目的をもって進んでいくようにしたいものである。」

というものである。スタンフォードビジネススクールで、何度も習うテーマである。

東のとある学校では、「西海岸の某ビジネススクールの卒業生は頭が悪い。スタートアップで働く代わりに、投資銀行やコンサルに就職して、大企業やプライベートエクイティに就職すれば、将来のキャッシュフローがよくなる。簡単なファイナンスの計算じゃないか」と言われるという噂が西海岸である(真偽は不明)。

私が、今の仕事をしているのも、福島と日本を綺麗にすることに意義を感じるからである。

こちらの記事を読んで欲しい。"More than 40 percent of fish in the region contained levels greater than the new safe-consumption limit of 100 units per kg. Two greenling fish collected this August contained a surprisingly high level of 25,000 units."(要約:40%の地域の魚では、1キロ当たり100ベクレルの安全基準を超えていた。二つの魚では、今年の8月に1キロ当たり25000ベクレルだった。)。ここにも同じような記事がある(ニューヨークタイムズ)。

魚との因果関係が疑われるのが、こちらの環境省の資料のデータ。このうち一番衝撃的なのが下記のグラフ(食品の安全基準は、1キロあたり100ベクレル)。



例えば、河川の底を綺麗にする技術は存在する。社会・国としての決断力・実行能力が必要で、そのために頑張りたいと思うのである。

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2012年10月25日木曜日

クリーンテックを殺した真犯人は誰か?

先日、友人から、

「アメリカで、石油がたくさん見つかったって本当なの?ネットには色々と、情報があるけど、本当なの」

と質問された。

本当である。

日本ではあまり報道されていないが、アメリカではついにニュースに出た。

昨日のニュースがこちら。
(サウジアラビアよりもアメリカからの石油の供給量が多くなると書いてある)

随分昔から、ガスの方は有名である。アメリカのガスの値段は、シェールガス革命で、どんどん下がり、今では、日本の9分の1の値段である。

例えば、最近では、こちらのニュース。

シリコンバレーのベンチャーキャピタルが、クリーンテックへの投資を激減させたのは、こちらのシェールガス革命の方のためである。

これはなぜかというと、アメリカで流行りのクリーンテックは、実は、ソーラーのような分野よりも、需要がピークに達したときに、ピーク需要を補填するバックアップのようなものとか、電力需要の分散値を抑えこむような製品だからである。昔から、ピーク需要の補填には、天然ガスが使われてきたので、上記のような製品は、天然ガスと戦って、コスト安にならないとならず、シェールガス革命のため、これは困難である。

ということで、クリーンテックはアメリカでは下火になり、アジアの送電線のない場所とか、コモディティやモノづくりや補助金政策の得意な中国とか、電気の足りない日本で、今後生きていくことになるだろう。中国人の友達は、ソーラーの値段を80セントから30セントに下げる会社を起業した。アメリカから唯一何か出て来るとすれば、イノベーションだろう。

アメリカでクリーンテックが下火になった。これは、こちらのような記事を読むと、恐ろしいことである。温暖化の上昇が誘発して、メタンが大気に放出され、さらなる温暖化になると書いてある。同じような話として、温暖化のために、極の氷がとけて、更なる温暖化を誘発し、このサイクルが続くという話も聞いたことがある。

マイケルクライトンのジュラシックパークの数学者イアンマルカムが、映画で、カオス理論のバタフライ効果を説明するシーンが出てくる。これは、ブラジルの蝶の羽ばたきのような小さなことが、テキサスのトルネードのような大きなことを引き起こす可能性があるということだ。温暖化で気候が上昇した後、幾何級数的に、事象を誘発し、更なる上昇を引き起こす場合も含むのだろう。

昔、アンディグローブの電気自動車の授業をとったとき、「電気自動車にすることの合衆国にとっての意義は何か?」と質問する彼に対して、温暖化防止と回答した学生は、ノーと言われた。「エネルギー保障だ」(戦争など有事のときに自前でエネルギーをまかなえる)というのがグローブの回答だった。アメリカ政府は、温暖化のことなど、気にしていないというのである。

