2009年5月31日日曜日

南アフリカとSocial Justice

1.南アフリカのService Learning Trip

South Africa Service Learning Tripに参加しました。
グアテマラのService Learning Tripのテーマは、Supply Chain Managementを利用して貧困と社会の不正義を解決することにありました。

これに対して、South Africa Service Learningのテーマは、Educationを利用してSocial Justiceを実現することにあります。

貧しい人とたくさん出会い 、その人達を「助ける」Social Entrepreneurshipを考え、体験するのが、トリップの目的であり、参加者にはそのような姿勢が求められます。
そうなるのだろうと予想していました。

しかし、私の予想と現実の世界は全く異なっていました。


2.高校生達のエネルギー

トリップは、スタンフォードMBAの2005年の卒業生が設立したAfrican Leadership Academyを訪問することから始まりました。
広大なキャンパスに集められた生徒達は、全員 、アフリカの各国から選抜された高校生です。

エネルギーにあふれていました。

「自分たちは、アフリカを変えるリーダーシップを実現する」
といったテーマでビジョンをカリスマ的に演説します。

また、「アフリカの根本的な問題は、リーダーシップの欠如にあると思う」といった趣旨の議論を堂々としてきます。
3.Utah村でのホームステイ

Utahという砂漠の中の、マラリアのリスクのある村に泊まりました。

貧しい家に泊まるのだろうと思っていたところ、自分の住んでいる家よりも広く立派な家でした。
アメリカの中流階級程度の家でしょうか。

車が2台あり(日本のトヨタ車)、子供達はフラットパネルテレビで衛星テレビ放送とDVDを楽しんでいました。


しかし、その表面に見える豊かさとは裏腹に、現実の彼らの生活には影がありました。


彼らは、自分達の生活が豊かに『見えるように』していました。
なぜなのか、そのときには疑問でした。

我々は、家の中にある非常に綺麗な水洗トイレを(指示されて)使っていました。
しかし、その後、実は、畑の中に、本当の彼らのトイレ(水洗ではない)があることを発見しました。

彼らは、我々の前で水を平気で使っていました。
しかし、その後、彼らの村には、水がなく、川も干からびてしまっており、水道が通っておらず、たまに湧き出る水を遠くまで取りに行っていることが分かりました。
学校にも水はありませんでした。


(村の子供の通う小学校の様子)

4.雄大な自然と動物達

Utah村の後には、マラリアのリスクのある地域をジープで周り、動物達を見ました。


  

(その地域では一生に一度しか見れないと言われている幻のチーターに遭遇。)

(ジープに壁はない)


(ライオンを探しに出かけた二人が発見して走って逃げ帰って来る様子)



(ライオンに囲まれてほえられる。かなりの迫力)


(湖ではカバがダイビングをする様子を目撃)


(夜になり、「安全」と言われた場所で宴の準備をしていると「ライオン接近中」との情報が入る)


(このオスライオンは「プライド」と呼ばれているらしい。目の前まで接近した)

(南アフリカのペンギン。殆ど動かないかヨチヨチ歩き)

夜はテントで眠り、「ライオンなどが来ることがあるので、絶対に外に出ないように」と注意を受けました。
夜通し知らない動物・虫の鳴き声が響き渡っていました。
また、テントのすぐ上で大量のサルのような鳴声が聞こえ、「テントはライオンどころかサルでさえ防げないのでは。。。」と思って、サルの襲撃に備えていました。

5.スラム街で

テントで夜を過ごした後には、ケープタウンの近くのスラム街の小さな宿屋に泊まりました。

宿屋の女主人は、「自分達は、尊厳があり、助けを借りなくても自分の力で立派に生きていける。貧しく可哀相な人に見るのはやめて欲しい。」と言われていました。

2009年5月30日土曜日

1年間の総括

スタンフォードMBAでの生活も1年間が終わろうとしており、簡単に1年間を振り返ってみたいと思います。良かった点・反省点という形で記載しますので、これからMBA留学される方のご参考になれば幸いです。また、しばしば質問を受けるスタンフォードで利用しているテキストについても記載したいと思います。

