2009年9月13日日曜日

Stanford GSBのスピーカー

以前ブログで、スタンフォード大学のiPOD、スタンフォードGSBのVideoについて御紹介させて頂きました。

このほかにスタンフォード大学では、毎週水曜日の午後4時30分から5時30分まで、
Entrepreneurial Thought Leaders Seminar
というスピーカーシリーズが開催されており、ウェブ上でも、聴講することができます。
http://etl.stanford.edu/

URLを御覧頂ければ分かるとおり、毎回物凄いクオリティのスピーカーです。

2009年9月5日土曜日

夏の終わりに

朝起きて外に出ると、夜中に雨が降ったらしく、雨水が太陽の光をはね返して輝いていました。
それを見たとき、
「上手くいったんだ」
と何となくですが確信しました。



私が寝ている間に、日本では、インターン先の会社のCEOが、圧倒的な規模の、世界最大の市場シェアを誇る日本で、各社に(売込みの)プレゼンを行っていました。
ビザの関係で残念ながら私は出席できませんでしたが、数多くの日本人の友人に多大に助けてもらいながら、プレゼン資料や想定Q&Aを含め、絶対に完璧だと思えるまで準備をしてきました。

スタンフォードビジネススクールでは、日本は、米国のスタートアップにとって「とんでもないマーケット」として取り上げられ、授業では、大体、「どうしようもないところだ」などと教授に結論付けられます。そして、ケースの主人公のCEOが教室にやってきて
「日本では失敗したが、数多くあるマーケットのうちの1つに過ぎず、ヨーロッパでは我々は成功しているから問題ない」
などとスピーチして終わります。

それだけに、最後の大仕事を終えた後には、安堵の思いでした。



その後は、職場の同僚と一緒に、連日、野球観戦、ランチ、ディナー等を楽しみました。
職場の同僚と外出すると、スタンフォードのアメリカ人とは異なった話題が展開されます。
中には私より若い科学者もおり、
「働きながら博士号をとるべきか、休職して博士号又はMBAを取得するべきか」
「スタートアップで働くのと、大企業で働くのと、どちらが良いか」
などと色々と悩みを相談されました。
「寂しくなる。学期が終わったら絶対戻ってきて欲しい」と言われ、私も「夏もいよいよ終わりか」という気持ちになり、最後の数日は、長い友人に御別れを告げるときと同じで、心に穴が開いたような気持ちになりました。CEOとCFOからは、「来てくれて本当に良かったと思っている。何とか学期中も卒業後も働いてくれないか」などと光栄な御言葉を頂きましたが、穴のあいたような気持ちは変わりませんでした。



「アメリカのスタートアップで仕事をやり遂げられた」と自信をつけてスタンフォードに戻ったのですが、多くのクラスメート達は、先を行っていました。

夏の間に会社を設立して軌道にのせており、1年生のときよりもCEOに近い視点で話をしていました。良く話を聞いてみると、いくつかのアイディアは、本当にグーグルやフェイスブックになるかもしれないと感じさせるものでした。
アイディアを思いつく度にノートにメモって、ダメなアイディアを消していき、アイディアを精緻化していったようです。
何をしているときにも、アイディアから頭が離れることはないそうです。

2年生の計画について情報交換しても、せっかくのクラスを頑張るつもりはないそうです。

「Y.I.、クラスが良いのは分かる。僕も、タッチーフィーリーが凄く良いというのはずっと聞いてきた。けれど、僕は、授業中に『僕の会社でこんなにたくさん重要なミーティングをしなくちゃいけないのに、僕はここで何をしているんだ』と思うのは嫌だ。それに、僕はセミプロレベルの俳優だったから、タッチーフィーリーは、趣味のレベルとしては興味深いけど、プロフェッショナルなレベルとしては、もはや必要ないはずだ。」


(50人のエンジニアを面接して、コンピュータオタクとダースベーダーを自分のスタートアップのチームに選んだ友人。スペインでフェースブックに勝ったが、その会社はもう売るつもりらしい。)

等と話す彼は、1年生の間に375人のエンジニアをリストアップし、50人のエンジニアを面接して、一人のCTOと二人のプログラマを選んで、夏の間に、ネットの会社をたちあげました。彼は、スペインでフェイスブックよりもシェアを獲得した経験があります。そんな彼が選んだプログラマはどんな人だったか、というと、

「一人は、めちゃくちゃ細くて、物凄い長髪のオタクのような感じの奴だ。引っ越して僕の会社にやってきた。ところが、引越しの荷物としては、細い体に凄い小さいバックパックを一つ背負ってきただけだった。聞くと、パソコンのほかに下着とTシャツが入っているだけだと言っていた。これを見たとき、こいつは最高だと思った」

(画像は、Funny Junkより引用。著作者名は不明(無名の著作物)。著作権法32条及び48条に基づいて適法ですが、権利者から連絡があれば削除します。なお、URLは、http://www.funnyjunksite.com/funny/funny-computer-pictures/)

「もう一人は、ダースベーダのセット(着ぐるみ)を揃えている奴だ。あの呼吸器とボイスチェンジャーも勿論ついている。一緒に外出するときには、ダースベーダの格好と声で、『我輩の準備はできている』と言うんだ。身振りつきで。僕が、面接で最も重視するのはパーソナリティだ。」

(ダースベーダに関する著作権のため、著作権処理済と思われるアマゾンのイメージを使用しています

「ある日のこと、彼らが、僕のところに『重要な話がある』と言ってやってきた。はっきり言って『オプションがもっと欲しいのかな』と僕は凄く心配になった。ところが、もっと良く聞いてみると『僕らは会社に泊まって働くのが好きだ。パソコンをするのは楽しい。今は椅子で寝ている。これは効率がよくない。職場にカウチを買って欲しい』という要求だった。すぐに買いに言ったよ」



などと話していました。

まだアイディアの段階のクラスメートに対しては、起業経験のある学生をはじめとして、数多くの学生がどんどんアイディアを提供してインプットしていました。

自分も小さな成功で満足してはいられない、と触発されました。

Stanford GSB: リーダーシップのエッセイ

リクエストが多かったため、久々に合格法の登場です。

リーダーシップのエッセイについて、参考になるフリーの文献を以下に御紹介致します。
なお、スタンフォードGSBの名物授業"Interpersonal Dynamics"で課題とされている文献でもあります。