さて、アメリカでどれだけ石油が見つかっているかは、例えば、以下のデータを見れば、明らかである。

詳細資料
一例としてコロラドとかユタとかの量1.53兆バレルと1.32兆バレルと書いてある

Wikipediaでは、サウジの埋蔵量が、2700億バレルだと書いてある。

2州だけで10倍だ。グローブの言う、エネルギー保障の問題はクリアされるだろう。

さて、石油の発見が引き起こし、マーケットに巻き起こす変化を考えた場合、口があいて塞がらないだろう。例えば、地元の人達には、mineral rightsがあるので、今まで貧乏だった田舎の町に、サウジの王族に匹敵するカネが転がる可能性もあるのではないだろうか(正確に予想するにはmineral rightsでいくらカネがもらえるかをリサーチする必要があり)。オバマが製造業に力を入れたいといっている理由も、エネルギーコストが下がると思っているからなのだろう。

日本に出張に帰って、感じるのは、このような情報(石油の発見とか、いつ、どこで掘られているかとか)が、あまり日本に流れていない気がする。

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2012年10月16日火曜日

同級生のスタートアップ

今週末もシリコンバレーに戻りました。

同級生のうちに泊めてもらったのですが、その同級生のつくったスタートアップがこちら

http://www.modewalk.com/

パリに行かずして、パリに行っている雰囲気で、一流のデザイナーがデザインしたファッションのショッピングを楽しもう、というアイディアで設立されました。

従来の多くのファッションサイトと違った多くの工夫がこらされています。

サイトを楽しんで頂くと、すぐに分かると思いますが、値段の高いマーケットにしぼって高級品を売っています。

ネットで、高級ファッション品を買うかどうかというのは、今までの常識を無視している点になるのではないでしょうか。ある程度のマーケットを占有するまで、仮説は検証されないとは思いますが、先月は、かなりの売上げがあったようです。

こういうアントレプレナーと話していて、いつも感じるのは、ルールがない世界で働いているということです。

成功のルールにのっとってビジネスをする人に対して、常に自分で考えて行動する人達。

最高の溶接師を雇うのに、インタビューやレピュテーションでテストするのではなく、ステントの溶接の課題を与えて、溶接のクオリティを判断した友達。

「セキュリティカメラが付いているから」という理由で、エアポートバスの駐車場を、倉庫として借りている友達。

結果ではなく、プロセス重視であれば、最初の例では、ネットと知り合いのつてで候補を探して、インタビューや口コミで実力を判断する、というプロセスになったと思いますので、「最高の溶接師」は雇えなかったでしょう。二つ目の例では、プロセス重視の人であれば、倉庫の候補をネットと口コミで調べて、最も安い倉庫を借りたと思いますので、やはり、その品物に応じた、最高の保管場所は見つからなかったでしょう。いずれの例でも、コスト面でも、安く抑えられている点も注目に値します。

プロセスにとらわれず、最高のパートナーを発見し、最高のもの(もちろんコストをかけない範囲で)を手に入れる。これを、スタンフォードビジネススクールでは、

「過程(プロセス)よりも結果を重視せよ。どのような方法を用いてもかまわないので、Get the things doneだ」

と教わります。

このあたり、日本とはだいぶ違うような気がします。

なぜスタンフォードビジネススクールか

新しいガイドブック「なぜスタンフォードビジネススクールか」を作成しました。

「何が人生で一番大事か」
「リーダーシップのエッセイ」

に続く、三番目のガイドブックになります。スタンフォードビジネススクールは、他の学校と異なる視点から、「なぜビジネススクールか」のエッセイを書くことを要求してきますので、この点にフォーカスした、上級者向けのガイドブックになります。

今までと同じように、欲しいという方は、stanfordmba.guide@gmail.comまでメールを頂ければ幸いです。


2012年10月7日日曜日

スタンフォードMBAに合格するための本

スタンフォードMBAに合格するためのガイドブックを配信しし始めて依頼、毎年、100人以上の方が、利用して下さっており、毎年、必ず、「ガイドブックを読んで受かりました」というメールを頂くようになりました。