1.入学前の夏

良かった点
サマースクールは、生活のセットアップ・英語での議論になれる・新しい友人との出会いという意味で、行って良かったと思います。

・反省点
以下の本を読んでおけば良かったと思っています。

Saloner教授のテキスト
Saloner教授は、スタンフォードMBAの次期Deanです。General Managementの概観ができる本です。この本を読んでおくと、いわゆるMBAのコア科目の内容を有機的に結合することができます。
入学するとまず読まされるのですが、忙しい最初の学期に読むのには相当ボリュームがあり、夏に読んでおけば良かったと思ったを覚えています。

オーライリー教授の本
オーライリー教授は、スタンフォードMBAの名物教授です。企業戦略の遂行の方法、イノベーションを起こす方法、イノベーションを生かす企業とイノベーションに殺される企業といったことを述べています。読んでおくと、Human Resource Management、Organizational Behaviorといったコア科目を有機的に結合することができるので、入学後するとまず読まされます。

2.秋学期

・良かった点
秋学期は、クラスメート間で競争がありましたので、卒業出来るかが心配で必死で勉強しました。Saloner教授のテキストオーライリー教授の本も数回読み、配布されるケースも数回読んで、変な内容でも構わず授業中に発言するようにつとめました。

・反省点
意地になってテキストやケースを読む戦略をとったのですが、後から考えてみると、効率を重視するべきだったと思います。

・テキスト
Saloner教授のテキストオーライリー教授の本ほどは、入学前に読んでおく必要性を感じませんが、スタンフォードMBAでは秋学期には以下のテキストを利用しています。

デマルゾ教授のファイナンスの教科書
デマルゾ教授は、スタンフォードMBAの名物教授。一通りのファイナンスの理論が書いてある本。Quantitativeな方程式を学べるほかに、Debt Equity Ratioを高く設定するのがOptimalなのはどのようなケースか、オプションの本質は何か、敵対的買収をすべき場合といった、より本質的な内容にも触れてあり、勉強になりました。

Critical Analytical Thinkingで利用した本
いわゆるベストセラータイプの本の結論を、論理的にどのように批判するのかといった観点で利用しました。

3.冬休み
以前にブログで御紹介しましたように、グアテマラへのトリップに参加しました。戦地で生まれ育った友人などの話を聞き、新しい人生観が開けました。

4.冬学期

・良かった点
サマースクールの間に以下の本を読んで勉強しておいたので、多少楽でした。
Economics (Addison-Wesley Series in Economics)
Essentials of Accounting (Essentials of Accounting)

・注目の授業:Environmental Modelingの授業
温暖化等環境問題について、モデリング(モンテカルロシュミレーションなど)をする授業を履修しましたが、ノーベル賞受賞科学者等様々な教授が講演をされ、大変刺激を受けました。この授業では、例えば、今すぐに二酸化炭素の排出量を0に出来たとしても、数十年後には気温が飛躍的に上昇し、多くの死亡者が出てしまう、といったことを、実際に科学者が利用しているモデルを利用してしミューレーションします。

・反省点
スタンフォードの外のベンチャーキャピタリスト・アントレプレナー等にもっと会っておけば良かったと思っています。

・教科書
アカウンティングの教科書:昔からスタンフォードで使われている教科書。
データ&デシジョンの教科書:特にコメントはありません。
Micro ECON textbook:名物教授であるKrepsが執筆しています。


5.春学期

・良かった点
毎日シリコンバレーのどこかのベンチャーキャピタリスト・アントレプレナー等に会いました。シリコンバレーに流れる噂やイノベーションに関する情報に触れ、大変刺激を受けました。例えば、EEStorという会社は、キャパシタのエネルギー密度が電圧と共に上昇することに着目し、キャパシタのエネルギー密度を飛躍的に上昇させることに挑戦しており、これに成功すれば世界が根本的に変わると噂が流れています(ただし、上手くいかないだろうという噂も多いようです。例えば、電圧を仮に飛躍的に上昇させられたとしても、世界を変えるのに至る電圧を実現した場合には、余りの高電圧のため、キャパシタを搭載した車のまわりに光り輝くオーラが発生してしまい、危険であると噂が流れています)。
http://en.wikipedia.org/wiki/EEStor
また、クラスメートとベンチャーキャピタルやスタートアップのためにいくつかプロジェクトをしました。例えば、従来のテクノロジーの数倍のパフォーマンスのテクノロジーについて、どのように新しいマーケットを開拓し、プライシングを設定するのか、といった戦略の立案を、マッキンゼーやベインのコンサルタント出身のクラスメートと行いました。テクノロジーそのものが興味深かったほかに、コンサルタント出身の友人の問題解決に対するアプローチを実戦で学べたのは有意義でした。