“What Makes a Leader”, Daniel Goldman

http://www.google.com/search?hl=en&source=hp&q=what+makes+a+leader&aq=8&oq=What+Mak&aqi=g10

“Positive Affect and the Complex Dynamics of Human Flourishing” Barbara L. Fredrickson and Marcial F. Losada

http://www.unc.edu/peplab/publications/human_flourishing.pdf

2009年8月13日木曜日

スタンフォードGSBの素晴らしさ

スタンフォードGSBでは、成績上位者になるとアソシエイトディーンから「おめでとう」というメールが届きます。私のところにもメールが届きました。

(アソシエイトディーンのシャロン)

もっとも、スタンフォードGSBにはもっと素晴らしいものがたくさんあるので、誰も成績を気にしていないのが実体というところです。

例えば、人との出会いは、もっとかけがえのないものであるとスタンフォードのコミュニティのメンバーは考えています。
野球の試合を友人と見にいったときのこと。

「あの4番バッターは、太っているし、年老いているから、あれだけ遠くに飛ばして1塁にしか行けないんだ。自分だったら2塁まで行ける」
と言い張るクラスメートがいるので、
「プロの陸上選手だったのかい」
とからかうと
「もともとは、そうだよ。スタンフォード大学を卒業した後、陸上選手になって、転職してビジネスの道に入り、そして今ビジネススクールにいるんだ。今も毎朝走っているし、土日は、42キロ走る日もあるよ」
という意外な返事が来ました。

(もと陸上選手の友人)

友人の新しい一面を発見すると、大変刺激を受けます。

その友人からは、クラスメートについて、
「ちなみに、アンドリューシュネルは、オリンピックの水泳選手で、ナショナルレコードを保持していたことがある。ジェイソンは、メジャーリーグのピッチャーだったよ」
などと色々と話してくれました。

(もと水泳選手の友人)

(もとピッチャーの友人)

これだけ色々なバックグラウンドの友人と、壁がなく、心から通じ合って会話を楽しめるのは、留学中の2年間だけかもしれません。

次の学期に、また友人の新しい一面を発見するのが楽しみです。

2009年8月10日月曜日

Stanford MBA: インターン先

インターン先の会社が、stimulus packageの対象に選ばれました。蓄電の分野で、ベンチャーキャピタルから出資を受けている会社としては、A123以外では、私のインターン先のみでした。(詳細は以下)

”Venture-backed A123Systems Inc. was among the largest winners, with a $249.1 million grant, but it counts established firms such as GE Energy Financial Services' venture arm as one of its backers and has filed to go public. The only other venture-backed company on the list is EnerG2 Inc., a Seattle-based start-up developing nanoparticles for use in ultracapacitors that closed an $8.5 million Series A round in October, led by OVP Venture Partners and FireLake Capital Management. ”(”Not us VC-Backed Companies Left In The Cold By DOE Battery Grants” By Mara Lemos Stein 8/6/2009 より引用

A123は、クリーンテックに興味がある人なら誰でも知っている会社で、去年(おととし?)にIPOしかけて、「景気が悪い」とやめた会社です。電池に興味のあるMBAの学生であれば、誰でも就職したい会社です(多くの学生は、やめかけたIPOを実際にしたときに、ストックオプションで儲かると考えているようです)。

これに対して、私のインターン先の会社は、誰も注目していなかった会社でした。私は、「ultracapacitorなんて誰も注目していないし面白そうだ」とインターンしたい会社のトップ3(ほかはA123とアンプリウス)に入っていたのですが、インターン先を相談した方々からも以下のとおりイマイチの評判でした。

・クライナーパーキンス(世界トップのVCの1つ)のパートナー:「ultracapacitorはまだ何もない段階だ」
・アトリウムキャピタル(シリコンバレーのVC)のナンバー2:「ultracapacitorは現段階ではマーケットがあるとはいえない。しかも、その会社は、3Xから5Xテクノロジーだと考えているが、10Xテクノロジー以外は見ないべきだ」
・日系ベンチャーキャピタル:「あまり魅力的な話には聞こえない。聞けば聞く程ダメそうだ」

それが少しづつ注目を集めています。
私のところにも複数VCからコンタクトがありましたし、また、今ではメディアにも相当注目されています。

では、マーケットはあるのかというと、例えば、コマツ一社だけをとってみても、昨年30台のキャパシタパワーシャベル、今年は700台のキャパシタパワーシャベル、来年に3000台のキャパシタパワーシャベルをつくる計画をしています。1台のキャパシタパワーシャベルは、2700万円で、通常のパワーシャベルより1000万円高いです。簡単な計算をすると、コマツ一社だけを見ても、かなりの勢いでマーケットを拡大していることがわかると思います。このようなボトムアップの積み上げをしていくと結構な規模になりますし、何よりも成長率が170%程度になります。

また、テクノロジーも、実際には、3Xから5Xとは比べ物にならないほど凄い値が出ているのを日々見ています。(英語でいう馬鹿げている程高い値。。。)

2009年8月2日日曜日

スタンフォードMBA:授業

秋学期、どのような授業が取れたのかが発表になりました。

スタンフォードGSBでの2年生の時間割がどうなるのか、このブログを読まれている方の中には、ご興味がある方もいらっしゃると思いますので、以下にまとめてみたいと思います。

W 06:30 PM - 09:30 PM

NEGOTIATIONS
Neale, Margaret

Various Meeting Time

T:10:00-1:00
T:19:00-22:00


INTERPERSONAL DYNAMICS
Bristol, Scott

MF 08:00 AM - 09:45 AM

STRATEGIC MKTG COMMUNICATIONS
Shiv, Baba

TTh 08:15 AM - 09:45 AM
INCENTIVES AND PRODUCTIVITY
Lazear, Edward

Various Meeting Time
TWF 3:15pm-6:15pm




HOW TO CHANGE THINGS
Heath, Chip

New Product Development
Draganska, Michael
TTh 01:15 PM - 02:45 PM


まとめますと、授業がある時間が、

月曜:朝8時から9時45分
火曜:朝8時から午後10時
水曜:午後6時30分から9時30分
木曜:朝8時から9時45分、午後1時15分から2時45分
金曜:朝8時から9時45分、午後3時15分から6時15分