さて、私の書くガイドブックは、いわゆるMBAコンサルタントの指導を超えることを目指して書かれたものですが、さらに一歩先を行かれたい方には、ジョン・ガードナーが書いた以下の本を読むことをお勧めします。


自己革新 [新訳]――成長しつづけるための考え方


私が、スタンフォードビジネススクールを受験する前に、Jacqueline Novogratzが、Stanford Business Magazineに寄稿した記事を読む機会がありました。彼女は、有名なAcumen Fundの創業者です。

ビジネススクールでは、受験生に、Why MBA?というエッセイ課題が課せられ、「今までのキャリアの中で、なぜ今、MBAが欲しいのですか。どう将来のキャリアに活かしますか」というテーマでエッセイを書く課題が与えられます。当時私は、予備校のインターフェースのデバリエから指導を受けて、ウォートンやコロンビアの出願を終え(ウォートンはインタビューに呼ばれました)、それなりのエッセイが書けているつもりでした。

Jacqueline Novogratzの論文は、自分が、それまで、銀行で途上国の融資を担当し、途上国のニーズと、ファイナンスのプラクティスの間に大きなギャップがあり、そのギャップの克服を目指して、スタンフォードビジネススクールに入学し、卒業した後、どのような活動をAcumen Fundでしてきたかということが書いてあり、自分の書いたエッセイと彼女の論文との間に大きな差を感じ、「これが本物と付け焼刃の違いか」と愕然としたのを覚えています。




ジョン・ガードナーは、今は亡きスタンフォードビジネススクールの伝説の教授。Jacqueline Novogratzが、スタンフォードビジネススクールのときのメンターで、彼女の人生を変えました。ジャックリンが、キャリアについて相談しにいったとき、「その仕事は、あなたの人生を、あなたにとって、より興味深いものにしますか。また、あなたを、他の人から見て、興味深いものにしますか」という疑問を投げかけ、彼女がキャリア変更をしたという逸話は、有名です。

そのジョン・ガードナー教授が、「あなたが世界にした貢献は何ですか」と聞かれたとき、その回答は、「自己革新(Personal Renewal)の本を書いたことです」と回答した本です。

本日、スタンフォードビジネススクールの元ディーンのボブ・ジョスが、司会で、ジョン・ガードナーのことを語るパネルディスカッションが開かれましたが、パネリストの一人は、「私は、この本を一ヶ月に一回読み返している」と書いていました。

その内容には、個人だけでなく、社会にも常にrenewalが必要である、ということが書かれています。

ガードナーが、今の日本を見たら、何と言うでしょうか。

戦争

以前のブログで、フェースブックの上場前に、フェースブックの株価が落ちると書いたところ、フェースブックの株価が歴史的に下落しました。

これに対して、「本当に未来が分かるなら、なぜ株式投資をしないのか」と結構、猜疑的な反応を頂きました。

アップルの日本代表の方が書いた本でも、「将来は予測できない」というようなことが書いてあります。

しかし、リスクをとることの一つには、将来の予想も入っているのではないかと思います。

100%の確率で将来が分かるのなら、苦労しませんが、外れる可能性があっても、ある程度の確度で未来を将来を予言し、リスクをとることで、先の一手が打てるのだと思います。

そこで、次の予想ですが、アメリカが中東に戦争をしかけると思います。

125機のアメリカの最新の戦闘機のうち、25機が、中東に飛んでいきました。

CIAの局員2人の殺害、彼らが亡くなる直前に送信したアメリカ軍基地の位置がモニタリングされているという情報に、ホワイトハウスは怒りくるっています。

大統領にとっては、次の大統領に選ばれやすくもなります。

別の話題ですが、アメリカがエネルギー業界で、次の覇権をとることは疑いなくなりました。シェールガスのことではないです。今、アメリカのとある地方ではすごいことになっています。サウジアラビアの15倍。3年から5年は、かかるでしょう。

興味がある方は、ホテルの値段を調べてみると分かると思います。

シリコンバレーに、週末に戻ってきています。

2012年9月6日木曜日

オバマとスタンフォードビジネススクール合格法

人気が4年間で下落してきたオバマ大統領。つい先程、ミッシェルオバマが素晴らしいスピーチをしたので、スタンフォードビジネススクールの友達の間では、巻き返しがささやかれている。