・反省点
ネットワーキングに重点を置きすぎたせいで、授業の準備がおろそかになってしまいました。振り返ってみると、授業については、以下の点を守ることが学習効果を高めるポイントだと感じるようになりました。
(1)授業中は集中し、必ず1回は毎授業で発言する。
(2)ケースは、ともすると「読む」「理論の当てはめをする」といった風に接しがちになってしまいましたが、どちらかというと「ポイントをとらえて考える(視点を身につける)」「きちんとレコメンデーションを考える」と扱う方が学習効果が高く、無理に理論を当てはめようとすると逆効果であることを学びました。
(3)授業後に出来るだけ教授やクラスメートと議論をする。

・ファイナンスの授業について
今学期に履修したAcceleratedファイナンスのIlya教授が、今年の「最高の授業をした教授」に選ばれました。テクニカルな理論(ブラックショールズ、APV、リアルオプション、VCファイナンス、PEファイナンス、敵対的買収など)も教えましたが、それよりもビジネスの本質をファイナンスの問題に当たってどのように考慮するのか、といった考え方を教えることに重点を置かれていました。最初の授業は、彼が、3年前にある企業の倒産を予言した逸話から始まります。ある企業が2009年3月31日までに倒産すると分析したことや、その分析の手法を教わりました(アメリカ政府の介入という教授の予期しなかった事由で倒産のタイミングは教授の予想よりも若干遅くなりました)。毎回学生をCold Callし、「君の計算のAssumptionは何か。この会社のビジネスとの関係は?」といった質問をあびせます。私にとって最も興味深かった授業は、有名なイリジウムのケースで、イリジウムが失敗した理由を分析し、Target Leverage Ratioが高いケースでも、収益が高まるまではTarget Leverage RatioまでDebtを高めてはいけないこと、Debtの構成を複雑にし過ぎてはいけないことなどを学んだ回で、この回には、授業の終わりに拍手が起こりました(シリコンバレー及びスタンフォードではクリーンテックがホットなのですが、クリーンテックは、Capital Intensiveなビジネスなので、こういった議論は学生にとって大変興味深い内容になります)。

・教科書
Human Resources Management Text BookSaloner教授のテキストオーライリー教授の本と同じく、戦略と人事の有機的結合について学べます。
オペレーションの教科書:分かりやすい本です。

2009年2月28日土曜日

Blackswan 2

砂漠で太陽光発電をし、エネルギーを蓄積しておいて、必要なときに放出する・・・
霧の多いサンフランシスコの民家の屋根にソーラーパネルを敷くよりは、素人目には、効率が良いように思えます。

砂漠で太陽光発電というアイディアを実現するのが、いわゆるSolar Thermalです。基本的な仕組みは単純で、太陽エネルギーをレンズ等で集中させて、水等を水蒸気とし、当該水蒸気でタービンを回して発電するというものです。

下の写真は、日経BP(http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090224/187198/)からの引用です(飯山辰之介氏「【技術フロンティア】灼熱地獄の夢プロジェクト」)が、日本でも注目されはじめているようです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090224/187198
Solar Thermalは、オーストラリア、シリコンバレーでは、随分前から注目を集めています。

Solar Thermalの凄いところは、エネルギーを蓄積できるところにあると思います。電気を蓄積するバッテリーやEnergy Storageの技術の水準の(必要性と比較した場合の)低さは、Clean Technologyのネックになっています。Solar Thermalは、電気ではなく、温度の形でエネルギーを蓄積するため、より効率的にエネルギーを蓄積できると言われています。したがって、砂漠で大量に発電をして、夜間を含め、必要に応じて電力を供給することが可能と言われています。