さらに授業を取ることも可能ですし、これより少なく授業を取ることも可能です。
多くの学生は、1週間に2日しか出席しないように計算して授業をとって、旅行に出かけます。

私の場合は、空いた時間に、マスターオブサイエンスのコースを取ろうと思っています。
また、今から取る授業を変えることも可能なので、火曜日のInterpersonal Dynamicsのコースを別の学期にふりかえて、代わりに、グロースベック教授のManaging Growing Enterprise(スタンフォードGSBでの1番人気の授業の一つ)を入れることも考えています。

2009年8月1日土曜日

スタンフォードGSB:インターン先で学んでいること

サマーインターンも約半分が終わろうとしておりますが、今のところ、何とか順調にやれています。いくつか学んだことがあります。

1 インセンティブ
 私に与えられた5つのプロジェクトは、例えば、いわゆる10倍テクノロジーのビジネスプランを書く仕事など、いずれも非常にチャレンジングで、興味深い内容でした。頑張ろうという気持ちがわいてきました。

2 チャレンジ
 せっかくアメリカのスタートアップで働けるチャンスが手に入ったのだから、どんな小さな仕事も一生懸命やろうと思い、平日家に帰った後も、土日も、専門書を読むなど、仕事に関係のあることを中心にして時間を過ごしていました。
 しかし、日本人の私は、顔も発音もアメリカ人とは違いますし、かなり苦労しました。例えば、最初は、社内でミーティングがセットしてあっても、(日本人だからなのかインターンだからなのか)私とのミーティングは最後まで後回しにされてしまい、予定時刻よりも数時間待って、業務時間終了間際となるのが当たり前で、中々仕事が前に進みませんでした。
 隣の席で、一緒にインターンをしている別のビジネススクールの学生からは、どうやら「こいつは発音も悪いし頭が悪いに違いない」と思われたらしく(注:私の勝手な予想です)、最初の数週間、(同じビジネススクールのインターンであるのにかかわらず)会話が「おはよう」「また明日」以外は全くありませんでした。これでもまだ良い方で、社内の科学者の中には、挨拶もしてくれない人もいました。
 しかし、頑張っているうちに、少しづつ、信頼されるようになり、ようやく会社の一員として認めてもらえるようになりました。CEOやCOOが皆の前で褒めてくれたことも、相当手伝った気がします。
 今では、ミーティングが遅れることもなくなり、隣の席のインターンの学生とも始終会話がはずむようになりました。
 それよりも何よりも、科学者が、一緒に座って、「なぜこのテクノロジーが優れているのか」何時間でも説明してくれるようになりました。
 教えてもらえるようになって、よくよく聞いてみると本当に凄いです。
 
 クリーンテクノロジーの進歩が、ナノテクノロジーの利用に関連するだろうということは良く言われています。蓄電の場合、一つのアプローチがナノワイヤーと呼ばれるテクノロジーで、物質を、ナノレベルで糸状にします。
 例えば、アンプリウスというスタンフォードのマテリアルサイエンスの学生の間で有名な会社があります。この会社は、リチウムイオン電池の負極に、ナノワイヤー状のシリコンを利用しています。今までは、リチウムイオン電池の負極にはグラファイトが使われていました。グラファイトの代わりにシリコンを使えば、シリコンはグラファイトの10倍以上エネルギーをためることができます。しかし、シリコンは電気をためると、5倍に膨張してしまうため、実際にはシリコンが広く負極に使われることはありませんでした。アンプリウスは、シリコンをナノワイヤー状にして負極に利用しました。こうすると、シリコンは電気をためても膨張せず、ナノワイヤーが伸びるだけになるため、従来の課題が解決されます。
 
 しかし、ナノワイヤーをアンプリウスのような方法で実現しようとすると、ナノワイヤー状にするのにコストや手間がかかるようです。実際にも、アンプリウスは、現段階では、大量生産への移行は出来ていないようです。

 私のいるスタートアップのテクノロジーは、別のアプローチで、ナノワイヤーと同じような結果を実現できます。その方法論は、詳細がかけないのが残念ですが、大変エキサイティングでした。

3 アイディア
 いくつか会社の持っているアイディアの分析をさせてもらいました。
 その結果、アイディアは、ひらめきに依存するだけではだめで、いわゆる「思いつき」の後に、時間をとって、しっかりと考える時間が必要であることを学びました。


 

2009年7月31日金曜日

プリウスと自然

クラスメートのご両親と夕食をご一緒しました。
人生の目的のような会話をした後、プリウスの話になりました。「プリウスは、私の運転の仕方を完全に変えた。上手に運転したときには、最大で、1回の給油で1400マイル(!)走った。」

1400マイル本当に一回の給油で走れるのか不明です(空気抵抗と転がり抵抗によるエネルギー損失だけは、どれだけ上手く運転しても回生できませんので)が、プリウスのように「どれだけエネルギーを利用したか」というフィードバックをすぐに与えることが、人の行動に影響を与える(例:よりエネルギー消費の少ない運転をするようになる)ことはよく知られており、これがスマートメータなどのアイディアの根本にもあります。

アナロジーをしてみると、人が環境破壊をやめるには、環境破壊によって、自分がどれだけ損をしたかというフィードバックがすぐに得られることが必要な気がします。

このためには、
・まず、ある人が、環境破壊行為をしたことが、その人の損につながる
・次に、損をしたということが、その人にすぐに分かる
ことが必要になるような気がします。

単純な例を考えて見ますと、森林の焼却の例で考えてみると、森林を焼却しなければ、森林で生み出される薬・観光ビジネスなどで、森林保有者は儲けられます。森林を焼却して畑にしてしまうと上記の儲けがなくなってしまいます。

環境について、さまざまな利用形態によるバリュエーション(どういうビジネスが可能で、そこからどれだけキャッシュがうまれるか)をして、そのうえで、それをコミュニケートできないでしょうか。