オバマ大統領が、大統領になった瞬間、スタンフォード大学では、大歓声と拍手が響き渡り、その音は、寮で必死に勉強している私にはっきりと聞こえる程だった。

オバマが色々と政策を間違ったことは疑いがない。例えば、アメリカは、高いマージンとイノベーションで勝負する国であったのにもかかわらず、ローマージンのビジネスに何兆円も政府のカネを注ぎ込んで、モノづくり復活を目指した。

他方で、全く注目されていないが、彼の時代に、アメリカでは、世界の埋蔵量に匹敵する量の石油(サウジアラビアの埋蔵量の5倍くらい)が見つかったとされる(1兆5000億バレル)。これにより、アメリカのガソリン価格は今後数年以上をかけておそらく3分の1くらいになり、エネルギーの中心が中東から西欧にシフトするという革命が起き、強いアメリカが復活することになると思う。オバマは、その時代の基礎を作ったとして、将来見直しがされるかもしれない。クリーンテクノロジーへの投資に失敗した後、ブラジルの石油とガスに対する対応など、彼のエネルギーの政策を見てみると、上記のような非在来型の石油とガスの時代を予期して行動していることが分かる。

スタンフォード大学で学ぶことは、誰でも失敗する、ということである。失敗したとき、道を見失わないために、自分を探すこと、自分の依存する価値(バリュー)を探すことを習う。そのことを考えながら、ファーストレディーのスピーチを聞いた。オバマは、成功するために魂を売らない、ということを信じさせるスピーチだった。

スタンフォードビジネススクールでは、人生で道を失わないため、生涯幸せに生きていくため、バリューを探すことの第一ステップとして、「何が一番あなたに大切ですか」というエッセイを受験生に課し、これを考え抜いた学生「のみ」を入学させると思う。これを考えるためのガイドブックを以前から配布しており、毎年、「読んで受かりました」というメールが届く。欲しい方は、stanfordmba.guide@gmail.comまでメールを下さい(こちらのメールは忙しくて滅多に見れないのですが、インフォメーションセッションで受験生の方から要望が多かったので、そろそろチェックする予定です)。




2012年6月4日月曜日

近況報告

スタンフォードビジネススクールでは、何が自分にとって一番大切かを徹底的に教育される。入学前には、「何が自分にとって一番大切ですか」という題でエッセイを書かされ、入学後は、履修科目により、人生論や人生の意義について、哲学っぽい論文を大量に読まされる。また、毎週月曜日と水曜日の2回、各生徒が、自発的に、自分の人生について、クラスメートの前でスピーチをする。

私の場合、自分は、自分に与えられたものを活用し、社会の役に立ち、新しい人との出会いといった意味での自分の好奇心を満足させる、色合い豊かな人生を生きたいと思った。シリコンバレーでは、「その人が側にいるだけで、周りの人の人生が暖かく豊かになる」人に出会い、自分もそういう人になりたいと思った。そのためには、自分よりも大きなものにコミットするべきだと思った。

そこで、転職しました。日本のため、福島のために頑張ります!

ウォールストリートジャーナルに載りました↓
http://www.marketwatch.com/story/yohei-iwasaki-joins-kurion-as-its-country-manager-for-japan-2012-06-03

2012年5月31日木曜日

バブルは本当に崩壊するか

前回の記事で、フェースブックの株価が上場後に下がるはずで、これに伴って、すべてのソーシャルネットワーク系のインターネット企業(シリコンバレー)の株価が下がってバブルが崩壊するはずだと述べた。

今のところ、これはあたっているようだ。以下の記事によれば、フェースブックの上場後の株価の下落の仕方は、過去10年間のIPOの歴史で最高だとか。

http://venturebeat.com/2012/05/30/mary-meeker-internet-trends-2012/

もっとも、アメリカでは、インターネット以外は、あまり元気がない。以下のクライナーパーキンスの記事でもその旨述べられている。

KPCB Internet Trends 2012

ところで、クライナーパーキンスといえば、最近、私が昔つとめていた会社の担当パートナー(アジット)が登場するセクハラ問題が発生して訴えられた。 

訴状がこちらから読める↓

KP



日本ではあまり報道されないが、アメリカ、特にシリコンバレーでは、こういう話は良くある。

2012年5月1日火曜日

バブルの終わる日

シリコンバレーは、インターネットバブルだ。

この間、私をヘッドハントしようとしたソーシャルネットワーキング系のシリコンバレーの会社は、シリーズAで21億円を調達し、高額のサラリーと、アジアのヘッドのポジションをオファーしてくれた。