一番はじめに、この技術を利用した企業は、恐らくAusraの前身だと思われます。この企業は、当初成功するかに見えたのですが、政府のClean Technologyに対する援助姿勢の変化により、(コスト面で石炭に勝てなくなってしまい)一気につぶれてしまいました。そこで、誕生したのが、コストを圧倒的に削減したAusraです。このブログでご紹介しましたVenture CapitalistのVinod Khosla(スタンフォードMBA Class of 1980)から出資・経営面でサポートを受けています。
http://www.ausra.com/

Ausraは、景気が悪化する前には、「コスト面で石炭に勝って、アメリカの全エネルギーの90%を供給できる」と発言していたと言われています。

Ausra等Solar Thermalの問題点は、これまで送電線にあると言われてきました。砂漠には送電線がない場所が多く、送電線をひくには、1マイルあたり、約100万ドルが必要であると言われています。

そこで、オバマ政権が送電線を砂漠にひいて、かつ、必要な援助をすれば、Solar Themalが一気に勝つという見方もあります。アメリカの全エネルギーの90%を太陽光発電できるのであれば、確かにBlack Swanでしょう。

ただし、当のAusraは弱気になってしまい、経営陣は、「Solar Thermalが今のScaleで石炭に勝てるとは思えない」という趣旨の発言をされています。オバマ政権は、Loan Guranteeプログラムなども提供していますので、プロジェクトファイナンス等で一気にScaleアップできる可能性もあるのかもしれませんが、経営陣が弱気というのは決定的という「噂」(ソースは学生及びVC)を、よく耳にします。

All Lives Have Equal Value

Bill & Melinda Gates FoundationのCEOであるJeff Raikes氏がお昼の講演に来校されました。

スタンフォードMBAでは、ほぼ毎日各界のリーダー・トップが学校を訪れ、講演、パネル、ディスカッション等をされ、学生は日々大きな刺激を受けています。

Jeff Raikes氏の講演は特に衝撃的でした。

氏の声の大きさ、響きは、聴衆の心を数秒でとらえました。

学生に対しては、農家の息子として生まれて何を学んだか、人生で一番大切だと思うことは何か、Appleでソフトウェアに対して情熱を感じるようになった経緯、マイクロソフトで学んだこと、といった氏自身のストーリーを語られました。

学生の間で、印象に残ったご発言をとりあげてみたいと思います。

「僕は、最初、農家のマネジメントを学びたくてスタンフォード大学に来た(来てみたらUndergraduateにはビジネススクールがなくて困られたそうです)。その後Appleでソフトウェアに情熱を感じるようになった。新しいソフトウェアを見せた時の人の顔の輝きに魅かれた。それで、マイクロソフトに転職することにした。スティーブバルマーは、文字とおりYellして口説いてきた。」

「昔僕は野球チームに所属していた。そのときのコーチは、今はメジャーリーグのあるチームで活躍している。彼と一晩話をしたことがある。僕は、『良いピッチャーを作り上げるのは何だと思うか』『良いキャッチャーを作り上げるのは何だと思うか』といった質問をたくさん彼に投げかけた。彼は、それぞれの質問に対して、『それは、3つの要素で、これとこれとこれだ』といったように非常にシンプルに応えていた。マジメントの本質がここにある。マジメントをする者は、シンプルな言葉で本質をとらえる必要がある。もちろん細かい枝葉の重要性を否定するわけではないが、シンプルな言葉でそれを伝えられないと人はついてこない」

「僕が、マクロソフトとゲイツファウンデーションで学んだ3つのことを教えよう。1つ目は、Work Balanceだ。どんな仕事にも面白い部分と面白くない部分がある。農家の息子として、僕は、このことを早く学び、面白くない仕事をしているときには、そのうち面白い仕事に変わる、と思えるようになった。ビジネススクールを卒業してすぐの学生は、何でも出来ると思っているので、面白くない仕事をしたときのストレスで失敗する人が多い。2つ目は、Prioritizationだ。君たちは、自分が何でも出来ると思っているだろう。そこで何にでも手を出してしまうと、結局最後は何もできない人になる。自分が最もパッションを感じるもので、世の中にValueを生み出せるものを見つけて、それを徹底的に追及するべきだ。その際には、うまく戦略をたてて、Prioritizationをしながら行動すべきだ。3つ目は、Work Life Balanceだ。仕事のほかに、ボランティア・家庭・レジャーは、とても大切だ。自分の中でPrioritizationをしつつ、Work Life Balanceをすべきだ。それが、長い目で見たときの成功につながると思う」