さらに、環境にとどまらず、特許権など、もっと色々なものもバリュエーションできると面白そうです。

いずれも、利用の形態によって、バリュエーションが異なる(単一のバリュエーションはない)ことに注意する必要がありそうです。

インターネット等を使ってできないでしょうか。。。

2009年7月27日月曜日

Stanford GSB授業 ジャッジメント:行動組織学2

行動組織学の第2回目の授業では、「人は見かけによらない」ということを学びました。

インタビューのときでも、ベンチャーキャピタリストに対するピッチのときでも、人は、他人を、スナップショットで判断してしまっているようです。そして、そのような判断には、バイアスがかかっていることが多いようです。


どうやら、私達が、他人を判断するときには、以下のようなバイアスがかかっていないかどうか注意すべきようです。

エゴセントリズム:チームの中での自分の貢献を過大に評価する結果として、他のチームメートの貢献を過少に評価してしまう

ファンダメンタル・アトリビューション・エラー:環境や状況に起因する事象を、個人のパーソナリティや行動に起因すると勘違いしてしまう

コントラスト・エフェクト:対象の属する集団との比較で、対象を判断してしまう(ある国でトップだったスポーツ選手が、別の国では目立たないなど)

ハロー・エフェクト:ある人の普段の評価が、特定の行動の評価に影響すること(例:いつも成績が良い学生は、ある日たまたま授業態度が悪くても、教授が気が付かない)


自分に似ているか(Similar to Me):自分に似ている人の評価は甘くなる(例:オーケストラのオーディションをカーテン越しに行ったところ、女性の採用率が圧倒的に高くなった実験)

セルフ・フルフィリング・プロフェシー:対象に対する先入観を基にして、人の対象に対する接し方が決まる。そのように接しられた対象は、予想された通りに行動してしまう。その結果、益々、先入観が裏付けられてしまう。そして、その連鎖に陥る。(自分で作った例:ジャイアンは、のびたが、かつあげに応じると予想しているので、のびたに、かつあげをする。のびたは、そのようなジャイアンの行動に対して、ジャイアンの予想のとおりに対応する。ジャイアンは、自分のもともとの予想が裏付けられるので、ますますのびたにかつあげをするようになる。そして、その連鎖に陥る)

そうすると、例えば、就職後は、最初の2ヶ月が、もっとも重要ということになるらしいです。この期間に、先入観が固まり、また、その後は、セルフ・フルフィリング・プロフェシーで物事が進んでいくそうです(最初の先入観をもとにして、その人に対する上司の接し方が決まる)。

ハロー・エフェクトやセルフ・フルフィリング・プロフェシーは、弁護士も結構気にしています。負け筋の裁判を頼まれて、「お金も余りないのだが、やるだけやってみたい。この金額で出来る範囲で戦って欲しい」と言われても、下手な訴訟遂行をすると、(弁護過誤で訴えられるリスクも勿論ありますが)裁判所から、「この弁護士は駄目だな」と思われて、その後、別の事件を持っていっても戦いにくくなることが多いようです。逆に、裁判所に、「この弁護士は凄い」と思わせると、その後別の訴訟でも色々と戦いやすいようです。

では、他の人を正しく判断するには、どうしたらよいのでしょうか。
一つは、以下のステップを踏んで、環境に起因する事象と個人に起因する事象を分けることが重要なようです。
ステップ1:同じ状況で、他の人だったら、どのように行動するか。
ステップ2:この人は、いままで、同じような状況で、どのような行動をしてきたか。
ステップ3:この人は、違う状況では、どのような行動をしたか。

逆に、他の人に、自分を正しく判断してもらうには、どうしたらよいのでしょうか。
・自分の置かれている状況を相手にきちんと説明する。
・自分が相手にどう評価されているかを知り、それに対応した行動をとる。評価が間違っている場合には、修正されるような事実を持っていく。
・自分自身のことを良く知る。これは、自分で考え込んでしまうのではなく、他の人との会話の中から、自分が他の人にどう写っているのかを、みつけていく。

最後の点は、ビジネススクールでは、結構問題になることがあります。
ある日のこと。
プロジェクトのテーマを決めるデッドラインが迫っているので、私は、アメリカ人の学生に、土日に、
「早くしようぜ」とメールを送り、電話もかけまくっていました。
しかし、それでも、アメリカ人の学生とは連絡がつきません。
そこで、「あと3時間で返信くれなければ、とりあえず仮決めということでテーマを提出するけど、嫌だったら後で変更できるからね」とメールを一本入れて、他のチームメート全員のコンセンサスをとったうえで、プロジェクトのテーマを提出しました(注:早く提出すれば提出する程、有利になるプロジェクトだった)。
ところが、アメリカ人の学生が、「もう一緒にやっていられないから他のチームにいく」と激怒しました。

このときには、自分たちの置かれていた状況を良く説明して、また、日本とアメリカとの土日の仕事の考え方に対する文化の違いを説明して、相手に納得してもらいました。そして、「自分自身について知ることがGSBでの学習のGoalの一つ何だ」と説明して、相手に対して、私の行動について、どう感じたのかをインタビューしました。1週間くらいで、すっかり仲直りしましたが、自分自身についてよく知り、また、このクラスで学んだことを実践するうえで、良い勉強になりました。

スタンフォードGSB:クラブ活動

スタンフォードGSBは、クラスのサイズが小さいこともあり、比較的簡単にクラブ活動で幹事をすることができます。
例えば、私の代では、クラスメートの日本人3人(日本人は3人しかいない)は、いずれもスタンフォード日本人会幹事になっています。また、私はクラブが好きなので、以下の幹事もしています。
Environmentally Sustainable Business Club
Asian Society Club
Berkeley Stanford Cleantech Conference

幹事をすると、忙しくはなるのですが、色々な人と会う機会が増え、人との出会いから勉強する機会も増えます。ですので、これから留学される方は、是非、何かのクラブ活動の幹事をされることをお勧めいたします。

Stanford GSBで学習した人間行動のバイアス(行動組織学1)