こうしたオファーには慎重であるべきで、私は断った。

一つの理由として、インターネットバブルが、もうすぐ崩壊するということが挙げられる。

フェースブックが、もうすぐ上場する。
5月半ばに8兆円の時価総額とか。

いずれにしても、上場の株価は、グーグルに近くなる見込みだ。

ところが、グーグルの売上げは、フェースブックと比べ物にならないほど高く、グーグルとフェースブックの株価に矛盾がおき、株価の修正が起きるはずだというのがとある専門家の見方だ。

そうすると、グーグルの株価があがるか、フェースブックを含むすべてのソーシャルネットワーキング系の株価が下がるか、二者のうちの一つなのだが、後者になるというのが、とある専門家の見方らしい。

「とある専門家」とは誰?

グーグルの元社長のシュミット氏がこのように発言したという噂が、スタンフォード大学で流れている。



2012年3月18日日曜日

筋肉の国アメリカその2

友達に以下のイベントに参加しようと言われた。生き残れるかな。




2012年1月20日金曜日

勝ち組になるには?!

「『正しいアイディアで会社をスタートするべきだ』と考える起業家が多い。大きな間違いだ。正しいアイディアであり、かつ、皆が失敗すると考えているアイディアでスタートしなければ失敗する。皆が正しいと思ったときでは遅すぎるから。」(アンディ・ラクレフ)



ゲームの起業のアイディアが浮かんだので、「グリーってどうなの?」と日本にいる弟に質問したところ、「学生の間で一番人気の企業だよ!」という返事が返ってきた。グリーは、私が、10年くらい前にスタンフォード大学に夏季留学したときに、留学組日本人の間で話題になっていた。当時は、日記を友達と共有できたりする小さなネットの会社だった。「絶対大きな会社になるわけないよね」と思っていた。それが、今では、「アップルを打ち落とす勢い」と噂されることもあるとか。

ちなみに、私が夏季留学していた10年前の当時、日本ではヤフーの方がグーグルよりも圧倒的に人気があった(グーグルはオタク系の雑誌に登場する程度だった)のだが、当時からスタンフォードの学生の間では、「Y.I.、ヤフーよりもグーグルを使った方が良いよ」と流行っていた。


「グリーみたいなゲームの企業が日本で人気が出ているということは、ゲーム業界は、『もう遅すぎる』のかな?」と思って、スタンフォードMBAを散歩して、現役の学生に意見を聞いてみた。案の定、「ゲームでファンドレイズするのは今は難しいですよ。皆が業界に進出してしまったので、遅すぎる感があります。あと、ジンガとかゲーム企業が期待ほどは儲けなかったのも痛いですね。」とのこと。


農業の分野で起業した私。起業した当時は、クラスメートから、「それって、ノンプロフィット?」と叩かれ、一緒にビジネスプランをつくろうと友達を誘うと、「農家は保守的だから上手くいくわけない」とことごとく断られた。ところが、起業した1年後には、スタンフォードビジネススクールに、「農業クラブ」が誕生した。今日は、「アボカド農家が講演しにくる」ということだったので、「3人聴講していれば良い方かな」と思って教室にいくと、聴衆で教室が満席だった。合格者の中にも、農家の「トマト戦略家だった」といった経歴の持ち主が現れ始めた。起業した当時、農業ビジネスに人気が出るとは思っていなかったので、全くの偶然である。



ところで、市場が大きくなるだろうと思って、現在注目しているのは、太陽電池業界である。スタンフォードMBAの学生の間では、「遅すぎる」・「沈むゆく業界だ」などと叩かれ、現在は人気がない。確かに、中国では、星の数ほどの太陽電池の会社が出来て、皆が太陽電池をつくっている状況なので、太陽電池製造企業そのものを設立するのでは、「遅すぎる」ので、上手くいかないだろう。