非常に分かりやすく、本質をついた講演でしたので、終了時には拍手喝采でした。

2009年2月22日日曜日

Blackswan 1

http://chemoton.files.wordpress.com/2008/10/blackswan.jpgより引用)



Black swanをご存知でしょうか。


ウィキペディアによれば、

"The Black Swan theory (in Nassim Nicholas Taleb's version) refers to a large-impact, hard-to-predict, and rare event beyond the realm of normal expectations."
を指す、とのことです。

世の中の仕組みを変えてしまうようなイベント(ゲームチェンジングなイベント)といったイメージでしょうか。例えば、ヤフーやグーグル等の検索システムが登場して、人々の情報の取得の仕方が、それまでとは全く変わったことなどが例としてあげられると思います。
やや宣伝気味で恐縮ですが、スタンフォードMBAに留学することの大きなメリットの一つとして、次のBlackswanになりうる動きに関する情報が手に入ることがあげられると思います。
今回は、そのうちの一つをご紹介したいと思います。
例として、車のバッテリーをとりあげたいと思います。
オバマ政権のお金の使い方などを見てみると、オバマ政権が、プラグインカーに注目していることがわかると思います。(例えば下記)
もちろん日本でも注目されています。(例えば下記)
プラグインカー(電気自動車、プラグインハイブリッドなど)が難しいのは、バッテリーのためだと言われていると思います。
そこで、例えば、ビジネスウィークなどは、リチウムイオン電池に注目しているようです。
しかし、例えば、シリコンバレーのテスラモーターズは、シリコンバレーのVCの間の噂によれば、1万5千個(!)近いリチウムイオンを車に搭載しており、コスト以下の価格で車を販売していると言われています(証拠はなく、VCやMBAの学生の間での噂に過ぎませんので信憑性は定かではありません)。
そこで、リチウムイオン電池を上回るBlackswanが存在しないかが問題となります。
候補は色々とあるようですが、例えば、カナダのある自動車メーカと組んでいる電池のメーカによれば、以下の電池を実現したそうです。
・リチウムイオンが重さ752ポンドであるとした場合に、300ポンドの電池(重さ半分!)
・Discharge rateが、リチウムイオンでは、30日間で1%であるところ、30日間で0.02%を実現
・リチウムイオンではフルチャージに3時間以上必要であるところ、3分から6分でフルチャージ可能(プラグインカーでは重要)
・52kWh unitについて、現在は、3200ドルのコストがかかり、MESに至ると2100ドルとなる(あるソースによれば、lead acid batteryの半額であるそうです)。

2009年2月21日土曜日

Guatemala Service Learning Trip

テロリストによる銃器を用いた殺人がはびこっており、マラリアやデング熱のリスクがあり、水に肝炎ウィルスが混ざっており、30年間にわたる内戦が終わったばかりの国。車に乗っていても、銃器を所持したテロリストから暴行を受けるリスクがある。

スタンフォードのアドバイザからリスク回避の手法を学び、肝炎を含めて万全の予防を受けたものの、グアテマラに行く前は、良く眠れませんでした。

スタンフォードMBAでは、GERという制度があり、学生は、住んだことのない国に行って学ぶ必要があります。ヨーロッパや日本などのAdvanced Countriesに行って、首相や大企業のCEOの方々などとお会いすることを選ぶ学生もあれば(Global Study Trip)、グアテマラなどの発展途上国に行って、地元の方々と生活をし、ソーシャルアントレプレナーとともに仕事をすることを選ぶ学生もいます(Service Learning Trip)。

私は、グアテマラのSocial Service Learning Tripに参加しました。グアテマラは、大変貧しい国です。


貧困層に富をもたらすための活動をしていると言われている5つの団体を訪問しました。


1 政府:グアテマラのコーヒー豆について、「森林の木陰で栽培された」ことをプロモーションすることで、非コモデティ化(product differentiation)し、これにより価格競争からの脱却・高価格での販売をめざす。