スタンフォードGSBでは、秋学期に、行動組織学の授業を聴講することになります。
最初の授業では、人間の行動や考え方のバイアスについて学びました。

授業は、レースに出場するか否か迷うレーサーの逸話から始まります。
レースに出て、事故が起きると、スポンサーがつかなくなり、今までのすべてが台無しになってしまいます。
一方で、レースに出ない場合には、大口のスポンサーが離れて、財政的に窮地に立ってしまいます。
エンジニアからは、「寒い日には(マシンが壊れやすいので)レースに出ない方が良い」と不吉なアドバイスをもらいますが、今まで事故が起きた日のデータを見てみると、寒い日にも暖かい日にも均等に事故が起きています。
レースの日は、氷点下の温度。
このような状況で、レーサーはレースに出場すべきなのでしょうか。



意思決定をする際に、バイアスがないか判断する際には、いくつかポイントがあるようです。
・サンプルのとり方にバイアスはないか。(事故が起きた日だけではなく、事故が起きていない日の温度のデータもみるべきではないか)
・コンファメーションバイアスはないか。(自分の頭の中で答えが出来上がっていて、答えを裏付けるデータだけを探していて、答えを否定するデータは頭が拒否していないか)
・フレーミングバイアスはないか。(人間、「リスクをとらないと100%損をしますよ」と言われた場合と、「今の状況なら確実にちょっとだけお金をもらえます。リスクをとれば、もっともうけられるかもしれません。」と言われた場合では、同じ状況でも違う意思決定をしがちなようです)
・社会的な地位(上下関係)によるバイアスはないか。(ボスだから良く知っているはずだ、というバイアス)
・ アベイラビリティーバイアスはないか。(頭の中でイメージしやすい状況の方が、正しいものに思える。「シンプルでないから間違っているはずだ」などと考えるバイアス)
・デフォルトバイアスはないか。(例えば、チャレンジャー号の事故の際には、NASAは、意思決定の前に、打ち上げを公式に発表してコミットしてしまっていました)
・コミットメントがエスカレーションしていないか。(少しづつ、コミットメントする量が増してしまい、最後は、大きなコミットメントをしてしまう。)

仕事でも、裁判では、結構、利用します。
例えば、弁護士の間では、「裁判官には心証の雪崩といわれる現象がある」と言われています。裁判官が一定以上結論について印象を抱く(「どうもこっちの言っていることの方が正しそうだぞ」)と、その後形成が逆転することは殆どないという意味です(コンファメーションバイアス)。
また、裁判では、短くて分かりやすい書面が書けなければ、負けであると言われています(アベイラビリティバイアス)。

そういえば、友人(といってもかなり年上)から頼まれて、彼が起業したスタートアップのアドバイスをちょこちょこしているのですが、少しづつコミットメントの量が増してきてしまい、ついにウェブサイトに載せられてしまいました。
http://hbcmediainc.com/company/
これもコミットメントがエスカレーションする一例かもしれません。

2009年7月26日日曜日

Stanford GSB合格法:何があなたに一番大切ですか

今、米国のスタートアップでインターンをしているのですが、スタンフォードビジネススクールで勉強しているときに比べて、相対的に余裕があります。
空いた時間について、メールを処理したり、教科書を読んだり、クリーンテクノロジーの本を読んだりと「有意義」だと思えることに費やしていると、安心します。

しかし、ときに、「自分の人生、これで良いのだろうか」と疑問も感じます。

映画、『不都合な真実』では、息子の交通事故に遭遇して、「人生をどう過ごすべきか」をあらためて考え、物事に優先順位をつけるようになったというシーンが登場します。

スタンフォードGSBの有名なエッセイ、「何があなたにとって一番大切ですか」及び「なぜスタンフォードGSBに入学したいのですか」も、結局、そういうことを聞きたいのだと思うようになりました。

恐らく、(前回のブログに登場した)矢野さんの場合には、(勝手な推測ですが)埋もれているアーティストが世界に自分を発表する場を作りたい、ということになるのだと思います。グーグルの創業者の場合には、恐らく、世界中の情報を検索できるようにしたい。南アフリカで見た人々の場合には、人種の差がない世の中、自由な世の中。

スタンフォードGSBのクラスメートの中には、「自分にとって一番大切なことは、すべてのアメリカ人に平等な教育の機会を与えるという目的に向かって生きることだ」という友人もいました。別の友人は、「途上国の人の生活を向上させたい」とキューバで人権活動をしたそうです。

人のことを書くのは簡単ですが、自分がどうなのか考え出すと、急に難しくなって来ます。

エッセイには、人と心と心で意思疎通して、人の役に立ちたい、と書き、それまでの人生でやってきたことを書きました。エッセイのときには、バイオテクノロジー、今は、クリーンテクノロジーに興味があります。シリコンバレーや今いるスタートアップで、いわゆる10倍テクノロジー(10倍以上の性能のテクノロジー)も見させてもらいました。

しかし、人生をかけても良いと感じるような、凄まじい情熱を感じるアイディアを探すのは大変です。

日本のアートを世界に〜起業家の情熱〜

ハーバードビジネススクールに留学中の友人の矢野さんが、この度、起業されました。
会社名は、ストリートキャンバス
会社のウェブサイトはこちら
矢野さんのブログはこちら

この間お会いしたとき、埋もれているアーティスト達が、お互いを高め合って、世界に自分のアートを発表できる場を作り出したいと熱く語られていました。

ウェブサイトからは、そんな矢野さんの情熱が伝わって来ました。

何を犠牲にしても絶対にやり遂げたいという強い情熱がないと出来ないと感じました。

スタンフォードGSBには、Evaluating Entrepreneurship Opportunity (S356)という人気の授業があります。チームを組んで、ビジネスプランを書くコース。起業に至るチームも毎年あります。それぞれのチームに、クライナーパーキンス(世界トップのVCの一つで、グーグルやアップルなども育ててきたVC)などの世界トップクラスのビジネスパーソンが、メンターにつきます。

10ヶ月前に、このコースの説明会に出席したとき、クライナーパーキンスのパートナーが、起業に向けてのステップを解説していました。ステップ1は、自分が情熱を感じるアイディアを探すことでした。この段階では、マーケットのサイズなど基本的な分析でさえ必要ない、と話していました。

このときには、「どんな仕事でも一生懸命やろうと思えばやれるのだし」と思ったので、彼の本当の意図は分かりませんでした。

しかし、矢野さんのサイトを見ていて、「こういうことだったのか」と分かりました。

皆さん、是非、応援してあげてください!