ムーアの法則を御存知だろうか。

インテルの創業者のゴードン・ムーアが、半導体がどれだけ将来安くなるかを予言した法則である。

ムーアの法則は、シリコンバレーの基盤の一つを作ったと言っても過言ではないだろう。しかし、「コストがどれだけ安くなるか」という予想自体については、実は、まったく難しいものではない。どの業界でも、「将来コストがどれだけ安くなるか」を予想するための法則は存在し、一般的には「ラーニングカーブ」と呼ばれる。通常、製造量が現在の2倍になったときに、コストが、過去にどれだけ下がってきているかをグラフにして分析しただけのものである。正確なことが多い。

太陽電池の場合のコストカーブは、以下のビデオで紹介されている。講演者のリチャード・スワンソン氏は、スタンフォード大学教授で、サンパワーの創業者。太陽電池業界を作り出してきた伝説の人物であり、「彼の予言のとおり太陽電池のコストが下がってきた」として有名である。是非、ビデオを見て欲しい。

Richard Swanson | Energy Seminar - November 14, 2011 from Cyperus Media.com on Vimeo.




さて、ビデオを見たところで、以下の点を考えてみて欲しい。
1:本当に予言のとおり、コストが下がるか?
2:予言のとおりコストが下がるとして、太陽電池業界は爆発的に伸びるか?
3:太陽電池業界が爆発的に伸びることが、事前に分かっていたとして、どのような会社を起業するか?


私は、1の回答はYESだと思う。ラーニングカーブは、様々な業界に存在し、予測は当たることが多い。2の回答もYESだと思う。計算をすれば、補助金なしで太陽電池が石炭のコストに勝つのは、数年以内という結果を導き出せると思う。エネルギー業界は、数百兆円の市場規模なので、乱暴な言い方をすれば、それへの道が開けることになる。懸念すべきリスク要因は、ヨーロッパの政治リスクとかだろうか。

問題は3である。ヤフーやグーグルが出てきたときには、「インターネットのインフラとして、道案内になるサイトが必要」としてたくさんの検索エンジンサイト企業が戦っていた。このようなアナロジーを使うべきなのか、車とか製造系ビジネスが伸びた時代のアナロジーを使うべきなのか。考え始めたところである。

2012年1月13日金曜日

文化のない筋肉質な国アメリカ

「(ジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』は)1930年前後、自分の利益のためには弱者が死のうと生きようと勝手だという資本のエゴイズムと非人間性を、アメリカ以外ではあらわれにくい筋肉的なタッチで露呈してみせた」(司馬遼太郎『アメリカ素描 (新潮文庫)』)

司馬遼太郎の『アメリカ素描 (新潮文庫)』では、アメリカは、文明色が濃く、文化の色の薄い、筋肉質な人工国家であるとされている。確かに、アメリカンな食事、といって、パッと連想するのは、ハンバーガー。

アメリカンな食事: ハンバーガー(!)
日本の食事:   懐石料理や寿司
イタリアンな食事: パスタ
フランス料理:   フォアグラとか
ドイツ人の食事:  ビールとかポテト料理とか

そんなアメリカだが、実は、「筋肉誇示」という特殊な文化を持っていると思う。アメリカが「ハリウッド体型」という文化を輸出したことで、世界中で、人間の美しさに対する価値観が変わったらしい。例えば、平安時代、女性は、ふっくらとして、下膨れの顔が良しとされたらしく、日本人が、ハリウッド映画のようなスタイルになりたいという欲求が生まれたのは最近のことらしい。

本を読んで、「なるほど」と思った。そんなとき、「会社の経営者としてプレゼンするときに、体が小さくて、若く見えると不利だから、これからは電話でプレゼンした方が良い」と酷いことを言われた。私は177センチで痩せ型なので、アメリカでは大きい部類には入らない。アメリカでは、背が高く、筋骨隆々の白人が出世する。逆に、日本人は差別される傾向がある。