2 As Green As Its Gets:貧困層のビジネスモデルの変革をめざす。


3 コーヒー業界のGiant(US企業):Supply Chainマネジメントにより、貧困層に富をもたらすとともに、医療システム等の変化をも促すことをめざす。

4 コンサル(NPO):グアテマラのアントレプレナーに対するコンサル。

5 農家のマネジメントを変革するNGO:農家にコンサルをして、より効率が良く、環境にやさしい(例えば森林の焼却を行わせない)農業を教え、かつ、コンサルを受けた農家に対してCertificateを発行している。クラフト等の大企業は、当該農家からコーヒーを購入し、パッケージに当該Certificateを付することで、ブランドを向上することができる。

Tripは、1の政府系機関とのミーティングから始まりました。 ミーティング後、学生たちは、「素晴らしいことだ」と感激しました。

しかし、後日、貧しい農家の方々と話し、現実は単純でないことに気づきました。
そもそも、この団体は、大地主達の利益代表者として誕生したという経緯があり、貧しい農家の人達の利益を代表していません。貧しい農家に対して、Export Licenseを発行しないといった実態が実際にはあるとのことでした。

次の日に、2のNGO(As Green As Its Gets)を訪問し、農家の方々と働きました。



コーヒー豆は、そのままでは、非常に安価です(グアテマラでは数十キロでも数百円だったと思います)。訪問した農家は、7人の子供がおり、安価でコーヒー豆を売っていては家族をとても養えません。最初は、掘っ立て小屋のような場所に住んでいたようです。


As Green As Its Getsは、コーヒーのSupply Chainに注目しました。精製されたコーヒー豆であれば、値段が数倍以上になります。また、飲料としてのコーヒーであれば、値段は数十倍以上になります。そこで、As Green As Its Getsは、Supply Chainの中での農家の位置付の変更を手伝っています(例えば精製されたコーヒー豆を売れるようにする)。効果は劇的で、貧困な農家の収入は確実に上昇し、農家の家屋も毎年グレードアップしているようです。

ただし、ビジネススクールの学生からみると、As Green As Its Getsは、おそらくビジネスをScaleできないので、Guatemalaを変革することは難しいだろうという結論になりました。


3のコーヒー業界のGiant(US企業)は、従業員の労働条件及び健康状況並びに地球環境等について高い配慮をしている農家に対しては、コーヒー豆を、通常より高い価格で購入しています。US大企業の側からすると、良質のコーヒー豆の安定かつSustainableな供給を期待できます。


ただし、現地の貧しい方々の話によると、現実には、US大企業の相手となるグアテマラの農家は、大規模農家に限られてしまっており、貧困層には影響が殆ど及んでいないとのことです。また、設置された病院が見せかけだけで、実際には医者もおらず、診察が行われていない、などの問題もあるとのことでした。

4と5についても、現地の貧しい農家の方々の話では、「Helpになっていない」とのことでした。




学生達は、貧困な村に宿泊し、コーヒーピッキングを行いました。

数十キロに及ぶコーヒー豆をピッキングして、一粒一粒色分けしました。

MBAの学生数人が一日かけて集め、色分けをした数十キロのコーヒー豆は、高くても数百円にしかなりません。


グアテマラの方は、このような重労働を、絶えず、一生続けられます。
コーヒーの色素が指にしみつき、数日間落ちませんでした。







グアテマラの自然は、大変美しく、一面山や森に囲まれ、雲の下に湖が広がります。



また、急斜面の火山に登り、人生で初めて煮えたぎる溶岩を眼前にしました。


溶岩の近くの空気・地面の暑さは忘れられません。





グアテマラでは、突然の地震や火山噴火で村が埋まってしまうことがあります。戦争、病気、貧困、自然災害のリスクと隣合わせという状況で、グアテマラの方々の顔には笑顔があふれ、人々は大変親切でした。


リスクを受け入れ、力強い自然やリスクと共存していくシステムを垣間見た感じがしました。