2009年7月25日土曜日

2009年7月12日日曜日

Stanford MBA: Business Plan

スタンフォードMBAは、General Managementの学校ですが、Entrepreneurshipには取り分け強いことは有名です。
学生の間で出回っているセコイアキャピタル(注:世界トップのVCの一つ)のビジネスプランのテンプレート(下記参照)は、コンパクトにまとまっていて勉強になりました。
http://www.sequoiacap.com/ideas/
例えば、Sustainableなビジネスの条件として、
"Target customers who will move fast and pay a premium for a unique offering."
というのがあります。
現在インターンをしているスタートアップでも、CEOに「日本で動きの早いプレーヤー(Potential Customer)はどこなんだ?」と聞かれましたが、B to Bの起業家からすると切実な問題のようです。
インターネットで、B to CやC to Cの場合には、この点には余り頭を痛めないのかもしれませんが。

2009年6月17日水曜日

サマーインターン

サマーインターンを、ultracapacitorのスタートアップですることになりました。将来、長期的に、どのような道をとるにしろ、米国のスタートアップで働いてみる経験は、変え難いものになると信じており、大変楽しみです。

ところで、ultracapacitorとは何なのでしょうか。
私は全くの素人なのですが、インターン先を決めるに当たって色々と調べてみました。

ultracapacitorとは、コンデンサのように電気をためられる性質を持っている製品です。現在は、電気歯ブラシ等小型の製品に主に使われていると思います。自動車への応用の研究も盛んです。
http://www.jisc.go.jp/newstopics/2009/capacitor.pdf

シリコンバレーでは、クリーンテクノロジーへの転換のボトルネックになっているのは、蓄電技術のイノベーションの速度だと、良く言われています(最も分かりやすい例が自動車で、電池の値段が高すぎるので、なかなか電気自動車への移行が進まないと言われています)。そこで、蓄電技術分野での投資・起業・就職が活発なのですが、現在、最も人気があるのは、リチウムイオン電池だと思います。これは、成熟したマーケットで、現在、日本の大企業がシェアの5割以上を占めています。スタートアップで有名なのは、A123で、以前にIPOしかけて(景気悪化というタイミングのために)やめたという経緯もあり、「ここに就職すれば景気回復後に必ずIPOするはずであり、ストックオプションでたくさん儲けられる」と考えるビジネススクールの学生が盛んに就職活動をしています。

ultracapacitorは、下表のとおり、リチウムイオン電池に比べて、数倍以上のパワーがあります(充放電の速度がはやい)。これは、自動車では、加速度や充電速度に関係し、重要です。

もっとも、現段階では、リチウムイオン電池に比べて、約20分の1しか蓄電できない(Specific Energy)と言われています(下表参照)。蓄電量は、自動車でいうと走行距離に関連し、やはり重要です。この弱点を補うために、シリコンバレーでは、ultracapacitorに、ニッケル水素電池等(比較的安価で電気をたくさん蓄積できる)を組み合わせることが注目されています。

しかし、私が個人的に注目しているのは、ultracapacitorの寿命です(下表ではリチウムイオンの100倍程度の寿命ですが、別の専門家は1000倍の寿命があるといいます)。もし、ultracapacitorの寿命も勘案して、電池とultracapacitorのlife time value analysisを実施すると、どのように基準をとっても、ultracapacitorの価値は、圧倒的に高いことになると思います(表を使って計算してみてください)。これは理論値ですので、実際には、valueをextractするビジネスモデルが必要になりますし、また、理論を実現するには、(車が重くなりすぎないような組み合わせの実現等)様々な障害があることは承知しています。ただ、経済産業省は、電気自動車の移行には、現在の電池に対して、性能で7倍、コストで40分の1の電池が必要と発表しており(以下URL)、電池という成熟した分野でこれだけのイノベーションを起こす(以前にも御紹介したとおり20年必要と考えている専門家が多い)よりは、ultracapacitorでビジネスモデルを利用して勝負する方が可能性が高いと感じています。
http://www.meti.go.jp/press/20070528001/initiative-torimatome.pdf

(表:Andrew Burke and John Miller, "Electrochemical Capacitor: Challenges and Opportunities of Real World Applications"The Electrochemical Society Interface/ Spring 2008, 54頁より )



2009年6月12日金曜日

Sponsor

IVY LEAGUE CONSULTINGが当ブログのスポンサーとなることになりました。ハーバード等トップスクールを卒業された外国人コンサルタントが、留学コンサルティングをされており、MBA等の大学院の出願サポートをされています。利用された方の約95%が志望したMBA・大学院(スタンフォードMBAを含む)に合格されているとのことでした。初回相談は無料とのことですので、御留学を志望されている方は、試しに、一度相談を受けられてはいかがでしょうか。なお、以下のURLから初回無料相談を申し込めるようです。http://www.daigakuinryugaku.com/

2009年6月3日水曜日

Deanのエッセイ

Deanがエッセイを書くと下記のようになるようです。スタンフォードMBAの「何があなたにとって一番重要ですか」等のエッセイの御参考まで。
http://www.gsb.stanford.edu/news/headlines/joss_essay.html

2009年6月2日火曜日

今そこにある危機

MBAに留学すると興味が変わるのか」と良く聞かれます。私のケースを記載したいと思います。

MBAに留学する前、私は、バイオテクノロジーに興味がありました。例えば、癌を治す新薬が出来たら素晴らしいなどと考えておりました。仕事でも、バイオ・ヘルスケア系の案件を積極的に受任するように心がけていました。

留学後、教授・友人からの刺激を受け、今はクリーンテクノロジーに興味があります。MBAとともに、環境科学(ソーラーパネルなどのクリーンエナジー、水、バッテリーなどに関する科学)の分野のMSもJoint Degreeとして取得することになりました(下記URLですので、出願者の方は、興味があればご参考になさってください)。
http://iper.stanford.edu/home