そこで、「ジムに行きたいんだけど」と、健康増進系のスタートアップを経営する元クラスメートに相談したところ、「最近、フットボール選手やSWATの人とかが通っていて、とても伸びているらしいるジムがあるらしいよ。一緒に行こう。」と誘われた。

そして行き始めたのが、下のジムである。




警察官やフットボール選手が行っていると脅かされ、びくびくしながらジムに入ると、意外と生徒には、ぽっちゃり系の人達がいた。

実は、このジム、妊婦でも、海軍将校でも効果があるというのが売りらしい。同じクラスに属する生徒は、同じメニューをこなすことを要求される。つまり、妊婦の女性も、ジム通い数十年のエキスパートも、同じメニューをこなすのだ。

通いはじめて3ヶ月になるが、効果を実感している。アメリカは得意分野のレベルは高い。。。



水のビジネスプランコンペティション

水のビジネスプランコンペティションで決勝戦に進んだときの様子が公開されました。

写真はこちら(右が私)↓

http://hosted.verticalresponse.com/659266/10a5e3bbb9/287505633/b6cfff7736/ より)

ビデオはこちら↓

Water Entrepreneurs Showcase - 2011 from Imagine H2O on Vimeo.

2011年12月2日金曜日

Stanford MBA合格法:エッセイ(何が人生で一番大切なのか)

受験生の皆さんは、追い上げの季節です。

私のところにも、「エッセイの書き方のガイドブックが欲しい」というメールが毎日届いています(エッセイの書き方のガイドブックは、「何があなたにとって一番大切ですか」というエッセイ用と「リーダーシップのエッセイ」対策用の二種類があります。ガイドブックが欲しいという方は、stanfordmba.guide@gmail.comまでメールをお送り下さい)。

さて、スタンフォードMBAの受験で最も難しいエッセイは、「何があなたにとって一番重要ですか」というエッセイでしょう。このエッセイについては、(特殊なエッセイなので)MBAコンサルタントであっても、十分な指導ができないこともあります。

そこで、このエッセイを私に見て欲しいという方は、エッセイを添付して、以下までメールをお送り下さい(返信がない場合もあります)。
mba.essay.yi@gmail.com

年末になるほどメールのチェックが少なくなりますので、今年度に受験する方は、早めにメールして下さい。

2011年9月4日日曜日

周りに自分よりも出来る人を・・・




「そんな奴いらないよ。君に必要なのは、もっと下っ端で、良く働く奴だ。」

カリフォルニアのマウンテンビューにある会社の研究室で、私は会社のアドバイザーと電話で話していた。

「彼女は、スマートグリッドの会社の最高執行役員でした。水道会社に対するロビー活動という意味でも、バックグラウンドは、十分にマッチしていると思います。」とアドバイザーの説得にかかった。

***

起業して暫く経つが、そろそろ会社に、きちんとした組織をつくり、経営のプラクティスを導入したいと考えていた。誰か経験のある熟年のプロを雇う必要がある。

そこで発見したのが、元eBayのチーフオペレーティングオフィサー(最高執行役員)だったスザンナだった。




三顧の礼のように毎日電話して会って、遂に説得に成功し、彼女が従業員一号として入ってくれることとなった。

「常に自分よりも出来る人で自分の周りを固めること」
は、スタンフォードMBAで最初に習うことの一つ。




スザンナは、スタンフォードMBAの先輩。eBayには従業員102号として参加して、最高執行責任者になった。その後、数多くの会社の売上げを数億円レベルから数百億円レベルに短期間で向上させてきた。「私は、売上げを毎日数億円上昇させてきた」と彼女は豪語する。


「そんな人どうやって雇ったの?」と良く聞かれる。


スタンフォードMBAでは、学生の一人ひとりにメンターがアサインされる。
彼女は、私のメンターの一人だ。

もう一つ理由がある。

50歳は、人生で、多くの人がスタートアップに挑戦できるチャンスのうちの二回のうち一回だ。
二回のうち最初の一回は、若いとき、30歳以下のときに到来する。
二回のうち二回目は、子供が巣立ち、あぶらののった50歳で到来する。


既に成功した彼女は、おそらく、二回目のチャンスを取り、新しい人生を歩みたくなったのだろう。