1.気候変動を予測するという授業

私がクリーンテクノロジーに興味をもったきっかけは、モンテカルロシミュレーションを用いて、気候変動を予測する授業を履修したことにありました。この授業では、20人から30人程度の少人数の学生が、ノーベル受賞者(例えばアルゴアとともにノーベル平和賞を受賞したIPCCのクリス・フィールド氏)をはじめ、その分野で世界をリードする多くの科学者から直接指導を受けられます。

科学者の間で用いられている精密なモデルを利用して、温度の上昇を予想したところ、数十年間で、気温が約10度上昇することを学びました。大勢の人が死亡し、経済にも大きな打撃が及びます。 また、『仮に』、2020年に、CO2の排出量を0(!)にできたとしても、温度はどんどん上昇していきます。(数字を抽象的に記載しているのは、スタンフォードのHonor Codeとの関係で、これ以上具体的に書けないためです。合格されてスタンフォードMBAに留学される方は、ここの記載は、課題とは前提を変えていますので、参考にしないで下さい。

単純ですが、これは大変なことだと思いました。

2.多くのExpertとの会話

また、シリコンバレー・スタンフォードのExpertsたちから、以下のようなショッキングな話を連日聞いています。

・「10年から20年後にはバングラデッシュはなくなるだろう。海面の上昇でバングラデッシュがあった場所は水没する。北はヒマラヤだし、彼らには東や西にも逃げ場はない。1億5000万の国民の大半が死亡するだろう。」(CIAを含め、ホワイトハウスの上層部もクライアントとしている、著名な環境コンサルタント(シニアパートナー))

・「水は21世紀のオイルというのはシリコンバレーの常識だ。」(トップの一つであるVC(シニアパートナー))

・「水は21世紀のオイルだ。20世紀に石油の争奪が戦争を産んだというのは常識だ。21世紀には、気温の上昇によって、川も干上がって水不足が更に進む。例えば、われわれの分析では、メコン川も、近い将来には、大半干上がってしまう。われわれのシュミレーションでは、近い将来、すべての人類を賄うのに足りる水はない。その解決策は、(水の争奪及び人口の減少という意味で)大規模戦争となるだろう」(著名な環境コンサルタント(シニアパートナー))

いわゆる有名人がこういった議論をするのを目の前で聞くと、嫌でも刺激を受けます。

3.テクノロジー

それでは、テクノロジーのイノベーションは、問題を解決することができるのでしょうか。

多くの大企業が、「No」と考えているようです(ディスラプティブなブレークスルーは困難なので、リアリスティックに、Energy Efficiencyなどを中心としてCO2の排出を下げるべきだとする立場)。 エクソンのCEO、BPのCEO、ChevronのCEOが最近講演にいらっしゃいましたが、どなたも、「代替エネルギーへの移行がここ30年間で飛躍的に進む可能性はないと考えている」とおっしゃっていました。朝日新聞の2009年4月20日報道によれば、トヨタの経営幹部は、純粋な電気自動車について、「走行距離を伸ばすには、ただでさえ高価な電池をたくさん積むしかなく、とても売れる価格にならない」と言及されたそうです。

ただし、もし、違うシナリオとなった場合には、現在の業界のリーダーは、戦略・戦略をサポートする企業カルチャー・競争上の強みなどのすべての変革を迫られるため、業界の再編となる可能性があります。

三菱自動車の益子社長は、「社運をかけて」電気自動車を他者に先駆けて今夏から投入するといわれたそうです(文芸春秋2009年6月号)。また、電気自動車の会社であるテスラは、1000万円程度のロードスターに加え、500万円程度のセダンを発売します。セダンの購入申し込みは1000台に至ったといわれています。

どのシナリオが正しく、それに応じて、どの企業が勝つのか、大変興味深いと感じています。

現在のところ、シリコンバレーでは、トヨタの読みが正しいという噂が多いように感じています。電気自動車への移行となるのは、20年後だろうと言われています(車のモデルの変化には、5年から8年であり、モデル変化3回分の時間が必要と言われています)。そのような理由で、「電気自動車は、現段階ではマーケットがあると誰も信じない。誰も信じなければ、ファイナンスはつかない。ベンチャーのリスクは、オペレーションリスクではなく、次のラウンドでVCファイナンスが入るかだ。電気自動車のベンチャーにとってのチャレンジがここにある」という人もいます。

「それでも誰かが何かをしなければならない。僕は、Political Willの問題だと思う」などと友人達は議論してきます。毎日のクラスメート達との議論にエキサイトしています。

2009年6月1日月曜日

Stanford MBA 合格法(続)

長いこと連載の途切れていた合格法ですが、アプリカントの方から概ね以下の内容の御質問を受けましたので、久しぶりに簡潔に書いてみたいと思います。(なお、今までに記載した合格法については、ページの左側の部分に『MBA留学合格法』というリンクがありますので、そこからご覧下さい。)

<御質問内容>
「スタンフォードに留学したいと思っています。カウンセラーに相談したところ、『若干厳しいかもしれない』との趣旨のことを言われてしまい、悩んでいます。カウンセラーには、具体的には、『学歴・職歴の面で不利だ』と言われてしまいました。何とかならないでしょうか。」

なお、この方は、実際には十分に立派な学歴・職歴をお持ちです。どのように対処するべきか、この方には、概ね以下のようにご回答いたしました。

<回答>------------

スタンフォードMBAの合格基準は、私の記憶では、intellectual ability, leadership, community activityの3つであったと思います。私の考えでは、 その趣旨は、「intellectual abilityがないと、授業についていけないかもしれないし、新しいアイディアを世の中に実現できないかもしれない」「leadershipがないと他の人がついてこないので、新しいValueを世の中に実現できないかもしれない」「カルチャーにフィットしていないと、スタンフォードの良さが身につかないし、周りの人から良い影響を受けない」といったことにあると思います。学歴・職歴が良い場合は、intellectual abilityの点が高くなり、合格可能性が高まるのかもしれませんが、この点に万一ご心配がある場合であっても、以下の戦略で十分おぎなえると思われます。

①Intellectual ability:
(1)まず、エッセイの文章が、論理的であれば、他の出願者と差がつくと思います。スタンフォードMBAは、Critical Analytical Thinking (CAT)という授業を創設したことにも現れているように、論理性を非常に重視します。なお、CATを創設したSaloner教授は、スタンフォードMBAの次期Deanです。
(2)また、スタンフォードは、アイディアを重視します。新しいスタートアップのアイディア・将来働かれる会社で起こしたい変革など、新しいバリューを実現するアイディアを記載できれば、他の方に差をつけられると思います。なお、単なるDifferentiationとアイディアは、若干異なることに注意してください。
アイディアを思いつくのにあたっては、本を読むのが非常に有効です。例えば、私のブログで紹介しているSaloner教授のテキストの11章辺りのDemand Side Increasing Returnの理論を用いた新しいアイディアを書いて、読み手がアイディアを信じれば、合格の可能性は相当に高くなると思われます。私の場合には、日本の書店で売っているBerkeleyのチェスブロウ教授の書いたオープンイノベーションの本に書いてあった理論を参考にしつつ、エッセイにアイディアを記載しました。

②リーダーシップ
ここは、他のビジネススクールと同じですので、スタンフォードMBAのエッセイを後にまわすことで対処可能だと思います。

③カルチャーへのフィット
人によりますが、チャレンジ精神があること、アイディアのあること、人と人とのつながりを大切にすること、何があっても絶対に入りたいという意欲が伝わってくること、幼い頃から苦労して育った経験があること(戦地で育った友人がたくさんいます)、エンタテイニングであること、などなどだと思います。全部揃っている必要は勿論ないと思います。

なお、日本人の出願者の方は、(何があなたにとって一番大事ですか、というエッセイなどで)「世の中を良くしたい」と書かれる人が多いと思いますが、この辺りは、もう少し具体的に書くべきであることに注意すべきだと思います。例えば、私のブログのグアテマラや南アフリカの項目を読んで頂ければ、アドミッションの感覚に関して、若干参考になるのではないかと思います。1番目のエッセイについては、例えば、Social Justice、Education、Poverty、Impact on People、家族、Confidence・・・などが、テーマの例として挙げられると思います。

最後に、他の人がきちんとやってくること(トフル、GMAT、ウェブサイトをすべて読んで情報収集する、リーダーシップのエッセイ)は、確実におさえるべきだと思われます。

2009年5月31日日曜日

南アフリカとSocial Justice

1.南アフリカのService Learning Trip

South Africa Service Learning Tripに参加しました。
グアテマラのService Learning Tripのテーマは、Supply Chain Managementを利用して貧困と社会の不正義を解決することにありました。

これに対して、South Africa Service Learningのテーマは、Educationを利用してSocial Justiceを実現することにあります。

貧しい人とたくさん出会い 、その人達を「助ける」Social Entrepreneurshipを考え、体験するのが、トリップの目的であり、参加者にはそのような姿勢が求められます。
そうなるのだろうと予想していました。

しかし、私の予想と現実の世界は全く異なっていました。


2.高校生達のエネルギー

トリップは、スタンフォードMBAの2005年の卒業生が設立したAfrican Leadership Academyを訪問することから始まりました。
広大なキャンパスに集められた生徒達は、全員 、アフリカの各国から選抜された高校生です。

エネルギーにあふれていました。

「自分たちは、アフリカを変えるリーダーシップを実現する」
といったテーマでビジョンをカリスマ的に演説します。

また、「アフリカの根本的な問題は、リーダーシップの欠如にあると思う」といった趣旨の議論を堂々としてきます。
3.Utah村でのホームステイ

Utahという砂漠の中の、マラリアのリスクのある村に泊まりました。

貧しい家に泊まるのだろうと思っていたところ、自分の住んでいる家よりも広く立派な家でした。
アメリカの中流階級程度の家でしょうか。

車が2台あり(日本のトヨタ車)、子供達はフラットパネルテレビで衛星テレビ放送とDVDを楽しんでいました。


しかし、その表面に見える豊かさとは裏腹に、現実の彼らの生活には影がありました。


彼らは、自分達の生活が豊かに『見えるように』していました。
なぜなのか、そのときには疑問でした。

我々は、家の中にある非常に綺麗な水洗トイレを(指示されて)使っていました。
しかし、その後、実は、畑の中に、本当の彼らのトイレ(水洗ではない)があることを発見しました。

彼らは、我々の前で水を平気で使っていました。
しかし、その後、彼らの村には、水がなく、川も干からびてしまっており、水道が通っておらず、たまに湧き出る水を遠くまで取りに行っていることが分かりました。
学校にも水はありませんでした。


(村の子供の通う小学校の様子)

4.雄大な自然と動物達

Utah村の後には、マラリアのリスクのある地域をジープで周り、動物達を見ました。


  

(その地域では一生に一度しか見れないと言われている幻のチーターに遭遇。)

(ジープに壁はない)


(ライオンを探しに出かけた二人が発見して走って逃げ帰って来る様子)



(ライオンに囲まれてほえられる。かなりの迫力)


(湖ではカバがダイビングをする様子を目撃)


(夜になり、「安全」と言われた場所で宴の準備をしていると「ライオン接近中」との情報が入る)


(このオスライオンは「プライド」と呼ばれているらしい。目の前まで接近した)

(南アフリカのペンギン。殆ど動かないかヨチヨチ歩き)

夜はテントで眠り、「ライオンなどが来ることがあるので、絶対に外に出ないように」と注意を受けました。
夜通し知らない動物・虫の鳴き声が響き渡っていました。
また、テントのすぐ上で大量のサルのような鳴声が聞こえ、「テントはライオンどころかサルでさえ防げないのでは。。。」と思って、サルの襲撃に備えていました。

5.スラム街で

テントで夜を過ごした後には、ケープタウンの近くのスラム街の小さな宿屋に泊まりました。

宿屋の女主人は、「自分達は、尊厳があり、助けを借りなくても自分の力で立派に生きていける。貧しく可哀相な人に見るのはやめて欲しい。」と言われていました。